国内4メーカーはいずれも250ccのアドベンチャーモデルをラインアップしている。それぞれに個性を持ち、得意とするフィールドやシーンも異なる。あなたがどのような用途で使いたいか、それをはっきりさせることが、ベストな1台を選ぶカギとなる!
成長過程のカテゴリーゆえ色とりどりの個性が楽しい
いまやひとつのカテゴリーとしてすっかり定着した感のある250ccアドベンチャーだが、実はまだ歴史は浅い。今のラインアップが各社から出そろい始めたのは2017年。2月にホンダ・CRF250ラリーが発売となり、3月にカワサキ・ヴェルシスX250ツアラー、7月にスズキ・Vストローム250が登場、その後排ガス規制対応を施されたツーリングセローが復活して現在のラインアップに至る。
ここ数年で急速に盛り上がったカテゴリーだけに、リッタークラスのBIGアドベンチャーたちとは違い、各車のキャラクターはさまざま。そこが選ぶ楽しみにもつながり、人気の要因のひとつとなっている。
いまこのカテゴリーを構成する4つの主要モデルは、大別するとオンロードツアラー派生であるVストローム250とヴェルシスXツアラー、デュアルパーパスの延長線上にあるツーリングセローとCRF250ラリーに分かれる。奇しくも、前者の2機種はともに2気筒エンジンを、後者の2機種はともにシングルエンジンを搭載している。
ストリートで普段使いするならどれも不足はないし、それぞれに異なる魅力があるから選ぶのに迷うが、そこは愛車選びの大原則である「どう使いたいか」という機軸で見ると選ぶべき1台はよりハッキリするだろう。
快適なツアラーが欲しいならクルージング能力と快適性に優れたVストローム250が光るし、ダートを思いのままに走りたい人にはCRF250ラリーは魅力的。オンもダートも楽しみたいオールラウンダーにはヴェルシスXツアラーが最適だろうし、ツーリングセローは山に分け入った時に真価を発揮するトレールモデル。どのステージを重視するかが選択の分かれ目だ。
文:太田安治/写真:赤松 孝、南 孝幸