※最近、各地で二輪車の事故が多発しています。自粛要請の解除を受け、オートバイで出かける機会も増えると思いますが、運転の際は余裕をもって、交通ルールとマナーを守った運転を心がけましょう。また、長期間運転しなかったバイクの点検も忘れずに行うようにしてください。
ベースキャンプ移動、そして絶景を求めて…
天気予報が曇りのまま、甘い期待を抱いて北上する。梅雨前線が関東辺りにいるので、北に上がれば上がるほど、天気がいいだろうと読んでのことだ。
こればっかりは運を天に任せるしかない。
風力発電が並ぶオロロンラインも天気が悪いので通過。そのまま稚内に入ると、市内を見下ろす高台にある稚内森林公園キャンプ場に向かう。ここは無料キャンプ場で、以前利用した際、施設が整っていてとてもキレイだったのを覚えている。
無料キャンプ場はシーズンに入ると混むのだが、6月末なら問題なかろう、ともくろんだのだ。
甘かった…
この時期にもかかわらず、キャンパーがいるわいるわ! バイクはもちろん、車中泊組も結構いて、大型トレーラーを持ち込む身としては肩身が狭い。
そこで少し離れた北海道立宗谷ふれあい公園オートキャンプ場にベースキャンプを移すことにした。
このキャンプ場が素晴らしくてびっくり! こんな大型トレーラーを持ち込んだのに、なんと一泊1500円! 電気も水も使えて、ゴミの処理もしてもらえて、しかもこれだけのスペースを独り占めできてこの価格! やばいぞ稚内! しかも、バイクだけなら500円! というのだから恐れ入る。これなら心置きなく長居ができるというものだ。
ずーっと曇りだったが、ついにラッキーチャンスが!?
そんなこんなで稚内では天気予報が一週間も曇りのまま。雨が少ししか降らずに曇りベースなのはありがたいが、そうはいっても晴れてもらわなければ困る。そんな中迎えた3日目。午後から日が差してきた!
出動だ!
急いで向かったのは宗谷丘陵。貝殻で真っ白になってる観光道路で有名なポイントだ。夏の日差しに道が輝いてキレイだぞ! と鼻息荒くアフリカツインを走らせる。
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ドヨーン。
ガスってます。海から上がってきた風が、宗谷丘陵で雲になるようで、ここだけ曇り。なんだよー。
どう待っても晴れそうにないので、とぼとぼとアフリカツインでキャンプへと戻る。悔しいかな、丘陵地帯を抜けると天気は回復。でも、振り返ると丘陵地帯はやっぱり雲の中。がっくしである。
そんな折、ふと目に入ったのが、河川敷の上を走る砂利道。要は堤防の上のよくある道なのだが、お目当てが空振りだったし、時間もあったので、ちょいと入ってみる。
入口こそ釣り人の車が数台止まっていたが、入るにつれて人も車もいなくなり、草も伸び始め野性味ある感じの道になってきた。しかも、それが真っ直ぐなのだ!
どこまでもまっすぐ! ドーンと直線のダート!
ただの河川敷なのだが、左右にはただ緑しかなく、どこぞの大草原の中を走っている感じになる。稚内の河川敷侮れず!
こんだけまっすぐで、キレイなロケーションだとテンションが上がる!
気分はラリーライドだ!
昔アメリカホンダのポスターで、XR600が疾走しているシーンがあったんだけど、まさにそんな感じの写真。
気分はジョニー・キャンベル(※バハ1000最多優勝者)だ。
それにしても、どうしてただのまっすぐなのに、こんなに楽しいんだろう?
決してスピードを出しているわけでもないのに、楽しい。やっぱりラリーレイドのイメージなんだ。まっ平の砂漠を疾走するバイク。そこにみんな憧れたんだから。そのラリーバイクのDNAを持つアフリカツインだからこそ、悦に浸れる瞬間でもあるのだ。
こんな道を見つけられただけで、今日は満足!
ようやく、ようやく絶景、ゲットだぜ!
翌日。天気予報は相変わらず曇りにかかわらず、また晴れた!
というわけで再トライの宗谷丘陵だ。
晴れてる!
でも、海が見える先はまだ雲の中。そのままのんびり構えていたら、雲はいつしか丘の彼方へと消えてくれた。
ドーン!
これぞ宗谷丘陵の実力よ!
どこを撮っても絵になるシチュエーションしかない!
ここはライダーなら是非走って欲しい場所。
メインの貝殻の道も真っ白! 海の先に見えるのは利尻富士だ。
こんなにもキレイに見えるんだねぇ。
北で迎えた50歳の誕生日。そして私は決意する。
よし、決めた!
次は海を渡ろう! 利尻島か礼文島か? どちらも行ったことがないから、50歳を迎えた機に走ってみることにしよう。
この度、この北海道ツーリングの最中、50歳の節目となる誕生日を迎えました。
常日頃から50歳で死ぬと公言しておりましたので、三橋淳はこれにておしまい。
ここから先は自由に生きることにしました。
元々自由に生きてるじゃないかって?
まぁそうなんですが、ここから先の人生はボーナスステージ?
と思って楽しむことだけに費やしたいと思います。
という意味で、寿命を迎えた旨を、稚内のケーキ屋さんにプレートに書いていただき、ホールケーキを一人で食す。側から見たら相当寂しいのではないか…と思うのだけれど(笑)
協力:ホンダモーターサイクルジャパン、野口装美、ダートフリーク、サイン・ハウス
写真:三橋 淳
【次回予告】 ホールケーキでひとり誕生パーティも無事終了。「新生・三橋淳」はドコへ行く? ということで、さらなる絶景ラッシュをお届けします! 次回「ウルトラレブン」をお楽しみに!