作る上での理想を追い、消耗の仕方も反映する|ベビーフェイスのカスタム「Z900RS」
深めのゴールドが印象的なステップキットや特徴的なベース/本体デザインのエンジン/フレームスライダーなど、多彩なビレットパーツを手がけるベビーフェイス。
NCマシニングセンタなどの工作機以外にも数年前から自社内に3次元測定機と3Dプリンターを導入していて、このZ900RS用パーツの開発でも、そうした機器が使われている。

「実採寸や現物合わせという方法からでもパーツは作れるんですよ。でも私としては、車両メーカーがどういう意図で部品の配置だったり形状といったものを決めているかを正確に把握したかった。
それに、パーツを作る上では無駄を減らして徹底的に理想を追及したかった。その意味では、このふたつの機器を導入してからはパーツの開発レベルとスピードは格段に上がったと思いますよ」(ベビーフェイス/代表・佐藤勝彦さん)

また各パーツ完成後の同店の動向で興味深いのは、レーシングライダーに対する積極サポート。
「宣伝の意図も少しはありますが、レースという極限の状況で使うと、パーツの良否が明確に出ます。例えばステップなら踏み応えやシフトタッチがタイムに反映されるし、スライダーなら転倒時のジュラコン部の削れ方で保護性能がハッキリする。
言ってみれば、レーシングライダーからの貴重な意見を、ウチでは開発に大いに役立たせてもらっているわけです」(同)
Z900RSは必ずしもレースに直結していないが、パーツにはそんな意見も反映されているのだ。
ベビーフェイス Z900RS 詳細説明

ブレーキマスターシリンダー(ここでは純正のNISSINラジアルポンプ)の別体リザーブタンクキャップ(NISSIN-φ52)は税別5500円。リヤ用もあり税別4000円(NISSIN-φ38)。
バーエンドにはさまざまな形状やカラーが用意されているが、ここで装着されるのはφ35mmアルミ合金アルマイト・レッド。バーエンドがレッド、外からエンドを止めるピースはブラックのジュラコン製でベビーフェイスロゴも入る。

ゴールドの丸いパーツはフレームのピボットホールをカバーして汚れや錆びの発生を防止するフレームキャップ(4個セット税別10500円)だ。ブラック、ゴールド、レッド、シルバーの4色を設定している。


左右クランクケースカバーの前側にアルミ削り出しベースを共締めし、転倒に対して有効な位置に大きさを抑えたジュラコンスライダーを配した、独自デザインのエンジンスライダー(税別17500円)。前側エンジンマウント部に着くフレームスライダーは、税別11000円。


バックステップ(税別5万6500円)もベビーフェイスならではのペダル別軸タイプ/ダブルベアリング。ステップは後ろ×上で①45×40mm ②45×55mm ③57.5×40mm④57.5×55mmの4ポジション選択式。
ペダル先端バーの位置も選べる。またステップバーは切削ローレット入りで足裏のグリップを高めてくれる。当然NCビレットでカラーはゴールド/シルバー/ブラック。

Z900RS(18-)用 スイングアーム・スタンドフック Vタイプ(税別10000円)。

ノーマルのタンデムホルダーを外して取り付けるとバイクを車載する際のタイダウンベルトのアンカーポイントとして使えるレーシングフック(1個税別3000円)。
取材協力:ベビーフェイス
記事協力:ヘリテイジ&レジェンズ
レジェンド バイクス KAWASAKI Z900RS (Motor Magazine Mook)
カワサキ「Z900RS」のノーマル車からカスタムバイク、Zシリーズの歴史まで徹底的に解説した一冊!