文:中村浩史/写真:富樫秀明
※この記事は、月刊『オートバイ』2020年9月号で掲載したものです。
加藤ノブキ 氏
加藤ノブキさんは、マンガ家であり、イラストレーター、デザイナーと多岐にわたって活躍するクリエイター。FANTIC広告のイラスト製作も手掛けていて、写真のアライヘルメット「ラパイドNEOオーバーランド」のグラフィックデザインも担当した。1977年広島県出身。愛車は写真のキャバレロ250と、KTM RC8!
ピカピカの高級車を泥んこで乗り倒す喜びを
「初めて見た時から、ビビッときましたね。なんだコレ、カッコいい!」
イラストレーターであり、デザイナーである加藤ノブキさんがひと目で気に入ったのは、ご自身の個展が終わって、入れ替わりに展示会をしようとしていたファンティック・キャバレロ!
「ファンティックってブランドに詳しくはなかったけど、決して今風じゃないけど古くもない車体デザイン。パーツ構成がきれいで、目に付くパーツが削り出しや、ハンドメイドっぽい。それで購入を決めました」
モノ選びは、ひとと同じじゃつまらない、フツーじゃないのがいい、というクリエイターの琴線に触れたのだろう。街乗りバイクとしても、これからちょうどやってみたかった、という泥んこ遊びにもピッタリのバイクだった。
「いまKTMのRC8を持っていて、たまにサーキットのスポーツ走行なんかに行くんですが、ズルッとスライドする瞬間とかが怖くて、ダートでトレーニングもしたかったんです。キャバレロなら、街乗りして、自走でダートに行けるな、って思ったんですよ」
前後19インチという、今どきの市販車ではあり得ないタイヤサイズも気に入ったポイントだという。
「これ、なんと前後に同じサイズのタイヤを履いてるんです。ちょっと調べてみたら、前後19インチって、フラットトラックレーサーのサイズらしくて、そこもイイ! 今はピカピカのキャバレロ、泥だらけにしてバタンバタン転かしてやろうと思ってます(笑)。その方がカッコいいんじゃないかな」
それまでは、次の一台に国産トレール車もいくつか候補にあったという。でもキャバレロを選んだのは?
「コレを持っている僕の生活が、より広がるなぁ、って思えたんです。国産のトレール車より何倍も楽しいバイクライフがありそう、それが個性っていうのかな。そこにいっぺんでヤラれたんです。早く泥んこにしたいです!」
文:中村浩史/写真:富樫秀明