「完璧とまではいかなくてもいい」そんな手軽な方法を知りたい方におすすめ
転倒や接触などで外装パーツの塗装面が削られてしまった場合、外装交換またはプロに塗装を依頼するのが一般的だが、自分で修復してみたい人もいるだろう。
そこで今回は難易度の高いといわれるメタリック塗装の部分補修にトライ。
DIY作業が前提なので道具は最小限に抑え、下地用サフェーサー、純正色塗料、仕上げ用クリアはすべて手軽に使える缶スプレーを使用した。他に購入したのは耐水ペーパーとマスキングテープ、コンパウンド程度。
最小限の道具+素人作業の仕上がりはどうなるのか!?
挑戦するのは、小野塚雅人さん!
俳優、モデル。学生時代から友人のバイクもカスタムや修理をしていたという経歴を見込まれ、今回のDIYペイントに駆り出された。
今回使用するアイテム一覧
※カラーは愛車に合うものをお選びください
○MCペインター 【S61】トリトンブルーメタリック
○MCペインター 【X04】プライマーサフェーサー(シルバー)
○MCペインター 【C00】アクリル系クリア 2310円
○ 耐水ペーパー #400(研磨)、#2000〜(ならし)
○ ピカール液
【BEFORE】修復するのはこの傷!
転倒によるフロントフェンダー先端の傷付きはよくあるパターン。傷の深さは1mmに満たないが、塗装が削られて下地が露出している。面積があるのでタッチアップは不可能だ。
Step.1 ペーパーで傷落とし
最初に400番の耐水ペーパーで傷部分の段差を削り、2000番の耐水ペーパーで表面をならした。部分的に凹まないよう、傷の周囲まで広めにペーパー掛けすることがポイント。
Step.2 ていねいにマスキング
本来は外装パーツ(今回はフェンダー)を車体から外すべきだが、あえて装着したまま作業。塗料が周囲に付着しないよう、新聞紙やチラシなどをテープで留めてマスキングする。
Step.3 サフェーサーで下地づくり
塗装面を洗剤やパーツクリーナーで脱脂してサフェーサーを吹く。純正色のメタリックブルーに合わせてシルバーのサフェーサーを使った。
Step.4 カラースプレーを吹く
サフェーサーが乾いたら2000番の耐水ペーパーで表面をならし、純正色スプレーを吹く。厚塗りすると仕上がり色が濃くなるので薄めに。
Step.5 クリアを上塗り
純正色スプレーを吹いただけではツヤが出ないので、アクリル系クリアを重ねる。一度の塗装を薄めにし、乾燥を待って2〜3回吹く。
Step.6 磨き剤で磨き仕上げ
湿度や外気温によるが、完全に乾燥するまで24時間以上は待ちたい。完全に乾いたらコンパウンドでマスキングテープが貼られていた部分を重点的に磨いて段差をならす。
【AFTER】完成!!
最初の施工で純正色を3回重ね塗りしたら色が濃くなり過ぎた。写真は最初からやり直した2回目の状態。光の角度によって色の違いが出るが、傷自体は完全に見えなくなった。
小さな傷にはタッチアップも有力
先端がハケ状になっているタッチアップペイントは傷部分だけに塗ることが難しく、塗料のタレも起きやすい。この製品は先端がフェルトペンになっているため、ペン先からしみ出した塗料を狙った場所に点を打つように乗せられる。素人でも失敗しにくいことが特徴だ。
文:太田安治、小野塚雅人/写真:松川忍