BMW新型「S 1000 R」の特徴
4タイプを用意、6月18日に発売をスタート
BMWのロードスターモデルである「S1000R」は、すでにフルモデルチェンジされた2021年モデルが海外では姿を現していた。大幅なポテンシャルアップを果たし、日本での発売が待ち望む声も多かった。そしてついに、2021年6月18日から新型「S1000R」が、BMWモトラッド正規ディーラーから発売されることが正式に発表された。
2014年にデビューした「S1000R」は、スーパーバイクレース参戦を睨んで開発されたスーパースポーツ・S1000RRをベースにした、ハイパフォーマンス・ロードスター。日本への上陸間近な新型「S1000R」は、2019年に大幅なモデルチェンジを受けてエンジンやフレームを一新した現行のS1000RRをベースにした第二世代モデルとなる。
基本的なメカニズムが同一であるため、スタイリングやポジション設定といった面でも、S1000RRの面影は残っている。しかしフルカウルよりシンプルかつコンパクトでありながら、強い個性を感じさせる専用デザインのフロントマスクやシュラウドによって、ダイナミックなイメージの先鋭的ネイキッドスタイルに仕立てられた。
スリムで軽量なフレックス・フレーム、吊下げ式のスイングアームを採用した軽量サスペンションなどもS1000RR同様。ライダーの膝回りがスリムで動きの自由度が高く、リラックスしたポジションが得られることも受け継がれた。
S1000RRではセパレートタイプだったハンドルは、ネイキッドらしくアップライトなバーハンドルに変更されてさらに上半身の自由度を高め、切れ角も大きくなって扱いやすさを増している。
ライダーの好みや体格に合わせられるように、ハンドルバーの位置は2段階に調整可能。シート高は標準で830mmだが、オプションで810mmのローシート、850mmのハイシートも用意されている。
搭載されているエンジンも最新スペックのS1000RR用がベース。その最高出力207hpというサーキット重視のパワー特性を、新型「S1000R」では公道向けにリファイン。最高出力は165PSにまでダウンされたが、80Nmという太いトルクを3000回転で発生するフレキシブルな特性を与えられ、スムーズさ、扱いやすさをプラス。
ミッションのギア比の4〜6速をロング化して騒音を低減し、燃費も向上。アンチホッピングクラッチやエンジン抗力トルク制御(MSR)も装備して、十分にパワフルな走りを堪能できる。
電子制御デバイスも新開発の6軸センサーで制御される最新スペック。レイン、ロード、ダイナミックの3モードを選べるライディングモードは、細かなパラメーターのセッティングも可能なダイナミック・プロモードまで備える。スーパーバイクレースのノウハウを生かしたダイナミック・トラクション・コントロールや、バンク角最適化機能などで高機能化されたABS Proも標準装備し、あらゆる状況で安心して高性能を引き出せる。
十分な明るさを持つLEDヘッドライトをはじめ、ウインカーやテールランプもLED。6.5インチのカラーTFT液晶メーターもS1000RRと同じものを採用し、Bluetoothによるスマートフォンとの接続インターフェースも標準装備。日本向けモデルではETC2.0車載器も搭載するなど、街乗りやツーリングでの利便性も高いレベル。
BMW新型「S 1000 R」の価格
日本国内向けの新型「S1000R」は4タイプを設定。スタンダードモデルのほかに、USB充電ソケットからアダプティブヘッドライトまで、装備を充実させた「プレミアム・ライン」、鍛造ホイールやスポーツサイレンサーを備えたスポーティバージョンの「Mパッケージ」、そしてこの2モデルをミックスした最上級バージョン「プレミアム・ラインMパッケージ」となる。
新型「S1000R」の税込価格はスタンダードモデルが178万円、「プレミアム・ライン」が198万7000円、「Mパッケージ」が214万3000円、「プレミアム・ラインMパッケージ」が235万円。ボディカラーにはレーシング・レッド、ライト・ホワイト/Mモータースポーツ、スタイルスポーツの3色が用意されている。
新型BMW「S1000R」の主なスペック
全長×全幅×全高 | 2090×812×1115mm |
ホイールベース | 1450mm |
シート高 | 830mm |
車両重量 | 199kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 999cc |
ボア×ストローク | 80×49.7mm |
圧縮比 | 12.5 |
最高出力 | 165PS/11000rpm |
最大トルク | 114Nm/9250rpm |
燃料タンク容量 | 16.5L |
変速機形式 | 6速リターン |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70R17・190/55ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | φ320mmダブルディスク・φ220mmディスク |
まとめ:小松信夫