およそ半世紀を経て、再びメグロブランドのオートバイが誕生か
何と「メグロ」です!
メグロとは何? と思った方も多いと思います。
メグロ(目黒製作所)は、1924年に創業した日本の名門オートバイメーカー。1937年に最初のモデル「メグロZ97」を発表しています。
その後、戦時中はオートバイの製造の中断することになりますが、戦後に製造を再開。1950年代に発売されたモデルは、浅間火山レースで活躍するなど大きな功績を残します。
ところが、戦後生まれたメーカーの勢いはすさまじく、業績は悪化。1960年に川崎航空機工業(現:川崎重工業)と提携を開始。その後、1964年に川崎航空機工業に吸収されましたが、カワサキのオートバイ部門の成立において、大きな役割を果たしました。
メグロからカワサキへ。その時代の流れをいまに伝えるオートバイがあります。
それが、空冷バーチカルツインエンジンを搭載した「W800」です。
現行モデルのカワサキ「W800」のルーツは、1965年に発売された「カワサキ500メグロK2」までさかのぼります。
この「カワサキ500メグロK2」は空冷のバーチカルツインエンジンを搭載。当時はハイスペックな高性能車として羨望の的だったモデルです。この後、空冷バーチカルツインエンジンは650-W1、W2、W3へと進化を遂げていきます。
そして、1999年にはW650が登場。ベベルギアを使ったユニークなエンジンを採用しましたが、空冷バーチカルツイン、そして「W」の名前の復活はファンを大いに喜ばせました。その後、W650はW800へと進化、厳しい排ガス規制の波を乗り越えながら、歴史は連綿と続いているのです。
注目の新型メグロはW800ベース、その名は「K3」?
さて、再び今回カワサキが突如発表した謎の写真をよく見てみましょう。ちなみにカワサキがアップしたSNSの投稿には、文言は一切添えられていません。
タンクの大きなエンブレム、サイドカバーに貼られた赤い「メグロ」ロゴ、フレームや足回りのブラック仕上げ…どことなく上の写真「カワサキ500メグロK2」の面影を感じませんか?
見ればお分かりだと思いますが、このマシンはW800をベースとしている模様。背景にある看板の右には1878年創業の「川崎航空機工業」、左には1924年創業の「目黒製作所」の文字が。両者が築いてきた、名門ブランドの歴史と伝統を、このバイクは受け継いでいるのだ、という強いメッセージを感じます。
背景の看板を見ると、車名はどうやら「K3」のようです。先ほどご紹介した「K2」の末裔、ということなのかもしれません。
果たしてこの「メグロ」ブランドのマシンは何を意味するのか?W800の2021年モデルは10月1日に販売開始されたばかりですから、これがいきなり変わるとは思えません。
では、W800をベースとした、まったく別のネオクラシックシリーズとして「メグロ」ブランドが復活するのか? 今後の展開が気になって仕方ありません。こちらでも続報が入り次第お伝えしますし、更なる詳細は月刊オートバイ1月号でもご紹介しますのでお楽しみに!
まとめ:松本正雅