自らを「神社巡拝家®」と名乗り、これまで訪れた神社は10000社以上! 日本一、神社と旅を愛するバイク乗り「佐々木優太」の神社拝走記。今回は、写真に残しておきたい神社や景色を求めて、茨城県の名勝スポットが点在する「水戸大洗エリア」を旅します。
※この記事は月刊オートバイ2018年12月号(別冊付録 RIDE)で掲載したものを加筆修正しております。

神様が降臨した磯辺

海辺の道に、突如現れる大きな鳥居。鳥居の奥には、真っ直ぐに延びる階段が見えます。

道路を中心に、もう片方にはすぐに海が見えています。階段の他にも車道があり、境内近くの駐車場まで坂を駆け上がります。

今回の神社拝走記、旅の目的地はここ大洗磯前神社(おおあらいいそさきじんじゃ)です。

画像: 大洗磯前神社 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町6890

大洗磯前神社

茨城県東茨城郡大洗町磯浜町6890

気付いた人もいると思いますが、前ページで紹介した神社と同じ「磯前神社」なのです。

両社は創建された頃より縁深く、祀られている神様は、神話でも最強ペアとして登場します。

日本の礎を築いた二神。個人的には「一人じゃなくて、誰かと力を合わせて成し遂げた」ってところが、人間ぽくて親近感が持てます。

その二神は、大黒様とエビス様としても信仰されています。神社の門の前には二神の木像が祀られていて、見ていると多くの参拝者が撫でていました。

画像: 浜辺からすぐのところにある高台に鎮座しています。海側から徒歩で階段を登り参拝出来ますし、高台の駐車場まで道路が続いているので、バイクで上がる事も出来ます。上の境内からは、鳥居越しに水平線までが一望できます! この景色は必見ですね。

浜辺からすぐのところにある高台に鎮座しています。海側から徒歩で階段を登り参拝出来ますし、高台の駐車場まで道路が続いているので、バイクで上がる事も出来ます。上の境内からは、鳥居越しに水平線までが一望できます! この景色は必見ですね。

画像: 階段を登りきると現れる隋神門。この門をくぐり、社殿へ向かいます。参拝のあと振り返ると、まるで額縁の中にある絵のような景色が、目に飛び込んできます。潮風が、とても心地よかったです。

階段を登りきると現れる隋神門。この門をくぐり、社殿へ向かいます。参拝のあと振り返ると、まるで額縁の中にある絵のような景色が、目に飛び込んできます。潮風が、とても心地よかったです。

神様にも名コンビが存在した!

画像: 僕が待っている間にも、大勢の人が御朱印を受けてらっしゃいました。社寺巡りや、アニメなど、きっかけは人それぞれ。

僕が待っている間にも、大勢の人が御朱印を受けてらっしゃいました。社寺巡りや、アニメなど、きっかけは人それぞれ。

御祭神の大己貴命(おおなむちのみこと)と、少彦名命(すくなひこなのみこと)。

聞き馴染みがないという、そこのアナタ。この二神は日本の礎を作ったとされる名コンビなんです! 

その業績から、ご利益は無限大(笑)。

この大洗磯前神社と、前ページでご紹介した酒列磯前神社の両社はとても縁深い神社です。このような神社を連続で参拝した時は、御朱印も隣同士になります。御朱印帳を、後で見返した時の楽しみにもなりますね。

参拝した時に是非見ていただきたいのは、奥の本殿の屋根。維持費や職人不足の問題から、今では少なくなった茅葺き屋根です。

神職に伺ったところ、東向きの屋根がこれから西陽でやけて変色していくそうです。一方西側の屋根は海からの風で乾燥。

東西の面がそれぞれ違う色合いになっていくのだとか。次回訪れた際に、時の流れを感じる目安になるかも知れませんね。

画像: 境内では早くも、モミジが色付き始めていましたよ。神社建築と紅葉も、旅写真の定番! これからの季節が楽しみです。

境内では早くも、モミジが色付き始めていましたよ。神社建築と紅葉も、旅写真の定番! これからの季節が楽しみです。

画像: 訪れたとき、七五三の祈祷受付も始まっていました。地域によっても違いますが11月15日は混み合うとのことです。

訪れたとき、七五三の祈祷受付も始まっていました。地域によっても違いますが11月15日は混み合うとのことです。

【そもそも七五三ってなに?】

画像5: 磯部に立つ鳥居!? SNS映えを求めて、大洗磯前神社へ/神社巡拝家・佐々木優太の「神社拝走記」【第15回】(茨城県)

今も昔も変わらないものは子供の笑顔

武家の風習が元になった説など、実は起源がハッキリしていない七五三。7歳・5歳・3歳と別々の儀式だったものが、徐々に今のスタイルに。

秋はお米の収穫時期でもあり、その際に神社へ子供の成長を願ったこと等から、現在では11月に行なうようになったそうです。

昔は子供が無事に成長することが、現代より難しかったことでしょう。子供の成長を願うことは、今も昔も変わりませんね。

神職に伺った話で驚いたことが、もう一つ。高台の神社から階段、そして道路を渡り浜辺、海へと現在はなっています。

しかし明治頃までは、階段のすぐ下までが海だったそうです。そんなつい最近まで? と、思わず聞き返してしまいました。

聞かなければわからないこと、神社巡拝ではそんなことばかりですね。

画像: 浜辺から道路を挟み、神社が鎮座する高台があります。上にある社殿に向かって、真っ直ぐに伸びる階段。昔は、この階段の下辺りまでが浜辺だったそうです。まさに磯のすぐ先の神社だったんですね。

浜辺から道路を挟み、神社が鎮座する高台があります。上にある社殿に向かって、真っ直ぐに伸びる階段。昔は、この階段の下辺りまでが浜辺だったそうです。まさに磯のすぐ先の神社だったんですね。

神社の前の磯は「神磯」と呼ばれ、祀られている神様が最初に降臨した場所とされています。

その磯も道路などが出来たため、神社から見えづらくなってしまいました。そこで、人々の記憶の中で薄れないようにと、神磯に鳥居が建てられたそうです。

そんな話を知ってか知らずか、今や神磯の鳥居は「インスタ映え」スポットに。確かに、磯辺に立つ鳥居の姿は誰が見ても絶景ですよね。

僕もこの時の写真を、インスタグラムにアップしました。ゴツゴツした磯辺なので、安全な場所から撮影したいですね。

画像: 大洗磯前神社に祀られている神様は、この神磯(かみいそ)に降臨したと言われています。今は、そこに鳥居が建っています。

大洗磯前神社に祀られている神様は、この神磯(かみいそ)に降臨したと言われています。今は、そこに鳥居が建っています。

画像: この絶景は、写真に収めずにはいらせません。あの水戸黄門も、歌を詠んだほど。僕以外にも、カメラを構える人がたくさんいました。

この絶景は、写真に収めずにはいらせません。あの水戸黄門も、歌を詠んだほど。僕以外にも、カメラを構える人がたくさんいました。

画像: 海のすぐ側だと言うのに、真水が湧いている不思議な場所。参拝時、ぜひ見つけてみてください。

海のすぐ側だと言うのに、真水が湧いている不思議な場所。参拝時、ぜひ見つけてみてください。

画像: 社殿に施されたこの優美な彫刻は、日光東照宮に代表される「北関東」に多く見られます。

社殿に施されたこの優美な彫刻は、日光東照宮に代表される「北関東」に多く見られます。

画像: 一際目立つ、巨大絵馬。奉納されたもので、このアニメ「ガルパン」をきっかけに参拝する人も多いそうです。

一際目立つ、巨大絵馬。奉納されたもので、このアニメ「ガルパン」をきっかけに参拝する人も多いそうです。

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