カワサキ新型「Ninja ZX-10R」車両概要
スタイルの全面刷新でダウンフォースも増加
ニンジャZX‐10Rが10年ぶりにデザインを刷新。エンジンやシャーシは従来型を踏襲しつつも、全く新しいスタイルに生まれ変わった。イメージはアゴが突き出たデザインのH2系となるが、自然吸気のZX-10Rではセンターにラムエアインテークを配置。ヘッドライトはLEDの2眼としている。
期待された空力デバイスはダクト状のものを採用して、ダウンフォースを17%高めることに成功。スクリーンは従来モデルより起こされた形状としており、優れたウインドプロテクション性能を発揮しつつ、空気抵抗値は従来より7%抑えられている。
エンジンは空冷オイルクーラーの採用や排気系の変更で排出ガス規制のユーロ5に対応。
Ninja ZX-10RRはピストンリングを1本減らし、ピストンも各気筒で20g軽量化を実現。カムシャフトも変更されレブリミットが400回転高められた。手堅い進化で2021年のSBK連覇を目指す。
カワサキ新型「Ninja ZX-10R」宮崎敬一郎のココがポイント!
勝つための仕様であるが公道での楽しさにも期待
従来型のZX‐10Rは非常にエンジンが扱いやすい。それにサーキットペースでのコーナーアプローチでなくとも、なかなか素直な旋回性を発揮してくれ、峠道でもある程度愉しくスポーツできる。電制サスのSEなどはツーリングペースでは快適ですらある。
今度の2021年モデルでは、ハンドリングに関わる各部のアライメントを微妙に変更。何を求めた変更なのか、その狙いを読み解くと…フロントに荷重が乗るようになっているので安定性も増しているが、トレールを減らしてステアの動きは軽くしている。なので初期旋回時の機動が鋭くなっている可能性がある。スイングアームピボットの位置変更は立ち上がりの踏ん張り力向上が目的と発表されているから、これでコーナーの入り口と出口でより機敏に動き、アクセルを早く開けられる…ということだろう。
戦うための変更だが、サーキット以外でも体感できる味付けだといいな、と願っている。
カワサキ新型「Ninja ZX-10R」各部装備・ディテール解説
カワサキ新型「Ninja ZX-10R」「Ninja ZX-10RR」主なスペック(海外仕様)
※ 《 》内はNinja ZX-10RR
全長×全幅×全高:2085×750×1185㎜
ホイールベース:1450㎜
最低地上高:135㎜
シート高:835㎜
車両重量:207㎏
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:998㏄
ボア×ストローク:76×55㎜
圧縮比:13.0
最高出力:203《204》PS/13200《14000》rpm
最大トルク:11.7《11.4》㎏-m/11400《11700》rpm
燃料供給方式:FI
燃料タンク容量:17L
キャスター角:25度
トレール量:105㎜
変速機形式:6速リターン
ブレーキ(前・後):φ330㎜ダブルディスク・φ220㎜ディスク
タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・190/55ZR17
文:オートバイ編集部、宮崎敬一郎