月刊『オートバイ』で用品のテスト&レポートや、メンテナンス企画を長年担当している太田安治が自宅で簡単にできるドライブチェーンのメンテナンス方法を詳しく紹介します。
文:太田安治/写真:南 孝幸、松川 忍、柴田直行/モデル:平嶋夏海

バイクのドライブチェーンのメンテナンス方法

エンジンが発生したパワーを後輪に伝えるのがドライブチェーン。基本的に「むき出し」だから、埃や泥汚れの付着は避けられない。潤滑の役目を持つ油分が抜ければ駆動抵抗が増えて錆や異音が発生し、燃費もチェーン/スプロケットの寿命も、加減速フィーリングも悪化する。

作業そのものは簡単だから、最低でも1000kmに1回はメンテナンスを。ただしチェーンに指を挟む危険性があるので、必ずエンジンを止め、人力で作業すること。

まずはクリーニングから

チェーンオイルに泥が混じり、ネットリとした汚れが付着している。まずはチェーンクリーナーを吹いて20分ほど待って汚れを浮かせる。パーツクリーナーは絶対に使わないこと。

ドライブチェーンのメンテナンスに役立つ製品

EKチェーン「EKメン 半透明ホワイトセット」/税込4510円

EKチェーンオリジナルのシールチェーン対応クリーナー/オイル、ブラシ、ルブリケーター、汚れ防止シートがセットになっている。2020年6月には性能をさらに高めた『EKメン メンテナンス グリースセット』(税込価格4510円)としてリニューアルされた。

デイトナ「チェーンブラシ」/税込1320円

3面同時洗浄ブラシとロングブラシが一体になったツール。チェーンサイズ#415~#630まで対応可能で、ほぼ全ての車種に使用できる。

画像: 柔らかめのブラシで汚れを掻き出す。側面よりもローラー部分の掃除が重要。スプロケット歯先の汚れも忘れずに落としておこう。

柔らかめのブラシで汚れを掻き出す。側面よりもローラー部分の掃除が重要。スプロケット歯先の汚れも忘れずに落としておこう。

デイトナの専用チェーンブラシを使えば3面を同時に洗浄できるので作業時間を短縮できる。実際はスイングアーム下側に当てると作業しやすい。

画像: 再度クリーナーを吹いて汚れを洗い流し、ウエスで残ったクリーナーと汚れを拭き取る。クリーナーは揮発しにくいので念入りに拭くこと。

再度クリーナーを吹いて汚れを洗い流し、ウエスで残ったクリーナーと汚れを拭き取る。クリーナーは揮発しにくいので念入りに拭くこと。

チェーンオイルを給油する!

画像: プレートが重なる部分とプレートとローラー間を意識してチェーンルブを給油。まんべんなく行き渡るようにケチらずスプレーしよう。

プレートが重なる部分とプレートとローラー間を意識してチェーンルブを給油。まんべんなく行き渡るようにケチらずスプレーしよう。

画像: EKメン付属の『実用新案ルブリケーター』を使えば4カ所同時に給油できるうえに、余分な塗布も減って経済的。ホイールなどへの飛散も抑えられるので作業時間の短縮にもなる。

EKメン付属の『実用新案ルブリケーター』を使えば4カ所同時に給油できるうえに、余分な塗布も減って経済的。ホイールなどへの飛散も抑えられるので作業時間の短縮にもなる。

スプレーではなくオイルタイプで丁寧に注油する方法もある

デイトナ「高浸透チェーンオイル点射タイプ」/税込価格3850円

デイトナ史上最高峰の潤滑力を持ち、高い浸透力と飛び散りに強い吸着力を発揮。付属のスポイトを使用することで、無駄なく注油することができる。

画像: 時間はかかるが、1カ所ずつ給油すれば完璧な潤滑性能が得られ、チェーンの伸び、ピン回転、固着、シールの破損も発見しやすい。

時間はかかるが、1カ所ずつ給油すれば完璧な潤滑性能が得られ、チェーンの伸び、ピン回転、固着、シールの破損も発見しやすい。

作業完了!

ホイールを回して馴染ませてから余分なオイルを拭き取る。プレート外側には錆防止のため軽く油分を残しておいたほうがいい。

徹底的にキレイにするならチェーンケースを外して清掃

外からは見えにくいが、いつの間にか汚れが堆積しているのがチェーンケースの裏側。チェーンクリーナーを浸透させている間に、チェーンケースを外して裏側にこびり付いた汚れを落とそう。

汚れが分厚く堆積していたら木ベラなどでこそぎ落としてからチェーンクリーナーを吹き、汚れを柔らかくして拭き取ると効率的だ。

文:太田安治/写真:南 孝幸、松川 忍、柴田直行/モデル:平嶋夏海

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