ホンダCRF1100Lアフリカツインとのバイクライフを楽しむ三橋淳さん。今回は、MotoGPの解説でもおなじみの宮城光さん、サスペンションチューニングの「テクニクス」代表・井上浩伸さんとのツーリングレポートをお送りします。
以下、文・写真:三橋 淳

宮城光さんとの出会いは大鶴義丹さんのイベントでのこと

「三橋さん林道行きましょう!」

力強い声と眼差しで迫るように声をかけていただいたのが、宮城光さん。そう、MotoGPの解説でお馴染みの、走るマシンガントークのあの宮城さんだ。

宮城さんといえばロード畑のお方。オフなんて興味があるのかと思ったら「何をおっしゃいますか三橋さん! 僕はね、最近オフロードに目覚めましてね。なんていうんですか、オンロードと違って、速く走らなくても楽しいんですよ。それがいい! この歳になるとね、無理して飛ばしたって危ないだけ。のんびり自分のペースで走っても、操る楽しさを体験できるのがいいんですよ」

画像: ▲向かって右が原田哲也さん、中央が宮城光さん、左が私 三橋淳。

▲向かって右が原田哲也さん、中央が宮城光さん、左が私 三橋淳。

上の写真はとあるイベントでの一コマ。原田哲也さんとも林道ツーリング行こうって約束したんだけど、いまだに実現せず。

宮城さんとはそれまでイベント会場でお話ししたことがある程度だったのだけれども、大鶴義丹さんと宮城さんのトークライブイベントがあって(今はもう開催されてない)、そこにゲストとして呼ばれた時にきちんとお話しさせていただいたのが最初。

それまでは、業界の重鎮というか、睨みの効かせっぷりが半端なくて、怖いおっさんだなー。ちょっとでも気に入らないこと言うとめちゃくちゃ言われそうだなぁなんて勝手なイメージを抱いていたんですよ。ここ本人も読むでしょうがあえて語るとね。実はそうだったんですよ。

画像: ▲以前に開催された大鶴義丹さんのイベント。

▲以前に開催された大鶴義丹さんのイベント。

でも義丹さんらと一緒に林道ツーリングに行ったのが1年以上前かな。なんとまぁ気さくなオッサンなんでしょう! マシンガントークはMotoGPと全く同じなんですが、陽気な人だし知識も豊富だし、話すとこれが面白い。テレビのまんまです。

義丹さん曰く「宮城さんは確かに難しい人なんですけど、それはバイク愛が強いんですよ。強すぎて溢れ出してしまって、それが受け止められない人には狂気なんです。だから三橋さんのようなバイク大好き人間にはとっても優しいですよ」

ああなんかわかる気がする。まぁ私も面倒臭い部類に入る人間ですからね。同じ熱量がないとダメな時ってありますよ。わかります。

で、そんなわけで仲良くなりまして、そのあと2人で行ったお気に入りの林道をご案内しましたらね、宮城さんたいそう気にいってくれましてね。

「三橋さん! また連れてってください!」

とあいなったのです。

画像: ▲去年のツーリングの一コマ。もうずっと走りっぱなししゃべりっぱなしで、ほとんど写真ないです。

▲去年のツーリングの一コマ。もうずっと走りっぱなししゃべりっぱなしで、ほとんど写真ないです。

林道ツーリングは5人以下と決めている

今回は宮城さんのお友達もご一緒したいと言うことでグループでの参加となったけど、一つだけ条件をつけました。グループメンバーは最大5人まで! 大勢で林道ツーリングしたくないのが私のスタイルだからです。

理由づけは2つ。

理由① 林道を大人数で押しかけたくない

そもそも林道は普段一通りが少ない場所。林道に入って仕舞えば誰もいなけれども、その麓には集落があって、そこを大人数のバイクが通過するのはそれは地元の方々がびっくりするでしょう。なんだこの集団は! って怖がられたくない。

実際ツーリングイベント開催するときは、ルート上のおうちに挨拶回りして、バイクが通りますので申し訳ありませんがよろしくお願いしますとお声がけしているくらいだ。

理由② インカムが綺麗に届く人数

私が使っているのはサインハウスのB+COM。これは最大6人までOKなのだが、きちんと安定した会話ができるように5人までにしている。

このインカムがあるとないとではグループツーリングは大違い。ぜひお勧めしたいアイテムだ。

画像: ▲私が使っているヘッドセットはサインハウスのB+COM SB6X。

▲私が使っているヘッドセットはサインハウスのB+COM SB6X。

この2つの理由から5人までのグループで行くことになったのですが、これが行く前に一悶着ありまして。というのも、本来は日帰りツーリングの予定だったのです。

が、私は基本暇人なんで、温泉で前泊しまーすと、グループチャットで呟いたら、どうせなら私もそれに参加したいと言い出したのが、サスペンションチューニングメーカー「テクニクス」代表の井上さん。じゃあいい温泉がありますよとその話に宮城さんが乗っかり、前日から温泉に行くのであれば2デイズのツーリングにしちゃえ! となり1泊2日の温泉林道ツーリングとなったわけです。

あとの2人は真っ当な社会人だからそんなに休みが取れませんよというわけで、当初の予定の2日目合流ということでメンツは次回紹介するとして、私、宮城さん、井上さんの3人で走り出すことになったのです。

林道ツーリング開始! ビッグバイク3台で走る

前置きが長くなりましたが、いよいよツーリング開始です。今回のルートは山梨県韮崎をスタート。長野県に北上して林道を堪能し、浅間山の西側にある湯の丸高嶺林道のダートを走り抜けた先にある高峰温泉に泊まろうというもの。2日目は初日走りきれなかった林道を南下しながら走破して、再び韮崎に戻る作戦だ。

朝9時に韮崎のあるデニーズで待ち合わせて朝食がてら顔合わせ。そう、私、井上さんとは初対面なのです。こう見えて私、人見知り激しいもので、井上さんにはかなりそっけない態度で接しながら出だし。天気は不安定ながらも陽が差すまずまずの天気。すぐさま林道に突入です。

画像: 林道ツーリング開始! ビッグバイク3台で走る

3人ともB+COMでつながっているので会話しながら後ろの距離を測りつつペースを管理。離れすぎちゃうと電波届かなくなるから、そうすると自然とペースを落として調整する。話せるってほんといいね。

「ところで宮城さん、今年のマルケスはどうなりますかね?」
(まだマルケスが復帰してない時期でした)
「これはね、面白いですよ。復帰してパッと勝ってしまうか、それとも苦戦するか、でシーズンガラリと変わりますからね」
「宮城さんどう思います?」
「そりゃぁね●▲■※~♪」

いやぁ、まるでmotoGPの有料チャンネル聴いているような内容ですよ! ここではもったいなくて語れません。もうそれだけで私にとっては贅沢なツーリングです。

「ところで三橋さん、林道どうやったら上手く走れますかね。いや~リアタイヤが流れちゃうんですよ。コーナーでズズッと」
「そりゃアクセル開けすぎなんですよ」
「え、開けすぎですか?!」

大先輩の宮城さんにアクセル開けすぎだと偉そうに何講釈たれてんだって自分でも思うこの返し。しかも、本当にアクセル開けすぎなのかどうかなんて、見てないんですよ。だって後ろ走ってんだもの。

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