文:中村浩史/写真:伊勢 悟
150ccクラスのバイクは125ccと250ccのイイとこどりか?
私の愛車はホンダCB125R。その前にはKTM125DUKEに8年ほど乗っていたから、原付二種を10年ほどで2台乗り継いできた。それだけに、原付二種のよさを知り尽くしているつもりなのだ。
いつも走る時はスピードなんか出さないから、軽くて速い、どこへでも入って行けるという街中の機動力がイイ。しかもリッター40km/hはくだらない燃費のよさで、経済性だってイイ。
けれど、ひとつだけ不便なことがある。これはもちろん、わかっていて買ったことだけれど、高速道路に乗れないんだ。急ぎの用で出かけにモタモタして、あわわわわ間に合わない、そうだ首都高乗って行っちゃえ、ってのができないし、どうしたって行動範囲も制限されてしまうのだ。
ちなみにCB125Rでは、最高で片道100kmくらいの日帰りツーリングに何度か出かけるくらい。当然ながら下道オンリーで、走りに不便は感じないけれど、もう少し遠くまで出かけたいな、って思うことも時々あるのだ。
それが、今回のスズキ・ジクサー150に乗ってまざまざと思い知らされた。
行先は、なじみの友人のカフェ。自宅からこのカフェまで、約70〜80kmで、2時間くらいかけて走っていく、ちょうどいい距離なんだけれど、いつもの下道を走っていっても、あっけないほど早く着く。
もちろん、トバしてるつもりはないんだけれど、どうしたって原付二種の時よりも平均速度は上がるみたいで、信号から信号のつながりが良かったり、渋滞につかまらなかったりで、排気量25ccの差以上に早く着く感じ。
ジクサー150は154cc、車格は125ccというより250ccクラスに近く、高速道路ならば100km/h巡行もラクラク。車格が大きいと、長時間乗っていても体にかかる負担が軽いから、この日はついつい遠回りしちゃった。
カフェに行った後は、いつもならまっすぐ帰るんだけれど、そのまま千葉の山の中から海岸線まで南下、そのまま内房へ抜けて房総半島を半周、木更津から高速道路に乗って、たっぷり1日、350kmほど走ってきた。
CBだったら、ちょっとお尻が、首が、腰が痛い距離だけれど、ジクサーのふかふかシート、よく動くサスペンションのおかげで、疲れもまったく感じなかった! 車格の違いで、こんなに疲れが違うんだねぇ!
高速道路だけをずーっと走る、ってツーリングもイイ。下道だけをずーっと走る旅だって大好き。けれど、効率よく高速道路を一部だけ使ってのツーリング、こんなにラクで、こんなに距離が稼げるとは思わなかったな。
+25cc、わずか1.2倍の排気量アップで、可能性は2倍にも3倍にも広がるんだ。
文:中村浩史/写真:伊勢 悟
スズキ「ジクサー150」主なスペックと価格
全長×全幅×全高 | 2020×800×1035mm |
ホイールベース | 1335mm |
最低地上高 | 160mm |
シート高 | 795mm |
車両重量 | 139kg |
エンジン形式 | 空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 |
総排気量 | 154cc |
ボア×ストローク | 56.0×62.9mm |
圧縮比 | 9.8 |
最高出力 | 10kW(14PS)/8000rpm |
最大トルク | 14N・m(1.4kgf・m)/6000rpm |
燃料タンク容量 | 12L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 24゜50’ |
トレール量 | 100mm |
タイヤサイズ(前・後) | 100/80-17M/C 52S・140/60R17M/C 63H |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 35万2000円(税込) |