ハーレーダビッドソン「パンアメリカ1250」車両概要
初となるアドベンチャーモデルの中に見えたハーレーの伝統
2021年2月23日1時(日本時間)、ハーレーダビッドソンがウェブ上でグローバル・バーチャル・イベントを開催、初のアドベンチャーモデル「PAN AMERICA(パンアメリカ)」を正式に公開した。
このパンアメリカは2018年の夏、ハーレーダビッドソンが将来の商品戦略について行った発表の中で、開発中のニューモデルとしてその存在が明らかにされていた。それから2年半の時を経て、ついに市販モデルとしてデビューを飾った。
パンアメリカは、ハーレーダビッドソンのこれまでのモデルたちとは一線を画した存在。その基本的なコンセプトやスタイルは、ハーレーダビッドソンが長い歴史の中で培ってきた、ツーリングクルーザーで積み重ねたノウハウを取り入れ、アドベンチャーモデルのあり方を独自に再構築して開発されたものだ。
足回りやポジション設定、ハンドガードなど、オフロードモデル的なディテールを取り入れるという点では一般的なアドベンチャーモデルとの共通点も多い。しかしゆったりとしたサイズで、しかも個性的なスタイルのボディは、細かな配慮を重ねて高い快適性をはじめ、マルチツール的な利便性の高さや高い信頼性も実現。そしてもちろん、ハーレーダビッドソンらしい個性にも溢れている。
排気量1251cc、DOHC4バルブの60度水冷VツインのRevolution Max1250エンジン。ハーレーダビッドソンのVツインの伝統を現代の技術で再構成したもので、最高出力150HPと非常に強力な上、可変バルブタイミング機構によりフレキシブルなパワー特性も実現。240kgを越える巨体を軽々と走らせる。
またパンアメリカは従来のような独立したフレームではなく、このエンジン自体を車体構造の一部として用いている。シリンダーヘッドなどに結合されたフロントフレームにフロントフォークを、そしてクランクケースに結合されるサブフレームにスイングアームとリンク式のリアサスが装着される。
パンアメリカは、快適性、利便性を実現するため、6軸IMUを中核とする最新の電子制御デバイスも搭載。ライディングモードは、スポーツ、ロード、レイン、オフロード、オフロードプラスというプリセットされた5モードから状況に合わせて選択可能。さらにライダー自身が、パワー特性やエンジンブレーキ、ABSやトラクションコントロールなどを任意で調整するカスタムモードも設定。これらの操作はTFT液晶メーターとハンドルスイッチを用いて行う。
そのほか、電子リンクブレーキ(C-ELB)、コーナリングエンハンストトラクションコントロール(C-TCS)、ドラッグトルクスリップコントロール(C-DSCS)、ヒルホールドコントロール(HHC)などでもライディングを支援する。
さらに、5つのモードを選択できる電子制御セミアクティブサスペンションを装備する上級モデルの「パンアメリカ1250スペシャル」には、アダプティブライドハイト(ARH)機能もオプションとして用意。これを使用すると、ブレーキ操作の強さに基づいてサスペンションの動きを自動的にコントロール。走行中には常に通常の車高を維持しながら、停車時にはシートの高さを下げることが可能。しかもサスペンションの動作はそのままで、ライディングモードとも連動するという。
「パンアメリカ1250スペシャル」はその他にも、アダプティブヘッドライト、タイヤ空気圧監視システム、マルチポジションブレーキペダル、ブラッシュガードやハンドガード、アルミ製スキッドプレートなどの専用装備が与えられている。
「パンアメリカ1250」の価格とカラーバリエーション
パンアメリカ・シリーズの国内発売時期は7月に決定している。スタンダードモデルのパンアメリカ1250は、ボディカラーが2色。税込価格は233万9000円(リバーロックグレー)/ 231万9000円(ビビットブラック)。
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「パンアメリカ1250スペシャル」の価格とカラーバリエーション
セミアクティブサスペンションなどが装備される上級モデルのパンアメリカ1250スペシャルは、ボディカラーに4色を用意。税込価格は278万6300円(バハオレンジ×ストーンウオッシュホワイトパール)〜273万1300円(ビビッドブラック)。
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ハーレーダビッドソン「パンアメリカ1250」の主なスペック
全長×全幅×全高 | 2265×-×-mm |
ホイールベース | 1580mm |
シート高 | -mm |
車両重量 | 245kg/258kg(スペシャル) |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒 |
総排気量 | 1252cc |
ボア×ストローク | 105×72mm |
圧縮比 | 13.0 |
最高出力 | 152PS/8750rpm |
最大トルク | 128N・m/6750rpm |
燃料タンク容量 | 21.2L |
変速機形式 | 6速リターン |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70R19・170/60R17 |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・ディスク |
まとめ:小松信夫