ヤマハ「RZ250」の特徴
最後のつもりで造り込んだ最高の2ストスポーツ!
かつてスポーツバイクといえば、シンプルで軽量、ハイパワーな2ストが主流だった。だが60年代末から北米などで排ガス規制が始まり、さらに1973年の石油ショックも重なって、構造上排ガス浄化と燃費の改善が難しい2ストエンジンの命運は尽きようとしていた。
そんな70年代半ば、2ストを得意としてきたヤマハが、最後の2ストスポーツとなることを覚悟して開発したのがRZ250だった。
世界GPでの経験を活かした水冷2ストエンジンで、ハイパワーと排ガス規制を両立。さらに市販レーサー・TZ250の技術を取り入れた、軽量でシャープなハンドリングを備えた車体を組み合わせ、究極の2ストと呼ぶにふさわしい高性能も実現。
1979年に公開されるや大反響を呼び、予約殺到の大人気となって、2ストの灯を再点灯させた。1980代を代表する1台といっても過言ではないだろう。
月刊『オートバイ』の人気企画「JAPAN BIKE OF THE YEAR」では1980年・1981年に126~250ccクラスで1位を獲得している。
2021年度のジャパンバイクオブザイヤーの詳しい情報はこちら!
兄貴分は“ナナハンキラー”
兄貴分のRZ350は「ナナハンキラー」のあだ名で有名なマシン。シャープに吹ける250に対して、350はトルクもあって意外に乗りやすい味付けだった。
月刊『オートバイ』の「JAPAN BIKE OF THE YEAR」では当時、400ccと戦うことになり、残念ながらクラス1位に輝くことはなかった。
ヤマハ「RZ250」各部装備・ディテール解説
ヤマハ「RZ250」主なスペック
全長×全幅×全高 | 2080×740×1085mm |
ホイールベース | 1355mm |
最低地上高 | 170mm |
シート高 | 790mm |
乾燥重量 | 139kg |
エンジン形式 | 水冷2ストピストンリードバルブ並列2気筒 |
総排気量 | 247cc |
ボア×ストローク | 54.0×54.0mm |
圧縮比 | 6.2 |
最高出力 | 25.7kW(35PS)/8000rpm |
最大トルク | 29.4N・m(3.0kgf・m)/8000rpm |
燃料タンク容量 | 16L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 26°50′ |
トレール量 | 101mm |
タイヤサイズ(前・後) | 3.00-18・3.50-18 |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・ドラム |
当時価格 | 35万4000円 |
※この記事は月刊『オートバイ』2021年7月号の特集から一部抜粋し、再構成して掲載しています。当特集のスタッフ 文:太田安治、小松信夫、オートバイ編集部/写真:赤松 孝、稲田浩章、小見哲彦、小平 寛、鶴見 健、冨樫秀明、栃内隆吉、西田 格、南 孝幸、松川 忍、盛長幸夫、森 浩輔、山口真利、永元秀和(月刊オートバイ誌)、玉井 充(月刊オートバイ誌)