BMW「R 1250 GS」試乗インプレ&解説(宮崎敬一郎)
どこまでも走っていける独特のフィールが魅力!
BMWのGSはオフロードでの強烈な走破性をもったデュアルパーパスモデル。1250は、歴代GSの中でもずば抜けてその走破性、操縦性が向上している。フロントタイヤは幅広の19インチで、舗装路での接地面確保とオフロードでの走破性の両立を狙ったもの。さらには伝家の宝刀、テレレバー式フロントサスと信頼のボクサーエンジンがある。
テレレバーはふつうのフォークに対し、フロントタイヤが路面から受ける衝撃を操舵に影響させにくいので、荒れたダートでもハンドルが弾かれにくい。エンジンはマスバランスが良く、縦軸クランクがハンドリングをかなり軽快にしている。さらにその出力特性は低中回転域からトルクフル。
滑らかに回ってスロットルを開けた時だけパルスというか、カウンタートルク振動が出るものの、全体的にまろやかな印象で、せわしさがない。1250はシフトカム機構の威力で回せばパワフルで、巨体をどこでも快活に走らせるし、ビッグツインとは思えないほどスムーズだ。
GSは、操作に対して従順なことで世界的に高い評価を受けている。試乗車の「HP」は電子制御サスのダイナミックESAをはじめ、あらゆる電子制御ライディングアシストを装備するが、その全てのシステムのシンクロ具合とバランスも見事だ。
だが、そうしたことでは説明のつかない、不思議な魅力がGSにはある。振動があって静かではないが全く気にならないし、大柄な車体だが、思い通りに操れるから気にならない…など、日本車とは違う感覚で快適なロングランをこなせてしまうのだ。
一般道はもちろん、悪路だって快適。どこでも、いくらでも走っていけるようなフィーリングにみんな惹かれるのだ。そして、やろうと思えばオンロードでもスポーティな走りをこなす。飽きないバイクだ。
BMW「R 1250 GS」主なスペック
全長x全幅×全高:2205x965x1490㎜
ホイールベース:1510㎜
シート高:850/870㎜
最低地上高:NA
車両重量:256㎏
エンジン形式:空水冷4ストDOHC4バルブ水平対向2気筒
総排気量:1254㏄
ボア×ストローク:102.5x76㎜
圧縮比:12.5
最高出力:136PS/7750rpm
最大トルク:14.58㎏-m/6250rpm
燃料供給方式:FI
燃料タンク容量:20L
キャスター角/トレール量:64.5度/99.6㎜
変速機形式:6速リターン
ブレーキ形式 前・後:φ305㎜ディスク・φ276㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後:120/70R19・170/60R17