パリダカの香り漂う本格的アドベンチャー
ドゥカティが60〜70年代に販売していた人気モデル・スクランブラー。そのイメージを現代的に復活させた現在のスクランブラーは、オフロードをイメージした「アーバンエンデューロ」、ダートレーサー風な「フルスロットル」など、様々な個性のモデルも追加してきた。
そして2019年11月のEICMAでお披露目されたのが、スクランブラーのコンセプトモデル「デザートX」。

これまでスクランブラーシリーズは60〜70年代のオフロード車を再現してきたが、「デザートX」のモチーフとなっているのは80年代末から90年代にかけ、BMWやホンダなどのワークスチームが競い合っていたパリ・ダカールラリーに、ドゥカティ製エンジンを搭載して参戦したカジバのラリーマシン「エレファント」。
高い車高、大型スクリーンにデュアルヘッドライト、大容量燃料タンクやサブタンクなどで、スクランブラーが本格アドベンチャーツアラーへ変身!
モチーフとなったのは、往年のパリダカマシン!

CAGIVA ELEPHANT
E・オリオリの手で1990年と1994年の2度、パリダカを制したカジバ・エレファント。ドゥカティ製空冷Lツインを積んでいたのは、当時ドゥカティがカジバ傘下にあったためだ。
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デザートXのベースとなっているのはスクランブラーの最高峰である1100。エンジンは1079㏄の空冷デスモドロミック・Lツイン。

ダウンマフラーを採用しながら、サイレンサーが大きく跳ね上げられているのはパリダカ仕様のカジバ・エレファントと同様。

モノショックを採用しながら、車体左側に大きくオフセットしてサスユニット自体を露出させるデザインはスクランブラーそのままだ。

メーターとマップホルダーを一体にしていた当時のパリダカマシン風のコックピットを、縦長の液晶パネルで再現している。

大容量なメイン燃料タンクに加えて、テールにも左右振り分けで独立したサブタンクを装着し、長大な航続距離を実現。

エレファントはテールランプを備えていない。デザートXでは、最新オフロードモデル風ではなく、80年代的デザインを採用。
まとめ:月刊オートバイ編集部