ヤマハ「YZF-R7」の特徴
各部の改良でスポーツ性を強調! 2021年冬以降には日本でも発売される予定
「Fun Master of Super Sport」というコンセプトで開発された「YZF-R7」。その基本メカニズムは、スタンダードなミドルスポーツネイキッドとして高く評価されている「MT-07」をベースにしている。その優れたトータルバランスを下敷きにして、最新スーパースポーツらしい先鋭的でレーシーなスタイルと、スポーティさを強調したハンドリングを実現。
サーキット志向の強いシリーズの最高峰「YZF-R1」や「YZF-R6」とは毛色が異なり、幅広いレベルのライダーがスポーツライディングを楽しめるような、250ccクラスで人気の「YZF-R25」と良く似た「扱いきれるスーパースポーツ」という位置付けのモデルだ。
とはいえ「YZF-R7」は、単に「MT-07」をフルカウル化したモデルというわけではない。
270度クランクを採用した、扱いやすくスポーティな689cc水冷並列2気筒のCP2エンジンは、2次減速比(スプロケット設定)をややロング化。「MT-07」系エンジンでは初めてアシスト&スリッパークラッチも採用された。
フレームも「MT-07」と同じスチール製の基本骨格に、アルミ製のセンターブレースを装着して剛性を向上させている。正立だったフロントフォークも倒立となり、リアサスも「YZF-R7」用にセッティングを大幅に変更。ブレーキもラジアルマスターシリンダー、ラジアルマウントキャリパーと、スーパースポーツにふさわしいハイスペックなものにアップグレード。
フルカウルは「YZF-R1」が持つRシリーズらしいイメージを与えられた。スリムなエンジンやフレームを活かした非常にコンパクトなもので、空気抵抗も小さく抑えられている。
ポジション設定も、セパレートハンドル化などの改良を受け、マシンとの一体感を感じやすいホールド性に優れるものとなった。これらの改良の結果、「YZF-R7」は日本国内での発売が待ち遠しくなる、魅力的なスーパースポーツとなっている。
気になる価格だが、アメリカでのメーカー希望小売価格は8999ドル。参考までに5月19日現在のレートで日本円換算すると約98万円となる。
ヤマハ「YZF-R7」(EU仕様)の主なスペック
全長×全幅×全高 | 2070×705×1160mm |
ホイールベース | 1395mm |
シート高 | 835mm |
車両重量 | 188kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 689cc |
ボア×ストローク | 80×68.6mm |
圧縮比 | 11.5 |
最高出力 | 73.4PS/8750rpm |
最大トルク | 6.8kgf・m/6500rpm |
燃料タンク容量 | 13L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 23°40′ |
トレール | 90mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・180/55ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ298mmダブルディスク・Φ245mmディスク |
まとめ:小松信夫