マウンテンブーツをモチーフとしたマックスフリッツ「モトトレックブーツ」
いまから20年ほど前、私の学生時代に古着ブームがおとずれまして、そのとき同時に流行ったのがワークブーツやマウンテンブーツでした。
オールドスタイルなマウンテンブーツを古着屋やフリマで手に入れて、磨いたり、靴紐の色を変えたりして、楽しんでいたのは懐かしい思い出です。

こちらはマウンテンブーツの老舗・ダナーの名作「マウンテンライト」。こんな風に赤い靴紐にするのが流行りました。
ただ革製の昔ながらのマウンテンブーツでバイクに乗ると、不具合を感じることも。ひとつは、フィット感を高めるために靴紐がつま先近くの部分まで配されていること。
シフトチェンジのときに靴紐が当たってしまい、危ないんです。しかも靴紐はすぐにボロボロに。
もうひとつの欠点は、重たい製品が多いこと。頑丈さは魅力なのですが、ツーリングスポットでバイクを降りて歩くときに、しんどいんですよ。登山だったらいいんでしょうけどね。
「バイクには向いてないな」と思ってから、十数年。2021年の新製品としてマックスフリッツが発売した新作ブーツは、そんなオールドスタイルのマウンテンブーツをモチーフとしたものでした。

Max Fritz モトトレックブーツ
税込価格:42900円
カラー:ブラウン、ブラック
サイズ:25.5~28.5cm(1cm刻み)
※レディス用は仕様や革が異なり、税込29700円
ひと目見て「これは!」と衝撃が走りました。
シフトチェンジで使う甲部分にパッドが配されています。手に取ってみると、予想していたよりもだいぶ軽い!

もちろん表皮は本革。メンズモデルは、デンマークのECCO社製の撥水オイルレザー(牛革)が使われています。
構造的に簡単には雨水が染み込まない工夫も施され、ロングツーリングでも安心できそう。

ソールはビブラム社のタンクソール。グリップ力が高く、踏ん張りがきき、雨の日のバイクの取り回しも安心。林道など未舗装路を歩くときもしっかりと地面を噛みます。

かかとからつま先まで一体のソールを採用。かかと部分のソールの厚みは実測で約35mm。スニーカーなどと比べると足つき性&グリップ力は格段にアップするでしょう。
履き心地もいい感じで、本革ブーツとしてはかなり歩きやすい。はじめは革の硬さを感じたものの、一日履いていたら馴染んできて、1週間後には、自分の足にすっかりフィットしました。海外ブランドの細身のブーツと異なり、幅が広めなのもありがたいです。
革靴はものによって、クッション性の高い中敷きをインサートしないと痛くて履けないものもありますが、このブーツはそのままでイケます。

バイクでの操作性も良好で、しっかりとシフトペダルに触れている感覚がありながら、甲はまるで痛みません。
機能は文句なく、製品名の「モトトレックブーツ」のとおり。バイクに乗りやすく、歩きやすい。

ちなみにサイズは少し大きめにできているよう。筆者は普段27.0~27.5cmの靴を履いているのですが、このブーツは26.5cmをチョイス。それでもちょいとゆるめ。
そしてやっぱりデザインが大事。
靴、とくにブーツは「ものとして単体で見てかっこいいこと」が個人的に大切なポイントだと思っています。自宅の玄関に何気なく置かれているブーツを見て「かっこいいなぁ」と頬がゆるんじゃう。そんなブーツが私にとっての理想です。
「モトトレックブーツ」は、マウンテンブーツのテイストを取り入れながら、マックスフリッツならではの気品が漂っています。

このブーツを初めて見たときに思った「これは!」には続きがあります。
「これは! ……キャンプツーリングにぴったりすぎるのでは?」
まだキャンプはできていませんが、機能面・デザイン面ともにその直感は間違いないと確信しています。

マックスフリッツ製のパンツとの相性はもちろん、ジーンズやカーゴパンツ、チノパンなどさまざまなパンツとも合わせやすく、普段使いもばっちり。
お値段は安いものではありませんが、ツーリングが好きな人には、選択肢のひとつとして有力だと思います。下駄箱や玄関に置かれたモトトレックブーツ、それを見ているだけで旅に出たくなるはずです。

履き出して約1カ月後、ツーリングに出かけました。旅先でけっこう汚れちゃったのですが、汚れてもそんなに気にならないし、少し汚れているくらいが逆にかっこよく見えちゃう。そういった面でも旅ブーツとして優秀です。
文:西野鉄兵/写真:西野鉄兵、岩瀬孝昌