スタイリングをリファイン、装備類も充実
スポーティで洗練されたデザインと、使い勝手の良さで知られるホンダのプレミアムスクーター・フォルツァシリーズの中で、ヨーロッパ市場向けに販売されている「フォルツァ125」。2015年のデビュー以来6万台あまりを販売してきた。
2018年のモデルチェンジでは灯火類をフルLED化してプレミアム感を感じさせるスタイリングを採用、さらに電動調整式のスクリーンも装備するなど実用性も高められた。そして先日発表された2021年モデルでは、さらにプレミアムで実用的に進化している。
フレームやサスペンションなど車体の基本的な構造は従来モデルから受け継がれている。しかしスタイリングは、フロントとサイドのフェアリングをはじめ、ミラー、リアサイドパネル、エンジンカバーのデザインをより洗練された形状に変更してイメージチェンジをはかり、同時に空力性能も改善。
動力性能と環境性能を両立させ、定評のある125cc水冷eSP+エンジン自体も従来モデルと変わっていない。しかし新たに前後輪の速度差をもとにエンジントルクを制御し、後輪のトラクションを回復させる「Honda Selectable Torque Control(HSTC)」を新たに採用して、これまで以上に安全性が高められた。
乗り手の好みや状況に応じて防風効果を変えられる電動調整式のスクリーンも、高さの調整範囲が従来モデルよりも40mm大きくされた。
その結果、これまで以上にライダーの頭部を走行風の影響から効果的に守ることができるようになり、さらに風切り音も低減されて快適性が高まった。
電動調整式スクリーンの操作は、左側ハンドルのスイッチボックスに設けられたスイッチによって行われる。
ハンドル左下に設けられているグローブボックス内にはこれまでACC充電器が装備されていたが、このモデルからUSBソケットに変更され、さまざまな用途で使いやすくなっている。
シート下の収納スペースは、フルフェイスヘルメットを2つ収納可能。さらに内部を仕切って雨具やA4サイズのバッグを収納することもできる。
さらに積載性を拡張するための純正オプションとして、容量45Lのスマートトップボックスも用意されている。このスマートトップボックスは、スマートキーからも操作が可能だ。
この新型フォルツァ125(写真左)をはじめ、フラッグシップモデルのフォルツァ750(同中央)、フォルツァ350(同右)という、充実したラインナップが揃った2021年のヨーロッパ向けのフォルツァシリーズ。現在国内向けモデルはフォルツァ250のみだが、これらの魅力的なニューモデルが日本でも販売されるのを期待したい。
まとめ:小松信夫
新型フォルツァ125の主なスペック
全長×全幅×全高 | 2140 x 755 x 1500mm |
ホイールベース | 1505mm |
シート高 | 780mm |
車両重量 | 161kg |
エンジン形式 | 水冷4ストOHC4バルブ単気筒 |
総排気量 | 125cc |
燃料タンク容量 | 11.5L |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70-15・140/70-14 |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |