現行車でもどんどん楽しめるカスタムへ
ホンダの現行空冷CB、CB1100/EX/RSに、往年のCB-Fルックをまとわせたい。そう思うファンは少なからずいる。
そんなニーズに応えたのが、ウィズミー・プロフェッショナルレーシングのコンプリートカスタム車“プロジェクトF”。写真はこれをベースにさらにカスタムを施した“F+(エフプラス)”と呼ばれる車両の一例だ。

“プロジェクトF”とF+の違いを先に述べれば、この状態のF+はエンジンまわりはSC65のSTDのままに、エアクリーナーを外した純正インジェクション(ウィズミー会長・丸山さんの言葉を借りれば「直ジェクション」)をサブコンによって燃料調整。アールズ・ギア製マフラーとの組み合わせで106.5ps(SC65のノーマルは90ps)へ。
低速域を犠牲にすることなく、高回転までよどみない吹け上がりを実現と、パフォーマンスも高め、市街地走行からサーキット走行会まで楽しめる特性とされる点にも注目。ほかにはリヤショックが4輪でも知られる国産のビルズに換装されるのが大きな違い。
元のプロジェクトFに話を戻せば、まず細部までこだわった、専用のF外装キット=アルミ製で16.5L
容量のタンク、FRP製サイド/シートカウルを用意し、フィッティングや配線加工が必要な部分はすべてキットパーツ側で処理、本体側は無加工で装着できる仕様とした。現在は外装キットのみの販売はしておらず、ウィズミーへの車両製作依頼のみ対応する。
製作はベース車の選定(持ち込み可)→カラーリング決定(塗装代は別途、純正色の場合はこの過程を省略)→パーツ製作/塗装(約3カ月)→組み付け・完成という手順。新車ベース、中古車ベース、持ち込み製作も可能だ。
納車後にもマフラーやハンドルほかのカスタムも楽しんでいける仕様となっていて、最新現行車で“CB-F”の味わいを、このF+のようにカスタム域にまで広げて実現を目指す意欲作。
この形が好きならば、選んで楽しむ価値は十分にある。
Detailed Description 詳細説明

細長くケース側が黒いCB-Fの特徴を出したウインカー。CB-Fらしさを表現するヘッドライトと直下のふたつのホーンなども再現した。

CB-Fの特徴でもある四角く大ぶりなテールレンズもきちんと表現している。テール部分はこのようにフェンダーレススタイルとなる。

CB-Fのスリムロング感をCB1100に投影する燃料タンクはアルミ製で容量16.5ℓ。基本色は純正パターンだが、別料金でオーダー塗装にも対応する。

シートは元となるCB1100(SC65)ベースで、CB-F形状をCB1100に合うようにテールカウルやサイドカバーもFRPで造形しているのだ。

空冷DOHC4バルブ直列4気筒1140ccのエンジン、ダブルクレードルフレーム等のハード面はCB1100そのままを使うが、違和感はない。

F+ではエアクリーナーボックスを撤去した上でRapidBikeサブコンで燃調を取る。基本仕様のプロジェクトFはボックス/カバーも付く。

前後18インチホイールやφ41mm(CB1100RSではφ43mmとなる)フロントフォークもSC65そのまま。見本車ではフォーク内部にテクニクス製のTASCカートリッジも装備している。

このF+見本車ではビルズ製リザーバー別体リヤショックもカスタム参考例として装備している。このあたりも当然、アレンジできるのだ。角型で細身のスイングアームは純正パーツ。変則10本タイプスポークのホイールもCB1100純正だが、コムスターデザインに見える点は面白い。

CB-F現役当時のAMAスーパーバイクレーサーを彷彿させるメガホン形状の4-2-1マフラーもカスタム参考例として装着。