フロントフォークはバイクのどの部分? 役割とは?
フロントフォークとは、バイクの前側にあるフロントタイヤとホイールを挟んで左右にあるサスペンションのことです。
サスペンションは、クッションのように衝撃を吸収する役割があり、バイクの乗り味や走行安定性を決める重要な役割を果たしています。
一般的なフロントフォークは、インナーチューブとアウターチューブという2つの筒が重なっていて、その中にスプリングとダンパーという減衰力を発生させるための装置が入っています。
減衰力というのは、オイルが筒の中に空いた穴を通過するときの抵抗を利用して路面から受けた衝撃をスプリングが縮んだり伸びたりするのを緩やかに吸収させる力のこと。
この減衰力がないと路面からの衝撃を受けたスプリングはいつまでも伸び縮みしてしまい、バイクの動きに落ち着きがなくなって走行が安定しなくなってしまいます。
スプリングの強さはバイクによって様々ですが、同時に減衰力の強さとのバランスが大切なのです。
スプリングを強くすると乗り心地は硬くなり吸収性は落ちますが、軽快なハンドリングになってスポーツ性は向上します。反対に弱くすると柔らかくて吸収性は良くなるけれど、強い衝撃を受け止められなくなったりもします。
フロントフォークの種類/「正立」と「倒立」のちがい
多くのバイクに採用されている一般的なフロントフォークの種類は「正立フォーク」と「倒立フォーク」の主に2種類。もちろん例外もありますが、まずはこのふたつを知っておきましょう。
正立フォーク
メッキのインナーチューブが上、アウターチューブが下にあるのが見た目の特徴で、多くのバイクに使われている定番のフロントフォークが正立フォーク。
倒立フォーク
正立とは反対にインナーチューブが下、アウターチューブが上になっているのが倒立フォーク。もともとはレース車両の開発から生み出され、高性能なバイクに使われることが多くなっています。正立フォークよりも内部構造は少し複雑で、値段もその分高価。
フロントフォークのメンテナンスはどうしたらいいの?
内蔵されているオイルが劣化すると、減衰力が低下してしまうので、バイクショップでは10000kmに一度の整備とオイル交換を勧めていることもあります。フロントフォークを外したり分解するのは難しいものなので、バイク屋さんにお願いするのがいいでしょう。オイルは専用品のため、エンジンオイルではありません。
オーバーホール(分解と整備)にかかる費用は、一般的に中型クラスの国産車なら15000円~25000円程度。正立より倒立の方が工賃が上がる場合がほとんどです。
日々のメンテナンスとしては、外側をキレイにしておくのが効果的。インナーチューブのメッキの部分に傷ができたり、ホコリや水分で錆びてしまうと、ゴムでできたオイルシールが破れ、オイル漏れを起こす可能性があります。普段からこまめに外側を掃除しておけば、長持ちさせることにつながりますよ。
文:竹山ケンタ