1970年代の日本のオートバイ界は前年にデビューしたホンダCBナナハンの快進撃によって新しい流れを決定づけられようとしていた。それが、世界最強へ向かうメイドインジャパンとしての4ストローク、大排気量、多気筒化である。しかし、ヤマハ初の4ストローク車はそのいずれにも属さない、
新しい挑戦を実践していたのだ。

ヤマハ「650XS1」主なスペックと発売当時の価格

SPECIFICATION
●エンジン形式:空冷4ストローク並列2気筒OHC2バルブ
●内径×行程(総排気量):75.0×74.0㎜(653cc)
●最高出力:53PS/7000rpm
●最大トルク:5.5kg-m/6000rpm 
●ミッション:5速リターン
●ブレーキ形式前・後:ドラム・ドラム
●全長×全幅×全高:2175×905×1155㎜
●タイヤ前・後:3.50-19・4.00-18
●燃料タンク容量:12.5ℓ
●ホイールベース:1410㎜
●乾燥重量:185kg
●発売当時価格:33万8000円

ヤマハ「650XS1」各部装備・ディテール解説

画像: XS1開発のキーワードは「フレキシブルな高性能」と「350㏄なみの軽快なフィーリング」。現GKダイナミクスの手による車体デザインも出色の出来栄え。ツインならではのスリムさをさらに際立たせるフォルムは、現在の目で見ても美しい。サイドカバーはアメリカ車であるムスタング・マッハ1のサイドエアインテークをイメージしたと言われている。

XS1開発のキーワードは「フレキシブルな高性能」と「350㏄なみの軽快なフィーリング」。現GKダイナミクスの手による車体デザインも出色の出来栄え。ツインならではのスリムさをさらに際立たせるフォルムは、現在の目で見ても美しい。サイドカバーはアメリカ車であるムスタング・マッハ1のサイドエアインテークをイメージしたと言われている。

メッキやバフを効果的に使用した本当に美しいエンジン。キャブはヤマハ初の可変ベンチュリーのSUタイプ。

画像: 車体デザインはGKデザインが担当している。タンクの白ラインの入り方は後期型XS1Bのもの。

車体デザインはGKデザインが担当している。タンクの白ラインの入り方は後期型XS1Bのもの。

画像: ノーマルはスプリング部がカバーされる。タンデムグリップやシートのモールは、ノーマルを忠実に再現した。

ノーマルはスプリング部がカバーされる。タンデムグリップやシートのモールは、ノーマルを忠実に再現した。

画像: フルスケール220km/hのスピード計を持つ、丸型2連メーター。中央の黒いノブはステアリングダンパー。

フルスケール220km/hのスピード計を持つ、丸型2連メーター。中央の黒いノブはステアリングダンパー。

画像: シートは横開きで、タンクは工具なしで後端が外れ、後方にスライドさせてメンテナンスできる設計。

シートは横開きで、タンクは工具なしで後端が外れ、後方にスライドさせてメンテナンスできる設計。

信頼性を重視してドラムブレーキを採用。71年のマイナーチェンジではフロントにディスクブレーキに変更。

画像: こちらがノーマルのリア周り。テールカウルはなく、メッキリアフェンダーとグラブバーを標準装備する。

こちらがノーマルのリア周り。テールカウルはなく、メッキリアフェンダーとグラブバーを標準装備する。

画像: マフラーは歯切れのいいサウンドを響かせる左右2本出し。リアのストロークは70㎜、ブレーキはφ180㎜。

マフラーは歯切れのいいサウンドを響かせる左右2本出し。リアのストロークは70㎜、ブレーキはφ180㎜。

文:中村浩史/撮影:松川 忍、山口真利/車両協力:タイラレーシング、ウインドソックス

※この記事は月刊オートバイ2011年8月号別冊付録を加筆、修正、写真変更などの再編集を施しており、一部に当時の記述をそのまま生かしてある部分があります。

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