【テスト&レポート】2枚のクッションを重ねることで夏のツーリングを快適にするアイデア製品
暑い。6~8月がなくなればいいのに、と毎年思っているwebオートバイ編集部員の汗っかき西野です。
と言いつつも、夏の旅、ツーリングはたまらなく好き。照りつける太陽の下、緑の香りをかぎながら田園地帯を走る……最高ですよね。
今年こそは快適な夏を! と思い、入手したのがこちら。
シートの上に取り付ける座布団のようなアイテム。ドッペルギャンガーのこの製品が面白いのは2枚重ねになっていることです。
①シートのクッション性を高める「ゲルクッション」!
②通気性を高める「メッシュクッション」!
合体っ!!
このように重ねて使います。さっそく愛車のトライアンフ「ボンネビルT100」に取り付けてみました。
ワンサイズの製品なので、自分のバイクに合うのか心配していたのですが、かなりのジャストフィット。
取付はそれぞれのクッションに縫い付けられているマジックテープのベルトを使います。シートを外したら、あとはベルトで留めるだけの簡単なお仕事です。
走行してみた感想を簡単にまとめると、たったの一言。
お尻、快適!
座った瞬間、「おっ厚い」と思いました。で実際に走ってみると、まるで別のシートに変えたかのよう。
何て言うんでしょうかね。子どものころずっと薄いハムカツを食べていて、大人になって初めて居酒屋で分厚いハムカツを食べたときのことを思い出しました。「厚み」に感動したのは、そのとき以来です。
ボンネビルT100のシートはもともと出来のいいつくりをしていて、クッション性に不満を感じたことはなかったのですが、最近あきからにヘタってきていました。
乗るとペタッとシートがつぶれます。それがこのアイテムを装着したことで解消。ヘタったシートにも有効なわけです。
そして、期待していたメッシュの通気性。やはり、効果テキメン!
お尻とシートの間に空間ができ、走行風が股の下をスースー抜けていくのを感じます。これで、高原を走ったら気持ちいいだろうなあ。何せ、都心のビル街を走っていても股間はすでにヨロレイヒー!って感じなのですから。
じつはいままでに他社の製品で、クッション性のあるもの、通気性のあるもの、それぞれは使ったことがあります。ただふたつを重ねるという発想はありませんでした。そこがアイディア製品を次々と生み出すドッペルギャンガーならでは、といえるでしょう。
冬場はメッシュを外せば、オールシーズンで使えます。また、2枚あればこんな活用方法も。
メッシュクッションとゲルクッションを前後に分けて使うこともできるのです。2台でのツーリングなら1枚をお友達に貸してあげることもできます。
サイズが心配な方も多いかと思いますが、ミッション車ならかなり多くの車種に取り付けられそうです。下の写真はカワサキ「ヴェルシスX 250 ツアラー」に取り付けたもの。
ロングツーリングを楽しむ方には特におすすめ。走る距離が延びるほど、この手のアイテムは効果を発揮します。
デメリットがあるとすれば、お尻が滑りやすくなることと、少し足つき性が変わることくらいかな。
峠をガンガン走るという人は、メッシュクッションを外した方がよさそうです。ただ、ゲルクッションはノーマルシートのような表皮なので大丈夫。
足つき性に関しては、体感で10~20mmくらいシート高がアップした印象。僕の場合、愛車では両足かかとまでギリギリ接地するくらいだったのですが、2枚のクッションを付けたら、少しかかとが届かなくなりました。
現状で愛車のシート高が高くて大変、と思っている方は控えた方がいいかもしれません。
雨で濡れたらどうなるんだろうと思い、小雨の中も走ってみましたが、翌日にはクッションは乾いていて、染み込んだ様子もなし。ただ、シートとクッションの間に湿気が残っていました。濡れたら一度外してしっかり乾燥させるのが衛生的にもいいでしょう。豪雨なら外すのが無難です。
まだ使い始めて2週間ほどなので、耐久性に関しては分かりません。でも、ハニカムメッシュは買ったときの状態と何も変わらずしっかりとしています。ちなみに、メッシュクッション自体にも通気性だけでなくクッション性を高める効果が少しありますね。
ゲルクッションの方は、その名の通り衝撃吸収ゲルを内蔵。ゲル部分を指で押してみると硬めのスライムのような感覚で、反発力があります。これが座圧を分散してくれているのです。
この夏、どこへ行こうか。
シートクッションセット クール&ゲルを試しながら、そればかり考えている今日この頃。もうちょっと世の中が落ち着いたらダーッとロングツーリングに出かけたいと思っています。
お尻が暑い、お尻が痛い、もしくはその両方。ツーリングでシートに関する悩みを抱えている人にぜひおすすめしたいユニークなアイテムです!
文・写真:西野鉄兵