相次ぐスーパースポーツが登場し、スポーツ一辺倒な進化が続いた80年代。HY戦争を勝ち抜いたホンダもただ手をこまねいて見ているだけではなかった。「ここまでやるのか、新しいNSRは…」。レーサーレプリカブームはいよいよ先鋭化という、出口なき局面へ突入していく。

ホンダ「NSR250R」(MC18)各部装備・ディテール解説

画像: タコメーターと水温計をセットでスポンジマウント。スピードメーターは別マウントで、取り外し前提の設計。

タコメーターと水温計をセットでスポンジマウント。スピードメーターは別マウントで、取り外し前提の設計。

画像: 上部外側の角を落として異形5角断面としたフレーム。エンブレム下はステアリングダンパー装着用のボルト。

上部外側の角を落として異形5角断面としたフレーム。エンブレム下はステアリングダンパー装着用のボルト。

画像: インナーチューブ径はφ41㎜となり、新デザインのブレーキローターはφ276㎜。リム幅は3-00インチ。

インナーチューブ径はφ41㎜となり、新デザインのブレーキローターはφ276㎜。リム幅は3-00インチ。

画像: MC16よりテールパイプの長い新型チャンバー。サイレンサーはかなり細身の設計で、マスの集中化に貢献。

MC16よりテールパイプの長い新型チャンバー。サイレンサーはかなり細身の設計で、マスの集中化に貢献。

画像: MC18後期  シートレール近くまで跳ね上げられたサイレンサーが特徴的な89年モデル(MC18後期型)。フレームに続いてスイングアームも剛性の高い5角断面となり、前後ラジアルタイヤを装着。

MC18後期

シートレール近くまで跳ね上げられたサイレンサーが特徴的な89年モデル(MC18後期型)。フレームに続いてスイングアームも剛性の高い5角断面となり、前後ラジアルタイヤを装着。
画像: MC18後期 89年モデルのエンジンは「PGM-Ⅱ」を採用。エンジン回転数とアクセル開度に応じて、空燃費と点火時期、オイル吐出量、RCバルブの作動を総合的にコントロールする。

MC18後期
89年モデルのエンジンは「PGM-Ⅱ」を採用。エンジン回転数とアクセル開度に応じて、空燃費と点火時期、オイル吐出量、RCバルブの作動を総合的にコントロールする。

NSR250Rの系譜

1986年 NSR250

画像: 世界タイトルを獲得したRS250RWにかわって誕生したNSR250。全日本、世界GPでタイトルを獲得し、87年シーズンはGP500、SPレースを含め、すべてのタイトルを制覇。

世界タイトルを獲得したRS250RWにかわって誕生したNSR250。全日本、世界GPでタイトルを獲得し、87年シーズンはGP500、SPレースを含め、すべてのタイトルを制覇。

1986年4月 MVX250F

画像: 当時ホンダの2ストレーサーといえばNS500。その500と同型式の水冷V型3気筒を採用したMVXだったが、RZやΓには太刀打ちできないまま終わった。

当時ホンダの2ストレーサーといえばNS500。その500と同型式の水冷V型3気筒を採用したMVXだったが、RZやΓには太刀打ちできないまま終わった。

1990年2月 NSR250R( MC21)

画像: 90年2月にエンジンの主要パーツを刷新。制御系もエンジン回転数とスロットル開度に、新たにギアポジションを検知項目に加えたPGM-Ⅲとなり、点火時期や空燃比補正などをさらにきめ細かくコントロール。8000〜1万1750回転まで、実に3250回転に渡って最高出力の45PSをキープする「台形パワー」を手に入れた。

90年2月にエンジンの主要パーツを刷新。制御系もエンジン回転数とスロットル開度に、新たにギアポジションを検知項目に加えたPGM-Ⅲとなり、点火時期や空燃比補正などをさらにきめ細かくコントロール。8000〜1万1750回転まで、実に3250回転に渡って最高出力の45PSをキープする「台形パワー」を手に入れた。

画像: 90年式のMC21型では、シリンダー、シリンダーヘッド、クランクケース、クランクシャフトなどを新設計。キャブもアクセルの操作速度やギアポジションも検知するPGM-Ⅲに進化。

90年式のMC21型では、シリンダー、シリンダーヘッド、クランクケース、クランクシャフトなどを新設計。キャブもアクセルの操作速度やギアポジションも検知するPGM-Ⅲに進化。

1993年10月 NSR250R(MC28)

画像: 型式的には4代目、モデル的には5代目となる。盗難抑止効果もある世界初のPGMメモリーカードシステムや排気レイアウトの自由度を上げるプロアームを採用。レーサー転用時にはHRCでメモリーカードのプログラミング書き換え方式を導入し、HRCカード+レース用キットパーツの装着で最高出力は70PS以上をマーク。

型式的には4代目、モデル的には5代目となる。盗難抑止効果もある世界初のPGMメモリーカードシステムや排気レイアウトの自由度を上げるプロアームを採用。レーサー転用時にはHRCでメモリーカードのプログラミング書き換え方式を導入し、HRCカード+レース用キットパーツの装着で最高出力は70PS以上をマーク。

画像: MVX250F以来使われて来たTA型キャブから、よりコンパクトで吸入効率の高い真円ボアのTB(ニュースラント)型に変更。制御システムもPGM-Ⅳに進化した。

MVX250F以来使われて来たTA型キャブから、よりコンパクトで吸入効率の高い真円ボアのTB(ニュースラント)型に変更。制御システムもPGM-Ⅳに進化した。

文:中村浩史/写真:長野浩之、松川 忍
※この記事は月刊オートバイ2011年8月号別冊付録を加筆、修正、写真変更などの再編集を施しており、一部に当時の記述をそのまま生かしてある部分があります。

This article is a sponsored article by
''.