圧勝、順当、横綱相撲――。これ以外に当てはまる言葉がないくらい、中須賀克行がきょうのレース2も優勝! 鈴鹿2&4でWウィンを達成し、これで開幕から2戦4レース連勝を飾ったレースになりました。

画像: 序盤数周、こんなオーダーで、まずトップ集団は4台!

序盤数周、こんなオーダーで、まずトップ集団は4台!

レースはきのうのレース1のリプレイなような出だしでした。スタートは清成龍一がホールショットを決めて、その後方に濱原颯道、岩田悟をおいて中須賀。中須賀の「最初は様子を見ながらトップの後方につけて、トップ争いの台数を減らしながら、終盤にトップへ!」な作戦が発動です。

もちろん、逃げる清成もそんなこと先刻承知で、逃げる逃げる。開幕戦のレース2こそマシントラブルでリタイヤしましたが、逃げ切ったら優勝、つかまったらそれまで、っていうのがここまでの2戦4レースってわけです。

画像: 濱原がオーバーランでポジションを下げると、3番手の亀井も遅れ始めてトップ争いは2台

濱原がオーバーランでポジションを下げると、3番手の亀井も遅れ始めてトップ争いは2台

そしてレース序盤は、清成に濱原がくっついて、何度かトップへの扉をノック。それでも清成はトップを譲ることなく、中須賀はその頃3番手につけています。その後方に岩田、亀井雄大、加賀山就臣、秋吉耕佑、日浦大治朗、名越哲平、國峰啄磨がつけるオーダーです。
ここから中須賀の目論見通りにトップ争いの台数が減っていき、集団と呼べるのは清成、濱原、中須賀、亀井といったあたり。この中から濱原が1~2コーナーでオーバーランを喫し、トップ集団は清成×中須賀、少し離れて亀井、という展開。ここからトップふたりが3番手の亀井以下を引き離し、一騎討ちに持ち込みます。

画像: で、清成のお尻をつつくつつく!

で、清成のお尻をつつくつつく!

それからの数周は、前に出したくない清成と、真後ろにピタリとつけてしかるべき時に抜く、という中須賀の神経戦。上写真のようにビタビタの接近戦で、こんなバトル、お互いの信頼がないととてもできないテールtoノーズ。最後には中須賀が前に出てスパート。最終的には5秒0の差がついての中須賀優勝、清成2着、そのふたりから10秒遅れで亀井がJSB1000初表彰台となりました。

画像: レース中盤からペースの上がらなかった濱原をかわすスポット参戦の日浦

レース中盤からペースの上がらなかった濱原をかわすスポット参戦の日浦

画像: タイムは出るけど結果を残せていなかった名越が6位入賞!

タイムは出るけど結果を残せていなかった名越が6位入賞!

画像: 生形はこの集団のバトルを勝ち抜いての10位フィニッシュでした

生形はこの集団のバトルを勝ち抜いての10位フィニッシュでした

その後方では、一度オーバーランをしてからリズムが狂ったか、濱原がトップ3人に追いつくことはなく、後方から追い上げのレースをしていたチームメイト、日浦の先行を許して日浦4位、濱原5位、6位には岩田、加賀山とのバトルを制して名越、加賀山7位、岩田が8位、9位に秋吉、10位には児玉勇太、関口太郎に競り勝った、スポット参戦の生形秀之が入りました。

画像: 2戦4レース全勝の中須賀 勝ち方、ほぼ同じ展開にハメての「必勝パターン」です

2戦4レース全勝の中須賀 勝ち方、ほぼ同じ展開にハメての「必勝パターン」です

「きのう心配していた通り、きょうはF3(スーパーフォーミュラライツ)が走った後のレースだったので、ちょっとグリップが出なかったのと、風が強かったので、きのうはアクセル開けて前に進んだポイントで前に出なかったりと、けっこうコンディションがたいへんでした。でも、レースはずっと清成選手の後ろについて、止まりにくそうにはらんでターンインしてた2コーナーで仕掛けられました。前に出てからはタイヤを全部使い切きっちゃうかんじで走りました。勝ってよかった」と中須賀。

画像: 中須賀と清成、年齢はひとつ違いで、いろんなキャリアを経ていま全日本で戦っています

中須賀と清成、年齢はひとつ違いで、いろんなキャリアを経ていま全日本で戦っています

「きょうもスタートは決まったんです。ホールショット賞を作ってほしくらい(笑)。昨日は僕、鈴鹿が苦手だって言いましたが、実は風が強い日も苦手で、全然タイムが上がらないレースでした。がんばってもリラックスしてもタイムが変わらない……。いやぁ中須賀さん、強いや。今日のことをしっかり確認して次頑張ります。悔しいけどうれしい2位でした」と清成。
中須賀の勝ちパターンともいえる終盤まで前に出して、最後に抜く、って形にハマったけど、逆のことは考えないの?って聞いてみました。
――先行して、最後にヤラれる、ってパターンにはまったけど、逆に先に中須賀君を前に出して後追いってパターンの戦略をとることはない?
清成「僕に余裕があればそうしたいんですけど……。今はそこまでの余力がないです。それくらい今回は乗れてなかった。スタートで前に出て、そのまま全力で走るだけです」と清成。

画像: いtもの顔ぶれに加わった亀井(右) これから表彰台の常連になるかも!っていう若い力です

いtもの顔ぶれに加わった亀井(右) これから表彰台の常連になるかも!っていう若い力です

今はそこまでの余力がないってマシンが仕上がってないってこと?って水を向けてみましたが、そうじゃなく、自分が乗れてなかった、という清成。
けれど、清成ほどの実力者が、こんなに同じパターンでやられるってことは、まだまだマシンの面でもやることがあるんだろうなぁ、と思った鈴鹿2&4でした。

これで2戦4レースを消化して、次の第3戦スポーツランド菅生大会は5月22-23日。ここでもJSB1000クラスは2レース、他ST1000、ST600、J-GP3、それにJP250も行なわれます!

画像: <全日本ロードレース>中須賀完勝 これで2戦4連勝!
~2位に清成 3位にJSB初表彰台の亀井雄大!

写真・文責/中村浩史

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