※撮影は3密を避けた状態で、ソーシャルディスタンスに配慮した状況で行っております。また、本記事で掲載されている走行シーンは、すべて車両走行可能な場所で撮影されたものです。
ラリーマシンだってある種のツーリングバイク。ならばバッグは重要でしょ
これまで「アフリカツインはラリーバイクがルーツである」ということを、もう幾度となく紹介してきた。NXR750のレプリカとして生まれたバイクなのだから、ラリーイメージは外せない。そこでワタクシ、ラリーバイクとしての「本質」を取り戻すためのカスタムをここまで施してきたわけなのである。
でも!ここで忘れちゃいけないのは、アフリカツインはツーリングバイクであるということ!
ラリーマシンのDNAをオフロード・ツーリングに活用するのがアフリカツインの本来の目的。そこを間違っちゃいけないのである。
というわけで、私のアフリカツイン・TYPE 38cに似合うツーリングアイテムを追加したい。
それはズバリ! バッグだ。
やっぱり、ツーリングするときは荷物をスマートに収納しておきたい。キャンプ道具やカメラ、着替えなどを入れておけるスペースの確保はツーリングバイクとして外せない「性能」のひとつだ。
ということで、早速どんなバッグがいいか考えてみる
ツーリングでの荷物の積載を考えたとき、一番簡単な方法は、リアキャリアをつけて縛ってしまうこと。でも、それじゃこのバイクの魅力である、せっかくのシュッといたリアシェイプが台無しになってしまい、もったいない。そこで、私はサイドバッグに注目したわけだ。
アドベンチャーバイクオーナーの間では、キャリアの上につけるトップケースが人気のようだが、私はそれは選ばない。理由は、ライディング性能を犠牲にしたくないから。
トップケースは重心が高くなりすぎて不安定になりやすいし、何よりオフロード走行時にお尻を後ろに引けなくなってしまう。だから私は選ばない。ただ、これはあくまで、私の個人的なライディングスタイルに合わせた上での選択の話だが。
私の場合、そこでサイドバッグが有力候補となるわけだが、同じサイドバッグでも個人的にはハードケースは避けたいところ。というのも、サイドケースはサイレンサーを避けた形状のものがほとんどで、車体より離れた位置に装着することが多い。そうなるとやっぱり重量バランスは悪くなる。
何より、転んでしまうとハードケースは簡単に凹んでしまうのも悲しい。転ぶことが前提、とも言える林道ツーリングでは、ハードケースはリスクが高い選択となってしまうのだ。
そう考えていくと、消去法でいけばソフトシェルのサイドバッグが一番わたしの使用目的に合っている、ということになる。幸いなことに、各社からアドベンチャーバイクにぴったりなソフトシェルのバッグが出ている。
ただ、私も手持ちのバッグを合わせてみたのだけれど、どうもしっくりこない。そもそも、シートの上にベルトが乗っかるのが、個人的に気に入らない。(笑)
本当に欲しいものを、ということで最後はオーダーメイドに
本当なら、ダカールマシンよろしく、リアタンクの形状を模したアルミ製のバッグをつけちゃえばいいのだろうけれど、そさすがにそれは金額的にも相当お高くなってしまう。
ここまでお金かけて作っておいて、今更金額を気にするのか?
と言われそうな気もしないでもないが、かっこよくアルミ素材でタンク風に作るとなると、今までの予算とはケタ違いの金額になってしまう。
だったらバッグメーカーにオーダーしてしまおう!
というわけで、色々模索したところ、手を挙げてくださったのが 革製品も扱うカバンメーカーの若井将紀社長。彼は無類のバイク好きで、趣味のバイク用に自分が欲しいカバンを作ろうと模索していたそうで、そこにわたしの思惑が乗っかったというわけ。
現在バイク用のバッグブランドを立ち上げようとしている所なので、いまこの時点ではブランド名すらないのだが、このバッグが完成する頃には、その全容が徐々に明かされていくことだろう。
そしてまたまたオーダーメイドが始まる…
というわけで、早速若井社長に打ち合わせと寸法取りに来ていただく。
私が要望したのは…
●ラリーバイクのリアタンク風のデザイン
●転んでも破れにくい素材
の2点。
ふむふむ…とヒゲを触りながら考えた後、寸法をとっていく若井さん。この作業自体、非常にアナログなものに見えるかもしれないけれど、なにしろ現物合わせなんだから、当然と言えば当然。
こうして、私の「TYPE38c」をツーリングバイクとしてさらに進化させるべく、バッグ作りが始まったのである!
協力:ホンダモーターサイクルジャパン、野口装美、ダートフリーク、サイン・ハウス
写真:三橋 淳
【次回予告】色々こだわり始めると止まらない三橋 淳。正直、ここまで、TYPE38cの制作にスゴくお金を使っているのですが、こだわりの結果、カバンもやっぱりオーダーメイドに。でも、確かに他では手に入らないもの、という魅力は捨てがたいかも…。さて次回は、そんなカバンのこだわりポイントをじっくりお見せしていきます。次回「究極のツーリングバッグを造る」をお楽しみに!