ヤマハが満を持して2020年夏にリリースした「テネレ700」。パリダカマシンをルーツに持つ栄光のネーミングを受け継いだ一台だ。砂漠で培われた技術と伝統は、時代が変わっても生き続けている。

ヤマハ 「テネレ700」誕生の歴史

画像: YAMAHA Ténéré700 エンジン型式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 総排気量:688㏄ 最高出力:72PS/9000rpm 最大トルク:6.8㎏-m/6500rpm シート高:875㎜ 車両重量:205㎏ 燃料タンク容量:16L タイヤサイズ(前・後):90/90-21・150/70R18 価格:126万5000円(消費税10%込)

YAMAHA Ténéré700

エンジン型式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量:688㏄
最高出力:72PS/9000rpm
最大トルク:6.8㎏-m/6500rpm
シート高:875㎜
車両重量:205㎏
燃料タンク容量:16L
タイヤサイズ(前・後):90/90-21・150/70R18
価格:126万5000円(消費税10%込)

砂漠の血脈が息づくオフ志向のメカニズム

1979年の第1回パリ・ダカールラリーをビッグオフローダーのXT500で制したヤマハ。80年代になってパリダカの注目度が高まり、BMWなどのライバルが力を付けてきたのに対抗して1983年に投入されたのが最初のXTテネレだった。ビッグタンク、ディスクブレーキ、アルミスイングアーム…砂漠で戦うための本格メカニズムは、冒険的ラリーへ憧れるライダーからも注目され、人気ブランドとなっていく。1998年を最後にヤマハがパリダカへのワークス参戦を取りやめてからも、パリダカで培われたノウハウで、テネレは時代に合わせてアドベンチャーツアラーとして進化していった。

最新モデルのテネレ700に搭載されているのは、MT­07ベースのパラレルツイン。これに採用されている270度クランクも、砂漠でのトラクション性能確保のためにパリダカで試みられたものがルーツ。「砂漠の血脈」は今も息づいている。

クロスプレーン・コンセプトに基づいて270度クランクを採用、MT-07などにも搭載されてきた688㏄水冷並列ツインは最高出力72PSを発揮。

上2灯のロービーム、下2灯のハイビームを、スクリーンで大きくカバーした個性的マスク。まるで最新のラリーマシンのような雰囲気だ。

ヤマハ 「テネレ700」のルーツ

画像: 1983年 XT600 TENERE

1983年 XT600 TENERE

1983年の初代XT600テネレは、パリダカ風マシンのブームを世界に広げた1台だ。1991年には水冷5バルブエンジンで戦闘力を高めたXTZ660テネレも登場。一方、高速化するラリーに合わせ大排気量2気筒モデルとして1989年にXTZ750スーパーテネレも発売された。

その後、ヤマハのパリダカ撤退と共にラリーの一線からは退いたが、2010年にはXT1200Zスーパーテネレが登場、アドベンチャーモデルとして人気に。そしてテネレ700のデビューへと繋がっていく。

まとめ:オートバイ編集部/写真:南 孝幸

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