ホンダ「スーパーカブC125」で冬のキャンプツーリング
2020年は息苦しさとの戦いでした。そんななか少し落ち着いていた夏場に休暇を利用してCT125・ハンターカブでキャンプに行けたのはいい思い出となっています。
CT125・ハンターカブは、見た目のアクティブな印象そのままに長旅を快適に楽しめるバイクで、原付二種で最強ともいえるキャンプツーリング性能を持っていました。
そこで思ったのは、「スーパーカブC125はどうなの?」。てなわけで、C125とともに冬キャンプにレッツゴー!
スーパーカブC125の積載性
ハンターカブが巨大なリアキャリアを搭載しているのに対し、C125スーパーカブは、可愛らしくスタイリッシュなキャリアを標準装備しています。
今回ホンダから借りた車両は、キャリアの上に取り付けられるアクセサリーパーツのリアシートを備えたもの。一人乗りでのキャンプの場合は、キャリア状態の方が便利だけど、これでも大丈夫。
いつも使っているキャンプ用のシートバッグ(容量59L)がギリギリ積載できました。
このバッグは拡張すると最大75Lになりますが、C125の小ぶりなリアシート(リアキャリア)に安心して積載するには、拡張は控えた方がよさそうです。
とはいえ、西野の荷物は未拡張の59Lですべて収まるので、これでOK。
スーパーカブC125の走りはスポーティ
荷物を満載にして東京都心を出発。すぐに気が付きました。このC125スーパーカブは、むっちゃスポーティです。
約20kgの荷物、体重80kgのライダーを積んでいるにも関わらず、スイスイ走ります。ライディングポジションも、ハンターカブと比べるとスポーツバイクに乗っているかのよう。「キビキビ駆け抜けるぜ!」と気持ちが高まります。
全体的にカッチリしているのが印象的。キャストホイールを装備しているのも大きな要因でしょう。そして、カブ特有のシフトチェンジのガチャコン感が極力抑えられています。
スムーズにギアを変えられて、クイックネスなその走りは、カブ界のスーパースポーツモデルといえるかもしれません。
あと、ハンターカブと異なり、ギアポジションインジケーターが備わっています。なくても慣れてしまえば気にならないんですが、やっぱり「いま何速で走っている」というのがひと目で分かるのは、カブの場合とくにありがたいですね。
フロントのディスクブレーキの利きもよく、大荷物を積んだ状態での街乗りも安心。カチッと止まることができるので、まわりの通勤スクーターたちに負けない走りが楽しめました。
スーパーカブC125の燃費と航続可能距離
今回のキャンプ地は神奈川県の北西部。寄り道もしながら約110km走って無給油で到着。ただ、このとき燃料計の目盛りは残りひとつ。
給油を行なうと、112.2kmの走行で2.64Lのガソリンが入りました。燃費は42.5km/Lです。
スーパーカブC125の燃料タンク容量は、3.7L。これがCT125・ハンターカブとの大きな違いですね。
ハンターカブの燃料タンク容量は5.3L。ハンターカブの旅では、走っていたエリアが快走路ばかりだったこともあり、平均燃費は50km/Lほど。走行200km毎を目安に給油していました。
スーパーカブC125の場合は100~120km毎を目安に給油をしないとエリアによっては不安になりそうです。
帰り道は少し燃費を意識した走り方で、走る道も選びました。すると燃費は51km/Lに。街中の渋滞に引っかかったりしなければ、荷物を積んでいても50km/L越えの燃費はC125でも実現できます。
スーパーカブC125のいいところ
この日は古くから付き合いのあるベテランキャンパーの集いに参加してきました。面白いことに参加した7人のうち3人がハンターカブ・オーナー。そのうちの一台はすでに盛大なカスタムが施された超ツーリング仕様となっていました。
カブ好きのみんなはC125にも注目。「これスマートキーじゃん!」と羨ましそうに眺めていました。
そう、スーパーカブC125は、スマートキーが採用されています。通勤通学など普段から便利ですが、ツーリングでもその恩恵は絶大。コンビニやスーパー、道の駅に入るときに楽だなあ、と思う次第。家の鍵などと一緒にキーホルダーにまとめてポケットに突っ込んでおけばいいですからね。
ちなみにですが、テントにキーを入れてすぐそばにC125を駐めていると、エンジンがかかってしまうので要注意。また、バイクが万が一倒れてテントにかぶさってくると惨事になりますから、ある程度距離をとって駐めるのがいいでしょう。
「キャストホイールの造形が美しいね」とやはりみんなそこにも気になっていた様子。見るからにスポーツ性能が高そうなのが分かるとハンターカブを選んだ人たちからも好評でした。
「レッグシールド付いてるからあんまり寒くなかったでしょ」という声も。たしかに、寒風がダイレクトに脚に当たらないため、寒さをほとんど感じずに走ることができました。比較的暖かく天気が良かったこともありますが、雨天でのツーリングではよりいっそう活躍するでしょう。
灯火器はハンターカブと同様、フルLED。明るくて被視認性も高いライトはありがたいですね。メーターの光り方もおしゃれで夜走るのも楽しくなります。
この日の夜は12月とは思えないほどの暖かさ。でもみんなそれぞれに焚き火台を持参。周りからはなにやら怪しい団体に見えていたかもしれません。
【まとめ】スーパーカブC125とCT125・ハンターカブ、キャンプが楽しいのはどっち?
長距離を何日も走るような旅では、ポジションが快適なC125・ハンターカブに分がありそうです。燃料タンクの容量のちがいも大きくなってきます。
ただ、スーパーカブC125での今回のキャンプ、何不自由なく往復200kmを走り、キャンプ道具を減らすこともなく、普段と同じように楽しむことができました。
必要充分な荷物を積むこともできるし、キャストホイールなものの、ちょっとしたダートは普通に走れます。各社の原付二種ラインナップを見渡しても、キャンプツーリング性能は高い方です。
シート高はスーパーカブC125が780mm、CT125・ハンターカブが800mm。身長175cmの西野の場合、ハンターカブはしっかり座るとかかとが軽く浮きますが、スーパーカブはギリギリ接地します。
価格はスーパーカブC125が税込40万7000円、CT125・ハンターカブは税込44万円。
スポーティな街乗りなど普段使いとして通勤通学・買い物の用途が多ければスーパーカブC125が便利ですし、ロングツーリングをいっぱい楽しむつもりでしたらCT125・ハンターカブが楽で快適。
でもどちらでも通勤通学はできますし、キャンプツーリングも楽しめます。見た目やフィーリングで「好き!」と思える方を選ぶのが長く付き合うための決め手となりそうです。
いざ、自分がどちらかを所有するとなったら、めちゃくちゃ悩みそうですが(笑)。
文・写真:西野鉄兵