バイクでスマホを充電してて、意外と充電されてないこと、あるよね?
ツーリングでスマホナビはもはや定番アイテムだけど、長い距離を走るとバッテリーが不安。
そこで便利なのがバイクのバッテリーに繋ぐUSB充電アイテム。
もちろんスマホに限らずなにかと重宝するよね。
でも、走ってて「意外と充電されてないなー」ってことないですか?
最近のスマホは高性能化が著しいわけで。それにともなって必要電力も増えてくるので充電能力にもこだわらないといけないのよね。
で、要注目なのが、PD規格。
PD(PowerDelivery)規格とは
これまでもメーカー独自の高速充電規格ってのはあったんですよ。ANKERのIQとか。
じゃあPD規格ってのはなにかっていうと、USB規格の仕様策定をしてる非営利団体「USB-IF(USB Implementers Forum)」による統一規格がPD規格。
これまでのUSB充電と比較して、電力供給能力や安全性、互換性などメリット盛沢山っていうもの。で、将来的にはスマホからノートパソコンまでいろんなACアダプタをPD規格準拠にすることで、統一できちゃうっていう、壮大なシロモノなのよ。
PD規格は高出力で充電速度が早い
従来のUSB TYPE-A充電では、通常で最大4.5w※まで対応してたんだけど、PD規格のTYPE-Cだと規格上限が100w※。なんと20倍ですよ。しかも将来的には48V 240Wまで拡大されるとかなんとか。そこまでいくとパソコンも充電できちゃう。
※USB-IFの急速充電規格であれば最大25w。またメーカー独自規格で100w近い出力を出すものもあるけど、あくまでもメーカー独自規格なので注意。
とはいえ、あくまで規格上の上限というだけで、現状では18w-20wくらいが主流。
もちろん、USB TYPEーAの急速充電規格も素手に所有してるUSBケーブルを活用する意味でもすてがたい。とはいえ、流れ的にはTYPE-Cに移行していこうって感じなので、長期的にはUSB TYPE-Cで色々そろえておくのがお得ってワケ。
USB Type-C PDの規格上限出力 | 最大100W | 20V/5A |
デイトナPD3.0対応USB | 最大18W | 5V/3A、9V/2A、12V/1.5A |
USB 3.x系(標準的USB規格) | 最大4.5W | 5V/0.9A |
iPhoneとかでも、これまでAC側がTYPE-Aだったのが、TYPE-Cに変わってますよね。あれもPD給電に対応するため。
iPhoneだけじゃなくiPadとかも同じACでいけるよう、互換性の向上も狙ってると思われます。
PD規格は安全性が高い
PD規格であるUSB PD3.0のオプション機能として、PPS(Programmable Power Supply)とC-AUTH(USB Type-C Authentication)ってのがあるのよ、これ超大事。前者は充電時の電圧などを細かく制御して発熱とかを抑える技術。後者は、認証取得機器を判別することで、認証外の粗悪なケーブルなどを経由した通電をカット。品質不良による発火などの危険を避けてくれるもの。
とはいえ、使用上はそんなことまで意識することはないかも。とりあえずPD3.0対応であれば、これまでのUSB充電より安全性が高いってことね。
PD規格は互換性も高い
最初にちょっと触れたけど、PD規格のメリットとしては、ACアダプターの共通化というのも非常に大きいのよ。
規格統一することによって、今後スマホやパソコンとかも同じACを使えるようになるという案配。特にノートパソコンなんかは、機種ごとに独自のACアダプタだったから、共通化の恩恵はでかいのよ。
というわけで、これからのUSB給電の基本はPD規格を避けては通れないのよ。でも、バイクに取り付けるUSB充電装置は、ほとんどがTYPEーA。
じゃあ、バイク用でPD給電できるアイテムはないの?って思いますよね。
あるんだなこれが。
PD対応アイテム5種
デイトナからラインナップされてるこの5アイテム。いずれもPD3.0対応なので、充電速度はもちろん安心感も抜群。最新スマホもバリバリ充電できるぞ。
デイトナ マルチバーUSB [品番:17675]
22.2mm、いわゆるミリバーのバーマウントとUSB電源をひとまとめにしたアイディア商品。どう考えても便利な予感しかしない。
デイトナ バイク専用 USB電源[品番:17213]
スタンダードなUSB電源。TYPE-Cなので、装着場所を選ばないコンパクトな仕上がり。
デイトナ バイク用 USB電源 スレンダー[品番:17214]
スレンダータイプは、ハンドルスイッチの横にさりげなく装着できるぞ。ハンドル周りは他の配線もあるので、それらに這わせることで配線処理も楽そう。
デイトナ バイク用 USB電源&電圧計[品番:17239]
USB電源と電圧計が一体化したタイプ。バッテリーの状態をモニターできるのは、実はすごく便利なのよね。シンプルなデザインもありがたい。
デイトナ バイク専用電源 USB Type-C[品番:15644]
徹底したコンパクトっぷり。通常はメス端子になってるんだけどこれはTYPE-Cのオス端子。バイクから直接充電ケーブルが伸びてるって感じ。これは便利ですよ。
で、上の「バイク専用電源 USB Type-C」。iPhoneにはちょっと使いにくいよね。でも大丈夫、「バイク専用電源 Lightning」もラインナップされてる。抜かりないね。
PD3.0ではないけれど、18wの急速充電に対応してるぞ。
実際に装着&給電してみよう
というわけでさっそく装着ゥー。
カブ90にTYPE-C電源を装着してみるよ。
あと、せっかくなのでハンターカブにマルチバーUSBを取り付けちゃおう。
さらにスレンダーUSBをハンターカブのハンドルにも付けてみようかな。
スーパーカブ90にUSB TYPE-C電源を装着するぞ
付属の端子を使ってフロントブレーキスイッチに割り込ませるのが一番簡単。
なんだけど、自分のカブは端子形状が違うので、ウィンカーリレーから取りました。
すでにウィンカーリレーからのプラス線を分岐させてあるのでそれを利用。
付属のオス端子と自分の使ってたメス端子のサイズが合わなかった。つい、ペンチで締めてごまかしたくなるけど、なにせ電気で適当なことすると危険だし、充電不安定だと元も子もないので、ギボシ付け替え。
ゆうて作業としては簡単だし。ちなみに今まではホームセンターで購入した980円くらいの電工ペンチを使ってたけど、こないだCubyさんに教えてもらって電工ペンチミニというのを購入。
これ、すごく良いよ。コンパクトだし、見た目がカッコ良い。
マイナスはレギュレーターレクチファイアと共締めするのが定番。
過去のドラレコ装着記事でもウィンカーリレーからの電源取り出しをしてるので、良かったら参考にしてね。
で、配線をレッグシールドに隠して完成。
かなりちっちゃいでしょ。
TYPE-C充電ケーブルを用意して。
ポチっとな。
実際これで走ってみたけど。給電能力はばっちり。
ただ、雪中とか炎天下とかの温度変化が激しい状況では過信は禁物だよ。
あんまり過酷な状況だと、PD以前にスマホ自体が熱や寒さでギブアップしちゃうからね。
そういう時は、スマホをポケットとかに入れておくと比較的安全に充電できるよ。
ハンターカブ125にマルチバーUSBを装着するぞ
スーパーカブ90では使用できなかったフロントブレーキの平型端子を使った取り付けをやってみたい。というわけで、CT125ハンターカブでやってみるぞ。
車両協力及び作業はM&Fカビィさん。いつもありがとうございます。
必要な工具
14mmコンビネーション×2
10mmソケット
ラチェットハンドル
結束バンド
ニッパー(結束バンドカット用)
テスター
14mmはミラーの脱着に使うよ。10mmはマイナスアースのためのボルト用。
結束バンド&ニッパーは配線の結束に。あと、これが大事。テスターはブレーキスイッチのプラス側を探すために必要だよ。
テスターが必要って敷居高いかと思ったけど、意外と安いのね。1000円前後から売ってる。
あと、写真にはのってないけど、スパイラルチューブを使った。見栄えのためね。
防水性とかを考えるなら絶縁テープとか収縮チューブを駆使するとよさげ。
スーパーカブ90では写真と文字で紹介したので、こちらは動画で。
というわけで完成形はこんな感じ。
マルチバーから充電できるのはかなり便利だぞ。
ちなみに、電源部はくるっとまわって隠すことが出来るので、防塵対策もバッチリ。
スレンダーUSBの装着
CT125ハンターカブに装着
あと、気になるのはスレンダーUSB。スーパーカブだとハンドルカバーが付いてて不向きだけど、クロスカブとかハンターカブには収まりが良さそうな気がするのよ。
というわけでスレンダーUSB本体をハンターカブに装着してみたよ。
スレンダーUSBの装着には11mmの幅が必要なので、まずノーマルをチェック。
足りないね。
ミラーベースを緩めて、向かって右側に移動。
ばっちりですね。
あとは配線をかわしつつ、取り付け。
できあがり。スレンダー。
蓋を開けるとUSB TYPE-Cがコンニチワ。
クロスカブ110(JA45)に装着するとこんな感じ
こちらもハンターカブ同様、無理なく装着可能でした。
配線はメーター下のダミーカプラーからとるのが定番っぽい。
バイク用 USB電源&電圧計をスーパーカブ90に装着するとこんな感じ。
自分のカブは12V化したうえでドラレコつけたりフルLED化してるので、バッテリーの状態をある程度把握しておきたいのよね。で、過去にはamazonの安い電圧計付きのUSB電源を付けてたこともあったんだけど、なかなか味のあるスタイルというか、どうも好みに合わなかったのよ。
で、これですよ。シンプルに四角くて液晶表示もスッキリしてて、めっちゃスマート。
正直カッコ良い。
配線については、上の2つとは違ってバッテリーにプラスマイナスを装着する必要アリ。
キーオンのプラスにつなぐ端子。
バッテリーのプラスに繋ぐクワ型端子。
バッテリーのマイナスにつなぐクワ型端子。
って感じで3本あるのよ。とはいえ、さほど難しいとこはないかな。
古いカブに場合は端子のサイズが合わなかったので、上の「スーパーカブ90にUSB TYPE-C電源を装着」の時と同様にギボシを付け替えたよ。
左右三段階に装着位置が選べるのも便利。なんといっても見た目が良い。買って良かった。
もちろんPD対応だぜ。
バイク専用電源 Lightningをスーパーカブ110(JA44)に装着したらこんな感じ
コレに関しては車種にあんま関係なく、見た目はスッキリ。なんたってケーブルが一本でるだけだからね。通電時は白く光るのでわかりやすい。
格納するとこんな感じ。
まとめと蛇足
というわけでこれまでUSBを付けてた人も、これからつける人もPD対応がほんとオススメよ!
さて、10/2からSSTR2021が開催されるんだけど、ワカバヤシも10/9に、いつものスーパーカブで参加することになりました。で、もし途中でカブでの参加者に出会ったらお声かけさせていただくかも。
ステッカーあげるので、よかったらスナップ撮らせてね。
ゴールに間に合わなくてひたすら走ってるかもだけど。
レポート:若林浩志