250ccスポーツの4モデル(カワサキNinja250・ヤマハYZF-R25・スズキGSX250R・ホンダCBR250RR)を徹底比較! 今回は一番の魅力である「走る楽しさ」にスポットを当ててみよう。それぞれの走りの楽しさには、どのような味付けの違いがあるのかじっくり読んでほしい。

カワサキ Ninja250

画像2: カワサキ Ninja250

爽快な走りを堪能できるパッケージ

2018年にフルモデルチェンジを受けて生まれ変わっただけに、走りのパフォーマンスは高いレベルにある。特に素晴らしいのは8000回転からのパワーとトップエンド1万3000回転近辺までの伸びやかさ。

5000回転近くもの幅広いパワーバンドを持っているのでスムーズに、爽快に、そして速く走れる。車体も前後タイヤの接地状態をより体感しやすくなっており、スポーツライディングを安心して楽しめるパッケージング。街乗りも意外なほど快適だ。

画像: ブレーキには310㎜径の放熱性に優れたペータルディスクを装備。フォークは41㎜の正立タイプを採用。

ブレーキには310㎜径の放熱性に優れたペータルディスクを装備。フォークは41㎜の正立タイプを採用。

画像: 2018年モデルからダウンドラフト吸気を採用。さらにスロットルバルブも大径化したことで高出力を実現。

2018年モデルからダウンドラフト吸気を採用。さらにスロットルバルブも大径化したことで高出力を実現。

主なスペックと価格 
全長×全幅×全高:1,990×710×1,125mm
ホイールベース:1,370mm
最低地上高:145mm
シート高:795mm
車両重量:166kg
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量:248cc
ボア×ストローク:62.0×41.2mm
圧縮比:11.6
最高出力:27kW(37PS)/12,500rpm
最大トルク:23N・m(2.3kgf・m)/10,000rpm
燃料タンク容量:14L
変速機形式:6速リターン
キャスター角:24.3゜
トレール量:90mm
タイヤサイズ(前・後):110/70-17M/C 54H・140/70-17M/C 66H
ブレーキ形式(前・後):シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格(消費税10%込):65万4,500円

ヤマハ YZF-R25/ABS

画像: ヤマハ YZF-R25/ABS

好バランスが光る一台

先代モデルから外装デザインを一新し、ハンドル位置も22mm下げて精悍なイメージを強めて昨年登場。新採用の倒立フォークは前モデルより硬めのスプリングと強めのダンピング特性となり、ブレーキングや切り替えしでの車体姿勢変化が減って攻め込みやすくなった。

エンジンはそのまま受け継がれているが、足回りが良くなったことでより積極的にパワーを使え、体感的には速くなったように感じる。それでいて、流して乗っていても頼りなさはない。実に絶妙なバランスだ。

画像: 新型では37㎜の倒立サスを採用。鍛造10本スポークホイールに298㎜径のブレーキを組み合わせる。

新型では37㎜の倒立サスを採用。鍛造10本スポークホイールに298㎜径のブレーキを組み合わせる。

画像: エンジンは先代同様、180度クランクを採用したG402Eで低・中速域で扱いやすいエンジン特性となる。

エンジンは先代同様、180度クランクを採用したG402Eで低・中速域で扱いやすいエンジン特性となる。

主なスペックと価格
全長×全幅×全高:2,090×730×1,140mm
ホイールベース:1,380mm
最低地上高:160mm
シート高:780mm
車両重量:167kg〈ABSは170kg〉
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量:249cc
ボア×ストローク:60.0×44.1mm
圧縮比:11.6
最高出力:26kW(35PS)/12,000rpm
最大トルク:23N・m(2.3kgf・m)/10,000rpm
燃料タンク容量:14L
変速機形式:6速リターン
キャスター角:25°00'
トレール量:95mm
タイヤサイズ(前・後):110/70-17M/C 54S・140/70-17M/C 66S
ブレーキ形式(前・後):シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格(消費税10%込):61万500円
ABSは65万4,500円

スズキ GSX250R

画像2: スズキ GSX250R

安心感と快適性はピカイチ

今回の試乗で一般道→高速道路→峠道をすべて自走したが、移動区間で一番気持ちよかったのがこのGSX250R。エンジンのパワースペック以上に実際の発進加速が力強く、振動も少ないのでクルージングも快適。

峠道の登り区間をフル加速するような場面では、さすがに高回転域でのパワー不足を感じるが、中回転域を使ったツーリングペースなら不満はない。80扁平サイズ太いフロントタイヤの絶大な接地感と合わせ、舗装林道のような荒れた峠道でも不安なく走れる。

画像: 安定性にこだわり、4車の中で唯一80サイズのFタイヤを装着。ブレーキは290mm径のペータルを装備。

安定性にこだわり、4車の中で唯一80サイズのFタイヤを装着。ブレーキは290mm径のペータルを装備。

画像: 4車の中で唯一のSOHCモデルながら、低・中速域を多用する街乗りの扱いやすさを重視した出力特性を実現。

4車の中で唯一のSOHCモデルながら、低・中速域を多用する街乗りの扱いやすさを重視した出力特性を実現。

主なスペックと価格 
全長×全幅×全高:2,085×740×1,110mm
ホイールベース:1,430mm
最低地上高:160mm
シート高:790mm
車両重量:178kg
エンジン形式:水冷4ストSOHC2バルブ並列2気筒
総排気量:248cc
ボア×ストローク:53.5×55.2mm
圧縮比:11.5
最高出力:18kW(24PS)/8,000rpm
最大トルク:22N・m(2.2kgf・m)/6,500rpm
燃料タンク容量:15L
変速機形式:6速リターン
キャスター角:25°35'
トレール量:104mm
タイヤサイズ(前・後):110/80-17M/C 57H・140/70-17M/C 66H
ブレーキ形式(前・後):シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格(消費税10%込):53万6,800円
トリトンブルーメタリックNo.2は54万8,900円

ホンダ CBR250RR/ABS

画像: 2019年モデル

2019年モデル

尖ったキャラの「ホンモノのSS」

スポーツ性も備えたコミューターではない。CBR250RRは紛れもない本物のスーパースポーツ。戦闘的なルックスを見た瞬間、ライディングポジションを取った瞬間、全開加速を試した瞬間、そして高速コーナーをフルバンクで抜ける瞬間。スーパースポーツの楽しさを知るライダーであれば、RRに乗れば最低4回は感動するはずだ。

街乗りでは前傾姿勢がきついし、吸排気音も騒々しいが、このRRはスーパースポーツ。尖ったキャラクターは当然のことなのだ。

画像: 倒立フォークに、ブレーキにはペータルタイプを採用。前後はラジアルタイヤと、4車の中でも随一の装備。

倒立フォークに、ブレーキにはペータルタイプを採用。前後はラジアルタイヤと、4車の中でも随一の装備。

画像: 先進のライド・バイ・ワイヤにライディングモードまで備えた、クラス最強の38PSを発生するエンジン。

先進のライド・バイ・ワイヤにライディングモードまで備えた、クラス最強の38PSを発生するエンジン。

主なスペックと価格(2019年モデル)
全長×全幅×全高:2,065×725×1,095mm
ホイールベース:1,390mm
最低地上高:145mm
シート高:790mm
車両重量:165kg〈ABSは167kg〉
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量:249cc
ボア×ストローク:62.0×41.3mm
圧縮比:11.5
最高出力:28kW(38PS)/12,500rpm
最大トルク:23N・m(2.3kgf・m)/11,000rpm
燃料タンク容量:14L
変速機形式:6速リターン
キャスター角:24°30′
トレール量:92mm
タイヤサイズ(前・後):110/70R17M/C 54H・140/70R17M/C 66H
ブレーキ形式(前・後):シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格(消費税10%込):80万3,000円
ABSは82万1,700円(グランプリレッドは85万4,700円)

文:太田安治/写真:赤松 孝、南 孝幸、森 浩輔

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