YAMAHA SR400
1978年の誕生から空冷単気筒のビッグシングルとして現存する唯一のバイクです。
バイクというよりも『オートバイ』と呼ぶべき原点的なスタイルが特徴。
見た目も走りも、クラシカルな味わいを持つ日本のバイクといえば必ず名前があがるほどのロングセラーとなっています。
ヤマハ「SR400」 主なスペックと価格
全長×全幅×全高 | 2085×750×1100mm |
ホイールベース | 1410mm |
最低地上高 | 130mm |
シート高 | 790mm |
車両重量 | 175kg |
エンジン形式 | 空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 |
総排気量 | 399cc |
ボア×ストローク | 87.0×67.2mm |
圧縮比 | 8.5 |
最高出力 | 18kW(24PS)/6500rpm |
最大トルク | 28N・m(2.9kgf・m)/3000rpm |
燃料タンク容量 | 12L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 27.40゜ |
トレール量 | 111mm |
タイヤサイズ(前・後) | 90/100-18M/C 54S・110/90-18M/C 61S |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・ドラム |
メーカー希望小売価格 | 58万3000円(消費税10%込) |
SR400のライディングポジションと足つき性
ハンドルに手を伸ばして、自然に背筋が伸びるライディングポジション。ステップ位置がすこし前よりに感じるのがSRらしい部分でもある。
シートがフラットでどこにでも座れるので、街乗りやツーリングでは直立して快適に、ワインディングではすこしお尻の位置を後ろにしてスポーティに、といった自由度が高い。
車体のどこをとってもスリムなのが美しいSRのボディライン。
このスリムは足着き性にも貢献する。
身長176cmのライダーの場合は両足が完全にべったり。
膝にも余裕がある。
平均的な日本人男性ならまず大丈夫。
女性ファンも多い理由には、重量の軽さと足着き性の良さも大きな理由のひとつ。
SR400の走りは?
SR400のディテールをチェック!
エンジンは空冷単気筒で排気量399cc。
こういうテイスティなエンジンはロングストロークエンジンだと思われがちだが、実はSR400はショートストロークエンジン。最大トルクこそ3000回転の低さで発生するが、ピークパワーの発生は6500回転とSRとしては限界レベルの高回転域となる。
ただし、6500回転まで回すことは、普通に乗っている限りまずありえない。
2018年に復活してからマフラーのサウンドがすばらしく良くなった。
キックアームを踏み抜いた瞬間の始動音から、アイドリングまで心地よい単気筒サウンドを満喫できる。
メガホンマフラーの潔さ、美しさはSRの誇り。
現行車はメーターパネルがホワイトに変更され、お洒落さが女性に人気。
基本的にすべてがアナログでシンプル。それが美しさにつながっている。
時計すらついていない。それがSRの美学でもある。
ノーマルとは思えないブラウンのシート表皮はかなり洒落ている。
そして完全にフラットなシート形状が今では珍しい。
座り心地は柔らか目。長距離でお尻が痛くなりそうな気がしていただけれども、思った以上に疲れないクッションの特性だった。
SR400の燃費は?
SRの象徴とも言えるスリムなタンクは、シートと同じ程度の幅しかないことに驚く。
このスリムさは現存する日本のバイクの中でナンバーワンかも。
それでもタンク容量は12Lを確保。
燃費は『高速道路が9割の状況』で282km走ってリッターあたり28.7L
『一般道8割/高速道路2割』で183km走った場合はリッターあたり26.4Lという結果になった。※満タン法にて計測
航続距離300km以上も可能だが、250kmを超えたあたりで燃料警告灯が点灯する。
《クイズ》SRファンならわかるはず!
丸目1灯のヘッドライトが今となっては逆に個性。
ハロゲンだが夜も十分以上に明るく夜間の走行も安心。
野暮ったく見えるほどのデカいウインカーも味わいのひとつ。
四角いテールランプもSRの個性。
この潔さ。クラシックの作法がわかる人にはたまらない。
フロントタイヤは18インチ。ワイヤースポークホイールが美しい。
タイヤ幅は90サイズとかなり細い。このタイヤの細さすら、SRらしさの一環となる。
ブレーキはフロントのみディスクブレーキを採用。
リアサスペンションは古風な2本サス。
ソフトな乗り心地だけれども、適度にダンパーも効いていてビヨンビヨンとかぐにゃぐにゃのサスという感触はない。
SRらしいペースで走れば、節度があり、快適な走りを約束してくれる。
チェーンケースがクロームメッキなのもクラシック好きには好評のディテール。