環境意識の高まりの中で、バイクの電動モデルも注目を集める
昨今、四輪を含めたモビリティのカーボンフリー社会について様々なニュースや意見がネット上でも議論されているが、世界的な動きに向き合う必要があることも事実。
そんな中、小池都知事が都内のガソリン車の新車販売を「バイクは2035年までにゼロを目指す」と掲げた。その目標に対し、近距離配送業務を行う関係各社にとっては深刻な問題となる可能性があるいま、ホンダは電動スクーターの「ベンリィe:」に続くビジネスシリーズとして電動3輪スクーターである「ジャイロe:」を2021年3月25日、法人向けに発売した。
ベンリィe:と同じパワーユニットを搭載しており、スロットルを開けた分だけリニアに前進する。この電動スクーターの特徴は、積載時や坂道発進で、とても心強い。さらにジャイロe:では、荷物を積み下ろしやすい低床リヤデッキと、後ろ2輪の安定性が組み合わさり、配送業者の強い味方になることだろう。
現在、国内二輪メーカー4社が交換式バッテリーシステムの相互利用を可能にして利便性を高め、電動二輪車の普及を目指している。しかし、一般普及するまでには航続距離の課題や充電インフラの整備も必要で、まだ原付一種・二種の利便性には届いていないのが現実だ。
海外メーカー各社からもさまざまなモデルが発売されてはいるが、ホンダは昔からビジネス用途の「働くバイク」としての利便性と真摯に向き合ってきた経験があるからこそ今後の展開に期待したい。
ホンダ「ジャイロ e:」の特徴
主なスペック
【全長×全幅×全高】1945×710×1030㎜
【ホイールベース】1360㎜
【シート高】710㎜
【車両重量】141㎏
【最大積載】30㎏
【原動機種類】交流同期電動機(EF13M)
【定格出力】0.58kw
【最高出力】4.4PS/5800rpm
【最大トルク】1.3㎏-m/2300rpm
【バッテリー】リチウムイオン
【充電時間】約4時間
【一充電走行距離】72㎞(30㎞/h定地走行)
【タイヤサイズ 前・後】90/90-12・130/70-8
文:竹山ケンタ/写真:稲垣正倫