文:太田安治/モデル:平嶋夏海/写真:南 孝幸
ボアフリースで高い保温性能と優しい着心地
ライダーの冬装備は素肌に直接触れる長袖アンダーウエアと防風性能の高いアウタージャケットが基本。さらに「ミドルレイヤー」と呼ばれるジャケットやベストをプラスすることで保温性を高められる。ミドルレイヤーはダウン/フェザーやシンサレート、アルミ蒸着シートなど、特性の異なる素材があるが、軽くて着心地が良く、洗濯も簡単なのがフリース素材だ。
そこで裏地の全面にポリエステル素材のボアフリースを採用したのがヘンリービギンズの新製品。ボア生地は表面がモコモコしていて、ここに体温で暖められた空気を溜めることで通常のフリースよりも高い保温性を発揮する。ただしそのままだと風を通しやすいので、前面に防風生地を採用して走行風をブロック。背面はストレッチ生地で身体の動きを妨げないように仕上げられている。
気温12℃の高速道路で試したところ、コットンの長袖Tシャツ、3シーズンナイロンジャケット(中綿なし)との組み合わせでちょうどいい感じ。暖まった空気を逃さないように身体にフィットするカッティングだが、素材に伸縮性があって前傾姿勢を取っても窮屈さは感じなかった。
ボアによって表地の冷たさが肌に伝わって来ないので革ジャンや一般衣料系ジャケットとの相性もいい。アウトドアユース全般に使える「優しい保温ウエア」だ。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
ミドルレイヤーとしては前合わせファスナーのないシャツタイプも欲しいところ。首周りからの隙間風をシャットアウトする工夫を凝らしてもらえば、ライディング用としての完成度がさらに上がりそう。