近年流行の150~160ccクラスのオートバイ。原付二種なら維持費を安く抑えられるが、この排気量帯には高速道路を走れること以外にメリットはあるのだろうか。125ccもラインアップする「NMAX」の155ccモデルで、約1週間352km走ってみて分かったことをお伝えします。

ヤマハ「NMAX155」各部解説〈使い勝手をレビュー〉

足つき性は良好

シート高は765mmで、身長177cm体重82kgが跨ると両足かかとベッタリ状態。緩やかに段差のついたシートは、ソロ部分でも前後幅に余裕を持たせ、前部分では横幅が狭められ足出しがしやすくなっている。


スクリーンの効果はイマイチか

画像: スクリーンの効果はイマイチか

小顔を印象つけるショートスクリーンは軽快感とスッキリとした外観を演出するも、高速道路走行の需要が多い方は、物足りなさを感じるかもしれない。


ブレーキには前後ABSを搭載

画像1: ブレーキには前後ABSを搭載

前後共13インチのワイドタイヤを装備し、ブレーキは片押し1ポットキャリパー採用のディスクブレーキ、そしてABSを標準装備となっている。

画像2: ブレーキには前後ABSを搭載

ヤマハ原二シリーズ共通のサイレンサーカバーデザインが特徴的なマフラーは、静粛性に優れている。リアのツインショックはほぼ垂直にセットされ、高負荷に耐えうるセッティングが施される。リアブレーキはフロント同様にディスクブレーキを採用。


力強さを持つエンジンは燃費もそこそこいい

画像: 力強さを持つエンジンは燃費もそこそこいい

「走りの楽しさ」と「燃費・環境性能」の両立を高次元で具現化させる、ヤマハ独自のエンジン設計思想“BLUE CORE(ブルーコア)”に基づき開発された、水冷単気筒155ccエンジン。可変バルブ機構を始め、アルミ鍛造ピストンやオールアルミ製シリンダー等々、スポーツモデルのエンジンに匹敵するマテリアルと機構を採用し、環境性能と力強さを両立させている。

通勤期間中に計測した燃費は29.3km/Lだった。


センタースタンドを標準装備

画像: センタースタンドを標準装備

スタンドはセンタースタンドとサイドスタンドを装備。センタースタンドは、必要最低限の車体リフト量でスタンド掛けを容易にしている。パーキングブレーキは備わっていない。


シート下に入るヘルメットは限られている

画像: シート下に入るヘルメットは限られている

シート下トランク容量は24L。モデルによってヘルメットも収納可能となっている。上の写真で収納内前方に備わっているのは後付けのETC車載器。

画像: ちなみに、アライヘルメットの「XD」(フルフェイス)と「VZ-ラム」(ジェット)が入るか試してみたが、いずれも入りきらなかった。

ちなみに、アライヘルメットの「XD」(フルフェイス)と「VZ-ラム」(ジェット)が入るか試してみたが、いずれも入りきらなかった。


シンプルに見えて機能が豊富なメーター

画像: シンプルに見えて機能が豊富なメーター

モノクロ液晶デジタルメーターには、速度、オド&タコメーター、燃料計、時計などをまとめ、コーションランプなどのインジケーターランプを周囲に配置する。またセレクト機能により、アベレージ燃費やリアルタイム燃費、エンジンオイルトリップメーター、Vベルトトリップメーターも表示。さらに、速度ゲージに対で瞬間燃費を示すゲージも装備している。


給油口は直接キーを挿し込むタイプ

画像: 給油口は直接キーを挿し込むタイプ

給油口はフットボードのセンターに配置。キャップは、直接キーを挿し解除する独立タイプ。給油時は、深さが浅い右側のフロントポケットに置くのがおすすめ。


広々としたフットボード

左右独立したフットボードは、せり上がったフロント側とフラットなリア側。フロントに足を乗せると、制動時の減速Gを自然と受け止めるカタチになるので、上半身はリラックスした状態をキープできる。ストップ&ゴーが繰り返される街乗りでは、常にフロント側に足を乗せていた。


イタズラ防止のキーシャッター付き

シート下トランクの解鍵も兼ねるキーボックス。イタズラを抑止するシャッター機能は、鍵穴左側のボタン押すのみの簡単操作。キーシャッターのオープンは、キー後端のマグネットシャッターキーを鍵穴右側のソケットに挿し込み回す。


シートは快適で自由度も高い

画像: シートは快適で自由度も高い

立体的に形成されたシート形状は、あらゆる走行シチュエーションにおいて快適な座り心地を提供する。広範囲に及ぶソロ部分は、自由度が高く足つき性も考慮したデザインとなっている。

ヤマハ「NMAX155」主なスペックと価格

全長×全幅×全高1955×740×1115mm
ホイールベース1350mm
最低地上高135mm
シート高765mm
車両重量128kg
エンジン形式水冷4ストSOHC4バルブ単気筒
総排気量155cc
ボア×ストローク58.0×58.7mm
圧縮比10.5
最高出力11kW(15PS)/8000rpm
最大トルク14N・m(1.4kgf・m)/6000rpm
燃料タンク容量6.6L
変速機形式Vベルト無段変速
キャスター角26゜
トレール量92mm
タイヤサイズ(前・後)110/70-13M/C 48P・130/70-13M/C 57P(前後チューブレス)
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格38万5000円(消費税10%込)

文:山口銀次郎/写真:西野鉄兵

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