※この記事は月刊オートバイ2018年12月号(別冊付録 RIDE)で掲載したものを加筆修正しております。
神様が降臨した磯辺
海辺の道に、突如現れる大きな鳥居。鳥居の奥には、真っ直ぐに延びる階段が見えます。
道路を中心に、もう片方にはすぐに海が見えています。階段の他にも車道があり、境内近くの駐車場まで坂を駆け上がります。
今回の神社拝走記、旅の目的地はここ大洗磯前神社(おおあらいいそさきじんじゃ)です。
気付いた人もいると思いますが、前ページで紹介した神社と同じ「磯前神社」なのです。
両社は創建された頃より縁深く、祀られている神様は、神話でも最強ペアとして登場します。
日本の礎を築いた二神。個人的には「一人じゃなくて、誰かと力を合わせて成し遂げた」ってところが、人間ぽくて親近感が持てます。
その二神は、大黒様とエビス様としても信仰されています。神社の門の前には二神の木像が祀られていて、見ていると多くの参拝者が撫でていました。
神様にも名コンビが存在した!
御祭神の大己貴命(おおなむちのみこと)と、少彦名命(すくなひこなのみこと)。
聞き馴染みがないという、そこのアナタ。この二神は日本の礎を作ったとされる名コンビなんです!
その業績から、ご利益は無限大(笑)。
参拝した時に是非見ていただきたいのは、奥の本殿の屋根。維持費や職人不足の問題から、今では少なくなった茅葺き屋根です。
神職に伺ったところ、東向きの屋根がこれから西陽でやけて変色していくそうです。一方西側の屋根は海からの風で乾燥。
東西の面がそれぞれ違う色合いになっていくのだとか。次回訪れた際に、時の流れを感じる目安になるかも知れませんね。
【そもそも七五三ってなに?】
今も昔も変わらないものは子供の笑顔
武家の風習が元になった説など、実は起源がハッキリしていない七五三。7歳・5歳・3歳と別々の儀式だったものが、徐々に今のスタイルに。
秋はお米の収穫時期でもあり、その際に神社へ子供の成長を願ったこと等から、現在では11月に行なうようになったそうです。
昔は子供が無事に成長することが、現代より難しかったことでしょう。子供の成長を願うことは、今も昔も変わりませんね。
神職に伺った話で驚いたことが、もう一つ。高台の神社から階段、そして道路を渡り浜辺、海へと現在はなっています。
しかし明治頃までは、階段のすぐ下までが海だったそうです。そんなつい最近まで? と、思わず聞き返してしまいました。
聞かなければわからないこと、神社巡拝ではそんなことばかりですね。
神社の前の磯は「神磯」と呼ばれ、祀られている神様が最初に降臨した場所とされています。
その磯も道路などが出来たため、神社から見えづらくなってしまいました。そこで、人々の記憶の中で薄れないようにと、神磯に鳥居が建てられたそうです。
そんな話を知ってか知らずか、今や神磯の鳥居は「インスタ映え」スポットに。確かに、磯辺に立つ鳥居の姿は誰が見ても絶景ですよね。
僕もこの時の写真を、インスタグラムにアップしました。ゴツゴツした磯辺なので、安全な場所から撮影したいですね。