松も明けまして、そろそろ2021年のモータースポーツ体制が明らかになってまいりました。
すでに主催者側から発表されているMotoGPやWSBK(=ワールドスーパーバイク)の陣容は明らかになっていますから、主に全日本選手権の体制ですね。もちろん、ファクトリーチームだけではなく、Hondaサポートのサテライトチーム体制も発表になっています。
まずMotoGPとWSBKほかは以下のとおり。
■MotoGP
レプソルホンダチーム
マルク・マルケス/ポル・エスパルガロ
LCRホンダIDEMITSU
中上貴晶
LCRホンダCASTROL
アレックス・マルケス
■Moto2
IDEMITSUホンダTeam ASIA
小椋 藍/ソムキャット・チャントラ
■Moto3
ホンダTeam ASIA
國井勇輝/アンディ・ファリド・イズディハール
■WSBK
Team HRC
アルバロ・バウティスタ/レオン・ハスラム
■WEC(=世界耐久選手権)
F.C.C. TSRホンダFrance
高橋裕紀/ジョシュ・フック/マイク・ディ・メリオ
■MXGP(=世界モトクロス選手権)
Team HRC
ティム・ガイザー/ミッチェル・エバンス
■WTR(=世界トライアル選手権)
レプソルホンダチーム
藤波貴久/トニー・ボウ
22歳水野、海外初挑戦へ
そして注目の全日本ロードレースは、2020年にホンダトップチーム格で参戦していたMuSASHi RT ハルクプロホンダ所属だった水野 涼がBSB(=イギリス・スーパーバイク)に参戦します。
水野は現在22歳。2015年のJ-GP3チャンピオンにして、2017年のJ-GP2クラスチャンピオンで、JSB1000クラス参戦3年目の2020年にランキング4位を獲得。2019年シーズン中盤あたりからHondaワークスマシンを貸与されるようになり、そこから目に見えて成長を遂げた全日本トップライダーです。とはいえ、最高峰クラスではまだ優勝していないんですけどね。
22歳という年齢、トップチームである程度の成績をあげていることから、ホンダが2021年からスタートさせる「Hondaスーパーバイクチャレンジプログラム」対象ライダーに選ばれ、海外挑戦をスタートさせるものです。
BSBといえば、2003年に加賀山就臣が日本人として初めてフル参戦を開始し、04年には清成龍一も参戦をスタート。清成はBSBチャンピオンにもなったし、加賀山ともどもBSBを卒業してWSBKフル参戦を実現させていますから、水野も近い将来のWSBK参戦を狙ってのステップアップとみていいでしょう。
全日本ロードレースは、ホンダトップチーム格としてSIR(=シンイチ・イトウ レーシング)が継続参戦。メーンスポンサーは引き続き株式会社ケーヒンですが、ケーヒンが2021年から日立オートモーティブシステムズ(鈴鹿サーキットのシケイン名としておなじみですね)/サスペンションのショーワ/ブレーキの日信工業と経営統合し、「日立アステモ」として活動をスタート。そんな理由で、2021年のチーム名は「アステモHondaドリームSIレーシング」となります。つまりアステモはECUもサスもブレーキも扱うビッグサプライヤーカンパニーになるんです!
マシンのカラーリングも、あのケーヒンカラー青×白×銀からアステモカラーな白×赤に変わります。あのカラーリングのファン多かっただけに、ちょっと寂しいけど、新鮮ですね。日本郵便カラーと見分けにくくなるかも(笑)。アステモホンダからはJSB1000クラスに清成龍一、ST1000クラスに渡辺一馬、作本輝介が参戦します。
他JSB1000クラスのHondaユーザーチームは、20年シリーズランキング3位と大躍進した濱原颯道が「HondaドリームRT桜井ホンダ」から、同じくランキング6位と、これも大健闘した岩田 悟が「TeamATJ」から、MuSASHi RTハルクプロホンダからは、20年にST1000クラスで惜しくもチャンピオンを逃してランキング2位となった名越哲平が参戦します。
新クラススタート2年目となるST1000クラスへは、ディフェンディングチャンピオン高橋裕紀が、チャンピオンチーム「日本郵便HondaドリームTP」から継続参戦。高橋はEWCとのダブルエントリーになりますね。さらに昭和電機グループをメーンスポンサーとする「SDGモータースポーツRTハルクプロ」から榎戸育寛が参戦します。
ST600クラスへは、「日本郵便HondaドリームTP」から小山知良、「モトバムホンダ」から荒川晃大/鈴木光来、「TOHOレーシング」から國峰啄磨が、「MuSASHi RTハルクプロ」から埜口遥希が参戦します。
ホンダのラインアップは一気若返りましたね。モトバムの荒川が18歳、鈴木が20歳、ハルクの埜口が19歳、名越が23歳、SDGの榎戸が22歳、TOHOの國峰が22歳です!
全日本モトクロスは勢力図一変!?
全日本モトクロスは、最高峰IA1クラスチャンピオン山本 鯨がHondaドリームRacing Bellsから継続参戦。母体は同じBells Racingからの昇格で大城魁之輔が山本のチームメイトに収まり、そのBellsRacingからは小島庸平がIA1へ継続参戦します。
さらにHondaドリームRacing HAMMERにはカワサキから移籍の小方 誠が加入。
全日本モトクロスも、久しぶりに大型移籍や名門チームごとのメーカースイッチなど、ニュースが少なくないようです。そのへんはまた♪
文責/中村浩史