BOAシステム+メッシュの高品位シューズ
ライダーのフットウエアは革製のブーツに代わり、手頃な価格のナイロン製ライディングシューズが主流になってきている。ただしナイロン素材は皮革素材よりも耐摩耗性と耐熱性が低く、車体に擦れる部分の素材が毛羽立って、何ともくたびれた感じになることが弱点。
このフローシューズはアッパーがパンチング加工を施した人工皮革で、ソールはライディングに適したビブラム社の「GUSHION」を採用。ダイヤルを回すだけで均一なフィット性が得られ、履き脱ぎもスムーズに行えるBOAシステムも搭載し、実用性の高い3シーズンライディングシューズとして仕上げられている。
実測重量は26cmサイズで560gと、ナイロン製と大差ない軽さ。履き口の後ろ側が大きくえぐられているのでペダル操作時のストレスはまったくなく、オートバイから離れて歩くのも楽だ。
通気性はナイロンメッシュ素材のように「スースーと風が抜けて涼しい」とまではいかないが、暑い時期の蒸れ防止には確実な効果がある。
スッキリとしたデザインと4タイプのカラーバリエーションでどんな車種にもマッチするし、クシタニ製品らしい丁寧な縫製とシューズ用としてチョイスされた人工皮革で耐久性も高いはず。シューズの手軽さ/快適さと、ブーツの安全性/耐久性のいいとこ取りした仕上がりだ。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
もう少し履き口が細ければどんなパンツの裾とも干渉しないはずだが、足首の保護性能と引き換えなので悩ましいところ。個人的にはアッパーのパンチ穴径を少し大きくして、通気性能を高めてもらえれば嬉しい。
文:太田安治/写真:赤松 孝・南 孝幸