4台4色、それぞれスペックだけでは見えない個性の違いアリ!
ひとくちに「スポーツライディング」と言うと、サーキットでラップタイム短縮のために限界まで攻め込むイメージがあるが、たとえ公道でも加減速によって前後タイヤに掛かる荷重を意識し、コーナリング中の荷重変化を感じ取り、エンジンの出力特性に合ったギアを選択してスロットルワークで荷重をコントロールするという一連の操作はれっきとしたスポーツライディング。そこにバンク角や速度は関係ない。
そうした視点で見ると、現在の250ロードスポーツたちは総じてスポーツライディング適性が高い。サーキット走行を強く意識したスーパースポーツとは違い、車体セッティングは公道走行で受ける荷重が前提で、エンジン特性も扱いやすさ優先。「操る」面白さを恐怖感なく身に付けられるのが、250ロードスポーツモデルの持つ魅力の一つだ。
この4台の中で最もスポーティなキャラクターを持っているのはCBR250RR。ストリートユース向けには単気筒ネイキッドモデルのCB250Rがあるだけに、遠慮なくスポーツ性能を高めたという作り。倒立フォークとアルミスイングアームを備え、高めの剛性を与えられた車体は中高速コーナーでの安定性が抜群。
フル加速時の吸排気音もエキサイティングで、操っているときの充実感はライバルたちよりも一歩も二歩も抜きん出たもの。日本や東南アジアのプロダクションレースでも好成績を残している。
昨年モデルチェンジしたYZF-R25は持ち味である扱いやすさを損なわず、スポーツ性能が底上げされた。これは新たに倒立フォークを採用し、併せてスプリングもダンパーも強めに設定して車体全体の剛性が高まっているから。フルブレーキからの寝かし込みや、高い荷重の掛かるコーナーでの安定性がグッと高まった。にも関わらず市街地での乗りやすさも両立したのは素晴らしい。
キャラクター的にR25と近いのがニンジャ250。中高回転域で気持ち良く反応するパワー特性と吸排気サウンド、モデルチェンジによって前後タイヤの接地感が上がり、コントロール性も高まった。エンジンの扱いやすさはR25に一歩譲るが、走らせているときのエキサイティングさはこちらのほうが上だ。
GSX250Rは市街地での乗りやすさ、クルージングでの快適さを最優先したキャラクター。エンジンもハンドリングも穏やかで、じっくりスポーツライディングを身に付けたいライダーにお勧めだ。