独自発想とNC削り出しで供給される多彩なパーツ
自社内のNCマシニングセンタによる高質なアルミ削り出しパーツを多くの車種向けに展開するアグラス。スズキ系に強い一面もあって、新型スズキKATANA用のパーツ群も夏から次々リリースされた。その最大の注目は、ハンドルキット、そして同社が得意とするエンジンスライダーだろう。
ハンドルはトップブリッジ含めてA2017材からの削り出し品。複数のピースを組み合わせる構造だ。装着写真をよく見ると、十分な強度を質感を持たせつつ、干渉しそうな箇所に逃げを持たせている点にも気づく。
「これはKATANAリリース前から『ほしい人が多いかな』と案を練って、その発売直後から実際にどう作れるか、あれこれ試していきました。タンクカバーが高めだったり、意外に干渉してしまう箇所も多くて、なかなかスペースが取れなかったのが難しかったです。一時は干渉を防ぐために切れ角を抑えてハンドルストッパーや専用のハンドルロックも付属させようかと考えましたが、価格も上がりますし、何より、ハンドル切れ角は多い方がバイクの取り回しがしやすい。ですから、ノーマルの切れ角を残すように工夫しました。治具も作って、以前作った製品のジャンク品を加工して付けてみたりしてデータを作り、それでこのトップブリッジとハンドルができたんです」とアグラスの開発担当・久保山さん。
位置としてはノーマルから少し車体前方、少し下で、垂れ角は約10度。KATANAのサイバーチックなデザインと削り出しの質感がうまくマッチした感もあるし、この位置は魅力的でもある。
またエンジンスライダーも、アグラスの定番。左右が異なるエンジン外観にそれぞれ合わせたデザインでA2017製ベースを削り出してバフ加工した上にアルマイト仕上げ。その上にポリアセタール樹脂のスライド部をマウントする作りは従来から一貫したもので、ルックスもアップする。
「KATANAではエンジンマウント前/上をつなぐデザインでフレーム補強の役割も持たせました」(久保山さん)とのことだが、このデザインは新鮮に感じられる。
ほかにも定番のステップや、ヘルメットホルダーも設定。このように多彩に用意される、高質で“使える”アグラスのパーツ群、KATANAにも見ての通り良好にマッチングしている。