安くて便利なアイテムに手を出しすぎて、荷物がどんどん増えていった件
ここ最近のキャンプブームは約25年ぶり、とも言われているのだとか。
いまAmazonなどでは、安くてけっこう使えるアイテムが山のように販売されています。その物色にハマっているwebオートバイ編集部員西野です。
ただ、気づくとこんな感じに。

道行く人に、日本一周中ですか? とか聞かれて「1泊2日です」と答えたとき、すごくがっかりされました。泣
www.autoby.jpふと思いました。「10代の頃、俺の憧れていた旅のスタイルってこんなんだったっけ?」
いや、いいんですよ。大荷物で旅をするのもいまは大好きです。否定ではありません。だけど、中学生や高校生の頃に思い描いた、さすらいの旅人像とはなんか違う。
荷物は極力少なく、まるでムーミンのスナフキンのような、そんなさりげないスタイルに憧れていたはずだ!
原点回帰への思いが募ってい2月中旬、スマート・キャンプツーリングを実践する絶好の機会を得ました。
そう、ホンダ「ADV150」の国内正規モデルが発売されたのです!!

Honda ADV150/カラー:マットガンパウダーブラックメタリック/排気量:149cc/税込価格:45万1,000円
容量25Lのシートバッグと、シート下ラゲッジだけでキャンプ道具が積めた!

どうだ! これですべて入っています。
このコンパクトな装備を見て「日本一周ですか?」と聞いてくる人はいないはず。宿に1~2泊するのかな? と思われるのが妥当でしょう。まさかキャンパーだとは誰も気づくまい。フッフッフ、さりげないこと、この上なし。

積載したのは容量25Lのシートバッグのみ。それとADV150のシート下ラゲッジでキャンプ道具がすべて収まってしまいました。
このほかに容量16Lのリュックを背負っていましたが、そちらにはカメラや筆記用具など機材を入れたのみです。
バッグに入れた荷物と、ADV150の積載性

シートバッグはTTPL「ツーリングバッグ touring25」(税込12,639円)。
メイン気室は完全防水設計。後ろついている黒いポーチもセットです。モーターマガジン社のウェブショップ「MM Style」でも販売しております。

シートバッグに入れていた荷物
・レインスーツ
・着替え
・椅子
・テーブル
・鍋やシェラカップ、箸など調理器具
・レザーマンのマルチツール
・まな板
・焚き火台
・着火剤
・ガスストーブ
・カセットガス
・ランタン
・ヘッドライト
・モバイルバッテリー
・水袋
・シュラフカバー
・洗面用具
・ペグ
・ハンマー
・使い捨てカイロ
・ウエットティッシュ
・トイレットペーパー
・キッチンペーパー
・軍手

このうち、レインスーツはメイン気室の一番上に配置。雨が降ってきたときに荷物をひっくり返すのは嫌ですからね。バッグの後ろに備わっているポーチには、マルチツールやヘッドライト、使い捨てカイロ、ウエットティッシュを入れていました。

TTPL「ツーリングバッグ touring25」には取り外しできる底板が備わっているのですが、それを、まな板シートに変換。100均で売っているまな板シートは、バッグの底や側面に配置すると、パッキングがしやすくなります。
ADV150の積載性の高さは申し分なし。突起型の荷掛フックは備わっていませんが、グラブバーがかなり使えます。

このシート、街乗りでは「硬っ!」と思ったのですが、ずーっと乗っている高速道路の移動では至極快適でした。1泊2日でお尻が痛いと思ったのは、ちょこっと走った都市部だけです。

リアシートは広め。グラブバーの高さがツライチになっているので、容量70Lクラスの大きなバッグでも積載できるでしょう。

グラブバーが最近流行りのすっぽ抜ける形状ではなく助かった! 前後の留めに取り付けベルトを通せば、簡単にパッキングできます。ストレッチコードとは相性が悪いですね。工夫が必要です。
リアシートの積載に使える部分の長さを測りました。ご参考まで。

リアシート前後の長さは約26cm。

リアシート前部分の幅は約22cm。

リアシート後ろ部分の幅は約15cm。

まるでシートの上に置いているかのようにしか見えないさりげないパッキングが実現できました!
シート下には、キャンプ場に着くまで取り出さないものを入れる!
リアシートにバッグを積むと、ラゲッジスペースを開けるのが面倒ですからね。

シート下ラゲッジはパカッと開いて出し入れがラクラク。テントのポールなど長物を入れられるのがありがたい!

容量は27Lとのこと。このキャンプから帰ってきてこの数値を知りました。手応え的には40Lくらいかな~と思っていたので、ちょっとびっくりです。

ヘルメットとウインターグローブを入れるとこんな感じ。プラスしてレインスーツも入りますね。ヘルメットはフルフェイスだとモノによっては入らなそう。

お気に入りのアライヘルメット「VZ-RAM」(税別46,000円)も艶消しブラック。ADV150との相性最高! と思ってウキウキだったのですが、ソロツーリングだったため走行写真が撮れず残念。
パッカーンと開く! シートの裏には、書類と工具が搭載されています。

シート下のラゲッジスペースに入れていた荷物
・テント
・テントのポール
・寝袋
・エアーマット
・三脚
・防寒着
・使い捨てカイロ
今回のパッキングでこだわったのは、シート下ラゲッジと容量25Lのシートバッグで持っていけるものだけを持っていく。そのうえで、必要以上に物を減らさない、ということ。
だから椅子やテーブルもちゃんと持っていきました。にもかかわらず、買い出し後の食料を入れるスペースまで残っていたのです。

直火OKのキャンプ場に焚き火台を持っていく余裕までありました。
カップ麺とかじゃなく、ちゃんと鍋で料理もしたんですよ。


鍋キューブはやっぱり最高。うどんは3玉で78円とかいうから、つい3袋も。

鍋+うどんほど楽なものはないですねえ。

ウインナーが欲しかっただけなのに、加工肉は4つで1,000円とかいうから、こんなに。ピアゴ森店の策略にまんまとハマってしまいました。

厚切りロースハムステーキはワイルドに焚き火であぶっていただきました。
キャンプ地は、静岡県浜松市の秋葉神社前キャンプ場。星きれいだったなあ。



一緒に旅するまで気づかなかったけど、ADV150はすごくイケメン。
久々のソロキャンプ。テントを張って、焚き火をおこして、ご飯を作って食べたら、やることがなくなりました。

そう、ここからがソロキャンプの醍醐味。焚き火をいじくりながら、ビールを飲んでボケーっとする至福のひとときです。

夜が更けてきてから、取っておいた生ハム・タイム。原型ベーコンは結局使わずじまい。

風が吹いていたので、一度火がついたら薪を投入するだけの楽な焚き火でした。まあこれだけでも充分楽しいのですが……
今回は欲張りました。積載スペースに余裕があったので、こんなものも携行していたのです。
将棋セット! 駒台付き!

チキンラーメンのおまけに付いていたポーチが駒入れとして絶妙なサイズでした。

畳の将棋盤はお手製のもの。線を引いただけですが。
プロ棋士の棋譜を並べたり、ライバルとのシミュレーションをしたりと、ひとりの時間を満喫しました。

ライバルとのシミュレーション中。手前が西野鉄兵初段、戦形は四間飛車。奥はライバル西野親父1級。引き角からの棒銀を狙う模様。ちなみに父親とのここ2年間の戦績は266戦138勝128敗。少し勝ち越しています。
ただ、気づくとめちゃくちゃ冷えてきた。観測できた一番低い気温は0.6度。
羽生善治先生の有名なエピソードのひとつに「勝ち筋が見えると指す手が震える」というがあるんですが、僕は普通に全身震えていました。

テントの中はちょっと暖かく、3.8度。ダウン量500gのシュラフとインナーシュラフ、その中に使い捨てカイロを3つ入れて就寝。
翌朝、霜が……。

けど、快晴!!

荷物がコンパクトになると何がいいか?

第一の理由は、乗車時の安全性・快適性ですね。今回、窮屈感はゼロ。重さも意識するほどではなく、いたって普通に走れました。
そしてもうひとつ大きな理由があります。
設営・撤収が早い、楽!

キャンプツーリングで何が面倒かって、翌朝の撤収なんですよね。設営はまあテンション高めに楽しみながらできるものの、撤収のかったるさと言ったら……。
それが今回は、大嫌いな撤収すら楽しめました。食料もなくなったので、よりすっきり。
シート下のラゲッジスペースはほぼ何も考えずどんどん詰めていっちゃえるので、こんな楽なことはありません。

実際には大方のものを袋に入れて収納していました。持ち運びが楽ですからね。
バッグの方も細かいものを詰めていくだけの簡単なお仕事。撤収に実質かかった時間はテントの分解や、食器の洗浄などを含めて、25分ってところ。

片付けている時間より霜と夜露でびしょびしょになったテントを干している時間のほうが長かったくらいです。

ADV150が叶えてくれたスマートキャンプ。キャンプ歴15年を迎えていま、新たな扉が開いた気がします。こんなに手軽だったら、毎週でもキャンプに行きたくなっちゃいますね。
そういう意味でもこのバイク、旅の相棒としてすこぶる優秀ですよ。
文・写真:西野鉄兵

ADV150は電源も取れる! キャンプツーリングではとくに大助かり。次回は、「ADV150のちょっといいとこ見てみたい?」と題して、このようなユーティリティの紹介や、1泊2日の旅で感じたことをまとめたいと思います。
2020年3月8日に公開しました! まとめ編「ホンダADV150のちょっといいとこ見てみたい?」
Honda ADV150 主なスペックと価格
全長×全幅×全高:1,960×760×1,150mm
ホイールベース:1,325mm
最低地上高:165mm
シート高:795mm
車両重量:134kg
エンジン形式:水冷4ストOHC単気筒
総排気量:149cc
ボア×ストローク:57.3×57.9mm
圧縮比:10.6
最高出力:11kW(15PS)/8,500rpm
最大トルク:14N・m(1.4kgf・m)/6,500rpm
燃料タンク容量:8.0L
変速機形式:無段変速式(Vマチック)
タイヤサイズ(前・後):110/80-14M/C 53P・130/70-13M/C 57P
ブレーキ形式(前・後):シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格(消費税10%込):45万1,000円