レーザー加工はすごいぞマジで
というわけで今回はフロントエンブレム作りの後編。
前回は、文字以外のパーツが完成したところまででした。
で、頼んでおいたレーザーカットが届きましたよ。対応の早さも素晴らしいよ業者のエニメニさん。
素晴らしい! これはテンションが上がらざるを得ない。お金使った甲斐があった。ちなみに3mmのヒノキ板で頼んで、約4000円ちょっと。文字の複雑さなんかでも多少の変動あるかもだけど、いずれにせよなかなかお安いんじゃない? 気になる内訳は、以下の通り。
CUBCAMPの文字加工内訳(1セット分)
基本料金/1,500円
材料費(ヒノキ3mm)/1,400円
加工料(10分)/1,000円
配送費/500円(キャンペーン中につき5月31日まで無料)
やっぱお安いでしょ! ヒノキ材はラインナップの中でもやや高めの素材なのでベニヤとかアクリルだとさらにお安い。下手すれば3000円くらいでカット素材作ってもらえるんじゃなかろうか。マジ感謝。
で、文字を配置するとこんな感じ。
どうです、良い感じでしょ。それまでは表札とか型枠とか民芸品にしか見えなかったけど、なんかほら、オシャレアウトドア感出てる気がしません? しない?
あ、そうそう。上にある月部分は固定ボルトの高さを富士山と合わせるためにでかくしました。
木工ボンドで文字を接着。パーツ単位でバラして塗るのが正解なんだろうけど、そうするとムラとかの表情がでにくい気がして。あえて全部接着してから塗るのです。
そう、色々なものを塗るのです。
仕上げに色々塗りまくり
素材のままでは木目もでないし、なんといっても耐久性に不安があるので、半透明のステイン系で木目をだして、その上からさらに透明ニスを塗ろうかと。
おっとそのまえに裏面にも木工ボンドで補強をいれます。
そして塗装。木目を活かすものとしては、オイルステインとかブライワックスとかが定番なんですが、家でやるなら水性ニスや水性オイルステインが断然おすすめ。木に使うオイルって熱を発するので、最悪の場合、ぬぐったタオルが発火する可能性もあったりなかったり。臭いもきついし。
で、選んだのが、水性ニスのメープルとマホガニー。水性オイルステインも良かったんだけど、ちょうど売ってたのが水性ニスだったんで。
あと、表面処理用に水性ウレタンニスのつや消しクリヤー。対候性を考えるなら屋外用の油性ニスで最後に仕上げをしたいところ。ま、それは完成してからでいいか。油性はちょっと高いし。
ニスもオイルステインも重ね塗りで色を出していくんですが、その具合が悩ましいのよね。とりあえず塗り塗り。
さて、ここまではメープルで塗ってたんですが、次はより濃い色のマホガニー。こいつでベース部分を塗ることで二色にして変化をつけるのです。
最後にウレタンニスの艶消しクリアーを塗ってやすりをかけて、艶消しクリアーを塗ってやすりをかけて…、ってのを納得いくまでやってエンブレム部分は完成。
フロントトップカバーへの固定ですが、ボルトを内部に仕込めればよかったんだけど、薄すぎて難しかったのでボルトを見せる方向で。で、こだわりのマイナスボルト。丸小ねじって商品名だったかな。サイズはM4×16mmを購入。ちょい短かった。後から20mmにすれば良かったと後悔。
真鍮製があれば良かったんだけど、サイズが合わなかったのでステンレス製。後から塗ることにします。ミッチャクロン吹いてプラカラーのゴールドをぶしゃー。
ちょっと色が単調だったので、たまたま手元にあったつや消しクリアオレンジを軽く上から吹いて完成。
で、裏側は普通にナットを使うと振動で木が割れそうな気がしたので(木だけに)、M4のウェルナットにしました。で、ナット部分がゴムなので、手でぐいぐい締め込み。こうすれば塗装も剥げないぜ。
二週間かけてやっと完成
そうそう。ニスを重ね塗りしすぎてボルト穴が小さくなってた。丸棒やすりで削ったけど、ひやひやしたよ。
そんなこんなで完成。正直、どうなることかと思ったけど、大きな失敗もないこともないけど完成。
これなかなか良いんじゃないかな。マイナスボルトも真鍮っぽいでしょ。
ちょっと四角すぎる気がするから、上下左右の側板にも傾斜つければ良かったかも。ただ、そこまでするなら箱組よりも、無垢材を削って作るとか曲げ木の方が良いかも。原型作ってレジン置き換えとかも良さげ。いつか他の手法もやってみたいな。
それにしてもレーザー加工は思った以上に良い感じ。ほかにもなんか活用してみたいものです。
ところで、この手の記事って最終的にはだいたいうまいこと完成するじゃないですか。
でも現実にはそんとも限らないわけで。
というわけで以下は、本来なら無かったことにしたいリアルな部分です。
じつは黒×銀バージョンも作っていた!
基本的には問題なく完成してるんですよ。そこにいたるまでの犠牲があっただけで。
これ、民芸品の横にある黒と銀のやつ。チョコレートのハーシーズみたいなやつね。
実はエニメニさんに頼むにあたって、せっかくなので同じものを2セット頼んでたんですよ。失敗も怖いし。そしたらですよ、加工が最小単位の10分におさまった上に、材料も調達していただいたもので足りたということで値段は変わらず、なにこれお得過ぎない?
で、茶色い民芸品が無事に完成しそうなので、こいつで実験的に別パターンも作ってみようかと。
ベースは濃い目(ウォルナット)の水性ウレタンニスをひたすら塗り重ねてほぼ黒に。んで、せっかくの木製文字だけど、そこに銀シートを貼ってメタリックに。
さらに透明なUVレジンを流し込んだら、車のエンブレムみたいでかっこ良いんじゃなかろうかと。
最初に作った民芸品にもレジンを流し込むか悩んでたんだけど、失敗が怖いのでそのテストも兼ねるわけです。
ハーシーズの制作工程はざっくりこんな感じ。
で、ですね。ハーシーズでテストといいながらも、なるべく失敗したくないので、UVレジンを流しこむまえにテストのテスト。
ベースに使ってるベニヤに、細く切ったヒノキ材で枠を作ってUVレジンを流し込み。ストローをあらかじめ刺しておくことでM4のボルト穴も確保。
うーむ、怖いくらいうまくいった。問題がなさすぎる。
一番の懸念材料が、ボルト穴部分の強度なんですが、小さい電動ドリルを使ってボルトをなめるくらいの勢いで締めたけど、ヒビのひとつも入らない。
レジン道は険しく、厳しい
テストがあんまりうまくいったので、ハーシーズに流し込みますよ。胸騒ぎ凄いけど、テストで不備がない以上、行くしかない。
気泡すげー!!
あれー、テストでは気泡全然でなかったのに。おかしいな。とりあえずつまようじでプチプチ消すけどらちが明かない。あっためると良いらしいので、ドライヤーであっためたらレジン液が溢れ出した。ドバドバ補充。
かくなる上はホットプレートでまるごと温めるかと思い詰めてたんですが、そうこうしているうちに気づくと気泡が減ってた。ほっとけば減るのね。で、一時間ほど放置。
放置してた置き場所が斜めだったらしく、また溢れ出した。ドバドバ補充。
そんなこんなで気泡もそれなりに減ったので、UVライトにセットしてレジン硬化。
数分置いて取り出そうしたら、取れない。
レジン液がまた溢れ出して下にひっつきよった。
ストローの隙間から垂れたのかな…。「パワー」と叫んで取り出したらば、ぶくぶくですわ。
思うに、木の隙間に入ってた気泡が熱で出てきたんじゃなかろうかと。全体に流し込む前に、筆で薄く塗りこんで一度硬化させて膜を作るべきだったか。後の祭り。
で、これはもうどうしようもないね。泡固まってるし。どうしようもないから、削ろう。
カッターナイフで泡を削って、やすり掛けてどうにかなるかもしれないし、とにかく手を動かそう。心がつらいし。
やったぜ、泡はなんとかなった。しかし、耐水ペーパーでガシガシやってたら、ベースが木材だけあって、浸水した。たぶんボルト穴部分から。上下の白いところ、浮いてますわ。これはさすがにどうにもならないかな…。
というわけで黒バージョンは失敗。考えられる失敗というか反省点はこんな感じ。
- 流し込む前に薄くUVレジンを塗って硬化させるなど、気泡を止める努力をする
- 上にシート貼るくらいならアクリルで頼めば良かった
- 木材は難易度が高いので、樹脂への置き換えすべきだったかも
- レジン液自体に気泡が発生してる可能性もあるので、届いてから2日くらい放置して気泡を抜くと良いかも
- 放置するなら水平はきちんと取ろう
- 耐水ペーパーを当てるときは水がかからないように注意する
なんとも締まらないけど、この結果のおかげで本命の民芸品バージョンにUVレジンを流すのはやめました。雰囲気的にも、流し込む必要ないし。負け惜しみじゃないよ! このあと、未練がましくさらにコンパウンドかけて一応車体につけてみた。つらい。
写真・文:若林浩志
若林浩志/プロフィール
愛知の地方カメラマン。1973年生まれ。撮影は、バイクと料理とブツ撮りが好き。
所有バイクは、ホンダ・スーパーカブ90とヤマハ・TDR250。平成終盤にキャンプに目覚め、ネットで用品を買いまくる毎日。
趣味はamazonレビュワーランキング上げ。最近はメルカリにハマっています。