「トレール」は北米で長年使われている伝統の名称
言わずと知れた、2020年の大ヒットモデル、CT125ハンターカブ。街でもチラホラ見かけるようになってきました。ようやく納車になった人、まだ納車待ちの人、さまざまだと思いますが、そんなハンターカブがいよいよ北米でも発売となるようなのです! その名も「トレール125」。
なぜ「ハンターカブ」ではなく「トレール125なのか?」それはこの名前が、北米で使われてきた伝統ある名称だからなのです。
野山を駆け抜け、タフに遊べるだけでなく、牧場などの業務用としても手軽に使えるバイクとして、アメリカホンダが発売したのがトレール仕様のスーパーカブ。1961年に登場したCA100Tは「トレール50」の愛称が与えられ、多くのユーザーに愛されたのです。
そんな「トレール」は55、90と、改良されるごとに排気量を拡大しながら進化、1981年には「トレール110」が登場します。日本では先代のハンターカブ「CT110」に相当するモデルですね。
北米向けのトレール110は1986年が最終モデルでしたが、オーストラリアでは写真のように郵政公社の配達用バイクとしてCT110(現地名・トレール110)が正式採用され、実はその後も生産されていました。最終モデルはなんと2012年! 日本でも、ごく少数ですが、オーストラリア仕様のトレール110が輸入され、2000年代に入ってからも販売されていたりしました。
このように、北米で「トレール」というのは由緒正しき、歴史ある名称。新型のCT125が発売されるにあたり「トレール125」となるのは自然なことなのです。
検証! トレール125はハンターカブとココが違う!
では早速、ハンターカブとトレール125では、ドコがどう違うのかを見比べてみることにしましょう!
●トレール125は1人乗りモデル
レッドが北米仕様のトレール110、ブラウンが国内仕様のCT125です。まず、車名が違うのでサイドカバーの文字が違っているほか、ナンバープレートのサイズが違うため、ナンバーステーの大きさが異なります。あと、日本では原付二種は前後フェンダー下端に白いマークが入りますが、北米には関係ないのでそれがありません。
あと、決定的に違うのがタンデムステップの有無。そう、北米仕様のトレール125は1人乗り仕様で、タンデムステップが装着されておらず、スイングアームにもボルト穴は開けられていないようです。シュノーケルスタイルのエアクリーナー吸入口のダクトや大型リアキャリア、タイヤやホイールなどの足回りには大きな差はないようです。
●マフラー形状は同じだがヒートガードが微妙に違う
そして、シングルシーターゆえ、北米仕様のトレール125には、サイレンサー上にあるタンデムライダーのための黒いヒートガードが装着されていません。タンデムステップが取り付けられていたスイングアームのボルト穴はふさがっており、タンデム仕様にするには加工が必要な感じです。
ハンターカブとの違いはわずか、北米発売は11月から
日本のみならず、北米でも大ヒットの予感がするトレール125。シングルシーター化にともなう変更意外、特に大きな差はないようで、ABSも標準装備。北米仕様の慣習でパワースペックは公表されていませんが、見る限り大差はなさそうです。
ちなみに価格は現地で3899ドル(約41万4100円)と、為替の関係で気持ちお安めではありますが、これもほぼ同じ感覚と言っていいでしょう。カラーはレッドのみとなっています。ハンターカブオーナーになったら、サイドカバーのデカールを変えて「トレール仕様」にプチカスタム、なんていうのも面白いかもしれませんね。