ミドルクラス4気筒に先鞭をつけたのは1974年にヨンフォアを発売したホンダだった。しかし、ヨンフォアの生産終了と同時にカワサキFX、ヤマハXJ、スズキGSXが市場を席巻。ついにホンダは、最終兵器CBX投下を決断する。後の日本の方向性を決定付けた、歴史的名車であった。
 
※この記事は月刊オートバイ2011年8月号の別冊付録記事を加筆修正しています。一部に当時の記述をそのまま生かしている部分があります。
文:中村浩史/写真:海保研/車両協力:ピースガレージ、パステルロード

ホンダ「CBX400F」のX字型のエキゾースト

画像: ホンダ「CBX400F」のX字型のエキゾースト

1981年秋、CBX400Fの新車発表会は、「6年前、ホンダは400㏄クラスに最初の4気筒、CB400FOURを投入し、現在のミドルマルチ時代の先駆けを作りました」という言葉から始まった。

ところが、オイルショックや環境問題などもあり、CB400FOURは市場から退場。しかしホンダは「究極のマルチ」を世に出すという信念のもと、「従来ならば高級車にしか投入されなかったRCBやNR、RCで培ったレーシングテクノロジーをこの一台に最大限に生かして」CBX400Fを開発。

特徴的なX字型のエキゾーストは「究極」を表わすと同時に、高回転域での排気効率&パワーアップに欠かせないアイテムであった。

画像: 1番と4番、2番と3番を集合させたCBXならではの4in2エキゾースト。集合後の左右2本を途中で連結パイプで繋いでいる。

1番と4番、2番と3番を集合させたCBXならではの4in2エキゾースト。集合後の左右2本を途中で連結パイプで繋いでいる。

画像: 新車試乗会で特徴的なX字型エキゾーストシステムを撮影するため、2人がかりで車体を鋭角に傾けて撮影したカット。ユニークな形状は見た目の迫力と中低速域でのトルクアップに加え、脈動効果と点火順序により高回転域で排気効率を上げ、パワーアップに寄与する。

新車試乗会で特徴的なX字型エキゾーストシステムを撮影するため、2人がかりで車体を鋭角に傾けて撮影したカット。ユニークな形状は見た目の迫力と中低速域でのトルクアップに加え、脈動効果と点火順序により高回転域で排気効率を上げ、パワーアップに寄与する。

ホンダ「CBX400F」の登場と同時に新たなレースが生まれた

画像1: ホンダ「CBX400F」の登場と同時に新たなレースが生まれた

CBX400F登場と同時に、ホンダが提唱した「スーパーストリート(=SS400)」という市販車改造のプロダクションレースが新設された。

当時のレースといえば、400ccをベースとした改造無制限のTTF3クラスの人気が盛り上がり始めた時期でもあったが、F3より参戦コストのかからないプロダクションクラスということで、SS400の人気が爆発。

画像2: ホンダ「CBX400F」の登場と同時に新たなレースが生まれた

1982年の全日本選手権と併催される形で、この新しいレースがスタートしたのだった。上の写真は新たなプロダクションレース「SS400」向けにRSC(=現在のHRC)から発売されたSS仕様のCBX400F。紛れもなく、現在のレースベース車「ホワイトバージョン」の原点だ。

文:中村浩史/写真:海保研/車両協力:ピースガレージ、パステルロード

※この記事は月刊オートバイ2011年8月号の別冊付録記事を加筆修正しています。一部に当時の記述をそのまま生かしている部分があります。

ホンダ「CBX400F」走行映像

画像: Honda Collection Hall 収蔵車両走行ビデオ CBX400F(1981年) www.youtube.com

Honda Collection Hall 収蔵車両走行ビデオ CBX400F(1981年)

www.youtube.com

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