さて、【カブシリーズの新車中古車 購入ガイド】ドリーム、コミューター、カスタムショップと続いて、ラストはオールドカブ。これまで、現行モデルを中心に話を聞いてきました。でも自分みたいにC100とかの旧いカブが欲しい人って結構いますよね。そんなオールドカブとの付き合い方や入手方法などを、聞いてきたぞ。

これまでは、ディーラーなどの正規販売店、カスタムショップときましたが、いずれも基本的には「カブの販売を行うお店」。最終回の今回は古いカブについて、ということでオートバイ修理再生業を営む、愛知県岡崎市の「崎田二輪本舗」さんに話を伺ってきました。

崎田二輪本舗はこんなお店

今回はかなりピンポイントな話なので、まず崎田二輪本舗さんがどんなお店なのかを紹介。

画像1: 【カブシリーズの新車中古車 購入ガイド】オールドカブ編/C100とかの古いカブと付き合いたい。〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.62〉
画像2: 【カブシリーズの新車中古車 購入ガイド】オールドカブ編/C100とかの古いカブと付き合いたい。〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.62〉

崎田二輪本舗

〒444-3523
愛知県岡崎市藤川町中町南51番地1
TEL/0564-48-8316
営業時間/10:00~18:00
定休日/水曜・祝日

修理再生に特化したお店なんだけど、そもそも修理再生業とは、ってとこですよね。崎田二輪本舗のインスタに日々の仕事がのってたので引用させていただきました。まずは見てみて。

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新旧ハンターならぬ、旧&旧ハンター。

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元祖スーパーカブたるC100。この格好良さは別格ね。

あと、こんなこともやってる。レース用に製作したデモ車なんだけど、インナータンクのフレームに、OHVのエンジンを搭載。ってだけじゃなくよーく見てみて。

OHVにインジェクション組み合わせてるの。これでコースをバリバリ走ってるとか。
もう意味わかんないね。

画像: 崎田二輪本舗はこんなお店

あと、古いカブ乗りの人にはおなじみだと思うけど、旧モデル用の各種純正パーツやリプロパーツの通販もやってるよ。

こんな感じ旧カブと付き合い続けてン十年。まさに旧カブのプロなのです。
あ、ちなみに旧カブ専門というわけではないので、他車種でもお気軽にお問い合わせを。

旧カブとの付き合い方を聞いてみる

旧車の探し方と相場傾向

さて、最初に確認なんですが、崎田二輪本舗さんでは、車両の販売は行っていないんですよね?

崎田二輪本舗
代表:崎田さん

現在は中古車両・ベース車両の販売を行っていないんです。
現在の業態としてはひとことでいうと「修理屋」です。
オーナー様が納得して入手した車両を、修正することからお付き合いをはじめるというスタンスです。

なるほどなるほど、ということは個人売買の持ち込みもOKなんですね。頼もしい。
では、実際に古いカブが欲しいとして、どんな風に探せば良いんでしょう?

崎田二輪本舗
代表:崎田さん

いろんなサイトやお店を探すのももちろんですが、意外と「自分は~が欲しい!」と、いろんな人に伝えるのが大事かもしれません。
実際に人と話すのもそうですし、SNSなんかも効果的かな。

本気で探していると、断捨離しようとしてる古カブオーナーとの出会いとかが生まれたりしますよ。意外と古カブオーナーは心意気のある若者を待ってたりもしますし。

旧車との付き合いは「車歴やストーリー」、そしてなにより「出会い」を楽しむのが大事だと思います。

ですので、ショップでもヤフオクやメルカリでも良いんですよ。大事なのは、その課程自体を楽しむことじゃないかな。

意外と身近にあったりするかもしれないですもんね。チルチルミチルですね。

古いカブの相場傾向ってどんな感じなんでしょう?

崎田二輪本舗
代表:崎田さん

OHV、6V車、12V車いずれも、相当に相場はあがっています。
団塊世代や段階ジュニア世代の感覚からするとビックリするぐらいですよ。

今後、価格相場がこれから下がっていくことはないかと思われます。
部品供給のこともありますし、「欲しいと思った瞬間が、もっとも入手しやすい時期」になるでしょうね。

探すときに車体をチェックするポイントってありますか?

崎田二輪本舗
代表:崎田さん

どの車種にも共通するのは、部品がそろっていることですね。足りない部品があると、後々響いてきますよ。

あとは基本的な部分としてエンジンマウントやリアフェンダー内側の腐食とかはチェックしておきたいポイントです。

行灯カブの場合は、フロントフォークが弱点なので、そこは注意ですね。
フロントサスペンションの取り付け方が特殊なので、取り付け部が腐ってるとかなり大変です。

バラバラで購入したらいつまでも完成しないイメージ、あります。
欲しいけど、なかなか知識が無くて手が出なかったりするんですよね…。

崎田二輪本舗
代表:崎田さん

必ずしも「知識をつけてからでないと旧車に手を出しちゃいけない」なんてことはないんですよ。

だれしも最初からなんでも知ってるわけじゃないですし。それよりも、入手や再生の課程を楽しめるかどうかが知識よりもよっぽど重要かもしれません。

つきあっていく課程でイヤでも詳しくなりますよ(笑)

旧車とのつきあい方

自分、小物なんでどうしても価格面が気になるんですが、そのあたりはどんな感じなんでしょう?

崎田二輪本舗
代表:崎田さん

そもそも旧車の場合、「費用」というもの考え方が新車や現行車とは違うんじゃないかな、と思ってます。新車が壊れて修理した場合、単純に「時間とお金がかかったね」というだけで、特に残るものはないですが、旧車の場合は修理自体が経験や知識、もっといってしまえば楽しむうえでの糧になるかと思います。

車両に対して最後まで責任を持つとなると、正直青天井にはなります。
新車よりは割高になるかもしれませんが、それ自体楽しむものでもあるので、あまりコストや費用重視を考えの中心に置くことはないですね。

もちろんそれはそれとして、費用を掛ければよいというものでもないので、こちらとしては最適解を提案して、コストを抑える方向での提案と作業を心がけています。

前提としてはそんな感じですが、ぶっちゃけ「古いものを楽しむ趣味」の中でみると、スーパーカブはそこまで値段かかるものじゃないですよ。

なるほど、世に言う頑丈神話は大げさだとしても、基本的に実用車ですもんね。

崎田二輪本舗
代表:崎田さん

一旦しっかりと手を入れて、問題点を出し切ってしまえば普段使いやツーリングにも普通に使える車両になりますし、そんな簡単に壊れないですよ。

ただ、当時のオリジナルに徹底的にこだわると当然時間も費用もかかります。まさに青天井ルートですね。

ただ、スーパーカブはリプロパーツも豊富ですし、より新しいモデルのパーツを加工流用することも可能なので、無理にこだわりすぎず自然体で楽しんで欲しいですね。

リプロといえば、パーツ供給なんかはどうなんでしょうか?

崎田二輪本舗
代表:崎田さん

それに関してはうちの通販部門(崎田二輪通販)の得意分野です。

純正供給されているものはもちろん、リプロダクションパーツに関しても、相当量を把握していると思っています。

旧カブ乗りには欠かせない通販サイトみたいですね。友人の行灯乗りも崎田通販で色々買ってました。

ほんと、見たこともないようなニッチなパーツたくさんあるのよ。こんなのとか。

最後に、旧カブと付き合うために大事なことって何でしょう?

崎田二輪本舗
代表:崎田さん

本当に、人によってそのへんは千差万別なんですよ。特に覚悟や知識があるわけでもなく、普通に探して修理して乗って楽しんでる若い人も結構いますよ。

自分がお客さんに相談されたときには、冗談交じりに「やめといた方がいいよ、楽しいから」なんて言ったりしますよ。

決して敷居が高い趣味ではないので、良い出会いをして乗り続けて欲しいですね。
うちもそのためにお手伝いさせていただければと思います。

崎田二輪通販のオススメパーツ

古いカブ乗り垂涎の各種アイテムの充実で、旧車カブオーナーにとっては要注目のオンラインショップ。
あと古いカブ用だけじゃなく、C125、新型ハンターカブやクロスカブ、スーパーカブ110なんかのパーツも扱ってるので、スーパーカブ乗り全般にオススメよ。というわけで注目パーツを3点ほど。

スーパーカブ110(JA44)&スーパーカブ50(AA09)用フロントキャリアタイプBクローム

画像: スーパーカブ110(JA44)&スーパーカブ50(AA09)用フロントキャリアタイプBクローム

JA44&AA09つまり現行スーパーカブ110&50用のフロントキャリア。純正はブラックしかないので、ギラギラさせたい人にはこれ。まさにかゆいところに手が届くアイテム。ベースは純正なので使い勝手、信頼性はお墨付き。



行灯 フロントサスペンション リプロ品

画像: 行灯 フロントサスペンション リプロ品

行灯オーナーのフロントサス交換には、これ。
スーパーカブに限らずたいていのサスペンションって、取り付け部はサスにタイして垂直に穴が開いてるじゃん。でも行灯はサスの伸縮方向にネジが出てる。上の方で話に出てた「行灯はフロントフォークが弱点」ってのも、要するにこの取り付け部が腐食してると大変なのね。



C100レッグシールド 白

画像: C100レッグシールド 白

C100用のレッグシールド。リプロ品なので、「純正は保管しておいて、これ付けてガンガン遊ぶ」が崎田さんのオススメ。

まとめと次回予告

旧車と言えやはりカブはカブ。正直、思ってたより身近な感じという印象。将来はどうなるかわかんないから、今が探し時なのかも。

というわけで次回は趣を変えてスーパーカブのJMCAマフラーリストなんかを作ろうかなと思ってます。

写真・文:若林浩志

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