2021年モデルでデビューしたBMW製スーパースポーツの最高峰であり、これまでBMWの4輪スーパースポーツにのみ与えられてきた、特別な称号「M」の名を二輪で初めて与えられた記念すべきモデルだ。今回、そのディティールにもクローズアップしてみた。
文:ゴーグル編集部、小松信夫/写真:松川忍

BMW「M1000RR」の特徴

画像: BMW M1000RR 総排気量:999cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:832mm 車両重量:192kg 税込価格:378万3000円~

BMW M1000RR

総排気量:999cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:832mm
車両重量:192kg

税込価格:378万3000円~

妥協を一切しない純潔のレーシングスピリットが宿る

高性能で知られてきた従来のスーパースポーツ「S1000RR」をベースにさらに高性能化を図っていて、スーパーバイクレースなど、モータースポーツ向けベースモデルという位置付けのロードゴーイングレーサーと呼ぶに相応しい1台だ。

画像1: BMW「M1000RR」の特徴

S1000RR譲りの水冷直4エンジンは、徹底した改良によって最高出力156kW(212PS)にまでパワーアップ、レブリミットも引き上げられた。車体は徹底的な軽量化に加え、ジオメトリーをサーキット重視に変更。フレームは調整式のスイングアームピポットを備え、サスペンションも専用セッティング。

カウルもレースで求められる空力性能を備えるものとなり、大きなダウンフォースを発生するMotoGPマシンのようなウイングレットまで標準装備する。

画像2: BMW「M1000RR」の特徴

BMW「M1000RR」各部装備・ディテール解説

画像1: BMW「M1000RR」各部装備・ディテール解説

エンジン

革新的な可変バルブタイミング&リフト機構であるシフトカムテクノロジーを採用した999cc水冷直4。基本的にはS1000RR用ベースだが、燃焼室形状変更など大改良を受けたシリンダーヘッドや、2リング鍛造ピストン、チタンコンロッドなどレーシングエンジンのようなパーツを使用してさらなるパフォーマンスを引き出す。


マフラー

アクラポビッチ製のフルチタニウム・エキゾーストシステムを標準装備する。パワーアップやレーシーなサウンドに加えて、約3.6kgもの重量軽減を実現することとなり、ハンドリングの向上に大きな効果をもたらした。


フロント 足まわり

フロントフォークはインナーチューブ径45mmのマルゾッキ製倒立タイプ。SBK世界選手権用マシンのブレーキを担当するニッシンと共同開発した、軽量・高性能、最大限の耐フェード性と優れたコントロール性まで備える、Mブレーキと名付けられたキャリパーを装着。


画像2: BMW「M1000RR」各部装備・ディテール解説

リア 足まわり

スイングアームはS1000RRより全長が約12mm長いM1000RR専用品で、リアアクスルは耐久レースなどを考慮して迅速なタイヤ交換が可能なクイックリリースシステムにも対応。Mブレーキのリアブレーキキャリパーは、クイックリリースシステムに対応する。リアサスには調整機能付きのフルフロータープロキネマティックを採用。


ホイール

サーキットでもストリートでも最高のパフォーマンスを実現するために、M1000RRの前後ホイールは、最新テクノロジーを駆使した超軽量で強度にも優れるカーボン製とされた。バネ下重量を大幅に低減することで、ハンドリングをさらに軽快にしている。


画像3: BMW「M1000RR」各部装備・ディテール解説

ウイングレット・空力性能

ウイングレットが生み出すダウンフォースは16.3kg(300km/h時)。このダウンフォースによってトップスピードを犠牲にすることなく、コーナーリング中の高い安定感を実現。さらにウイリーも抑制されるので、トラクションコントロールの介入を減らすことができ、加速性能の向上にも繋がっている。


画像4: BMW「M1000RR」各部装備・ディテール解説

ハンドルまわり

大型液晶メーターが目立つタイトなコクピット。アルミ削り出しのトップブリッジは、アンダーブラケットと合わせてS1000RRのものより20g軽量化された。倒立フロントフォークは、左右でスプリングとダンパーの機能を独立して与えられている。フォークトップの右がプリロード、左がダンパーのアジャスター。


画像4: BMW「M1000RR」を徹底解説|BMWのバイクで初めて“M”の称号を冠した新時代のスーパースポーツマシン
画像5: BMW「M1000RR」を徹底解説|BMWのバイクで初めて“M”の称号を冠した新時代のスーパースポーツマシン

メーター

優れた視認性と多機能を備えた大型6.5インチTFT液晶パネル中心にしたメーターパネル。多彩な機能、表示モードを選択できるほか、オプションのM GPSデータ・ロガーを別途購入しアクティベーションコードを有効化すれば、OBDインターフェイスを通じてGPSデータロガーやラップトリガーを使用可能。


画像5: BMW「M1000RR」各部装備・ディテール解説

クイックシフター

クラッチ操作をせずにシフトアップ、ダウンすることができる、シフトアシスタントプロも標準装備。サーキット走行向けにシフトパターンも簡単に変更できるようになっている。


画像6: BMW「M1000RR」各部装備・ディテール解説

シート

スリムな造りのシート周りはライダーとの一体感を高めるデザイン。シート高は832mm。


画像7: BMW「M1000RR」各部装備・ディテール解説

テールまわり

シャープなデザインのテールエンド。多くのバイクがテールカウル最後部に装着する独立したテールランプは備えず、左右に装着されているリアウインカーにそれらの機能が統合されていて、スッキリとした仕上がりだ。


画像8: BMW「M1000RR」各部装備・ディテール解説

上級モデル「Mコンペティションパッケージ」

M1000RRの上級モデルである「Mコンペティションパッケージ」では、外装パーツの各部に軽量なMカーボンパーツが装着され、さらにステップなどは上質な仕上げのM Machinedパーツに置き換えられている。

画像: 【公式動画】IN THE SPOTLIGHT: The new BMW M RR www.youtube.com

【公式動画】IN THE SPOTLIGHT: The new BMW M RR

www.youtube.com

BMW「M1000RR」主なスペック・価格

全長×全幅×全高2073×818×1197mm
ホイールベース1457mm
シート高832mm
車両重量(乾燥重量)192(170)kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量999cc
ボア×ストローク80×49.7mm
圧縮比13.5
最高出力156kW(212PS)/14500rpm
最大トルク113N・m/11000rpm
燃料タンク容量16.5L
変速機形式6速リターン
トレール量99.8mm
タイヤサイズ(前・後)120/70 ZR 17・200/55 ZR 17
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格
BMW M1000RR378万3000円(消費税10%込)
BMW M1000RR M
コンペティション・パッケージ
428万円(消費税10%込)

文:ゴーグル編集部、小松信夫/写真:松川忍

This article is a sponsored article by
''.