中古のSR400に乗ると『SR』そのものを見誤りやすい
前編でお伝えしましたけど、現行車のSR400が2018年の復活後にキャブレター時代も真っ青のクオリティに進化していました。
そして、SR400ですが、ボクはこういうシンプルなバイクだからこそ『新車』で乗ってほしいと思うんです。
SR400の新車が良い理由
その一番の理由はエンジンの調子です。
基本的にSRのエンジンは丈夫なので、エンジン単体はあまりヘタらないと思ってます。
ただしキャブレターは厳しい。
キャブレターってけっこうパフォーマンスダウンしやすいんです。でも、バイクとして動くことは動いちゃう。
そこで『やっぱキャブでしょ!』 って理由から安易に中古SRを選ぶと、本来SRのエンジンが持っているテイストを知らないままに、でも走ることは走るから『こんなもんか』ってなりやすい。
普通に走るのにキャブレターをオーバーホールに出そうって思う人はほとんどいないでしょう?
中古って『SRの本当』を知ることが難しいんです。
前後のサスペンションも同じ。
SRのサスなんて……って思わないでください。
速く走るためのサスではないですが、SRのエンジンを最大限に味わえる優しいサスになっています。
フロントフォークなんて、けっこう良い仕事をしてくれるんですよ?
新車時のエンジンと乗り心地のバランス。
SRはまず、それを知っておいてほしいんです。
カスタムするにしても、ノーマルで新車から自分でいじっていくのがいちばん。
中古ペースでカスタムされている車両はあまりおすすめしません。
エンジンにせよ外装にせよ、改造車っていうのは、どうしてもノーマルよりも寿命が短くなりがちですから。
(下に続きます)
【SRファンならわかるはず!】
すべての中古SRがダメな訳じゃない
もちろん中古のSR400が全部ダメって訳じゃないです。
バイクをよく理解してる人が(あるいは卓越したショップが)エンジンも足周りも含めて、きちんとコンディション管理している個体なら良いと思う。
でも、そういう車両を中古市場で見極めるのは本当に難しい。
中古車選びには、どうしても運にまかせる部分が残ります。
でも新車にはそれがありません。
確実にバイクとしての最高コンディションなのが新車だからです。
SRは極めてシンプル。
だからこそ素材の状態が何よりも重要になるってことですね。
カスタムするにしてもノーマルで乗るにしても、SRっていうバイクは長く乗ってほしい。だから、ボクは新車を選んでほしいと思うんです。
新車のSR400の『味わい』って?
そこで新車ってどうなの? という話です。
SRっていうバイクは、速い!といえるバイクではありません。
でも楽しくない訳じゃない。逆です。
SR400は『バイクを操る楽しさ』が山盛りですから。
誰でも楽しめるSR400の走り
基本はリーンウィズのままでいいです。
それより、しっかり二―グリップが大事!
スポーティに乗るとしてもすこし上体をイン側に入れる程度で十分だと思う。
だってみなさん、知ってます?
SRのリアタイヤって幅が110サイズなんですよ。
最近は250ccだって140とか150くらいのタイヤ幅があります。
つまり、後輪がめちゃくちゃ細い。これで400ccのパワーを受け止められるの?って思うくらい。
でも大丈夫。
細いからこそ、タイヤの特性的に、許容範囲内では逆にきちんとグリップしてくれるんです。
そして行きたい方向に視線を動かすだけで、SRは曲がり始めます。
すこし荒れてるような路面でも、細いタイヤは足を取られにくいし、先に言った前後のサスペンションは予想以上にギャップを綺麗にいなしてくれる。
スピードを求めての、高い負荷をかけるような走り方を求めない限り、ノーマルのSRは本当にワインディングも楽しいんですよ!
ちなみにワインディングでのエンジン回転数は、どのギアでも2500rpmから4000rpmくらいの範囲で。
単気筒400ccの低速トルクを使って、細いリアタイヤにきちんとトラクションをかけるイメージです。
難しくはありません。ギア固定のスロットル操作だけでいい。ブレーキだって、ハードにかけない自分なりのペース。
その中で身を震わせながら加速するSRを感じられれば、それが正解なんです。
そして、その感覚を味わうために新車の最良コンディションで機能する車体とサスペンションが必要になる。
だからこその『新車推し』なのです!
SR400は『楽しみかた』が根本的に違う
変な話かもしれませんけど、SRの走りって、基本的に『SRを感じるための走り』なんだと思うんですね。
楽しみ方の根本が違う。
こんなバイクは本当に珍しいです。
そして、それを最も濃厚に感じられるのは、実は『ツーリング』っていうシチュエーションだったりするのです!