スマートキーの紛失や故障時の対処法
スマートキー本体の電池が新品でもバイクに積んでいるバッテリーが完全に弱ってしまっていると、スマートキーは作動しません。
また、スマートキーを失くしてしまった場合も同様に困ります。
「Honda SMART Key システム」の場合は、こういった緊急時の対応方法も存在しています。詳しくは愛車の取扱説明書をご覧いただくのが一番でしょう。取扱説明書を紛失してしまった場合は、インターネットで見ることも可能です。
ここでは2021年型PCXの場合の対処法をざっくりと紹介します。
ひとつに「エマージェンシーキー」を使ってシートのロックを解除するという選択肢があります。エマージェンシーキーは、車両購入時にスマートキーとセットで必ず渡されるもの。
これを使って、メインスイッチの横にある緊急用シートオープナーにアクセスすることで、シートロックの解除が行なえます。
シートのロックを解除できれば、ひとまず中の荷物を取り出すことや、シート内に備わっているバッテリーを外して充電を試みてみることもできるでしょう。
もうひとつは、「IDタグ」を使って、メインスイッチを解錠する方法があります。「IDタグ」も車両購入時に必ず受け取るものです。ここに記された番号を見ながら、取扱説明書に記された手順を追うことでメインスイッチの解錠ができます。
ただこれはけっこう複雑。簡単だったらすぐに盗難されちゃいますからね。取扱説明書を見て解決できないようなら、ホンダの販売店にぜひご相談を。
紛失してしまった場合は、簡単に作れるものではありません。再登録が必要となるので、エマージェンシーキーとIDタグをセットで持ってホンダの販売店へ行きましょう。故障時も同様です。鍵屋さんなどに連絡をしてもスマートキーだと対応できない場合も多いでしょう。
つまりスマートキーに関する何かしらのトラブルが発生してしまったら、車両を購入した店舗やホンダドリーム店・ホンダウイング店など正規のお店に掛け合ってみるのがいい、というわけです。
【まとめ】スマートキーは便利! トラブル対処法は知っておくだけで安心
冒頭でもお伝えしたとおり、スマートキーは大変便利なものです。とくにバイクの場合は、グローブをしたり、キーホルダー(鍵の束)を乗車時に絶対に落とさない場所で携行しなければならないため、鍵の取り出しがいちいち面倒くさいんです。
でもスマートキーなら、ファスナー付きのバッグやジャケットのポケットに入れているだけでOK。
初めてスマートキーのバイクを所有した際は、トラブルが起きたらどうしようと不安になることもあると思いますが、前述したような対処法を知ってさえいれば焦らずに済みます。
ちなみに「Honda SMART Key システム」には、アンサーバックシステムという機能が備わっています。このボタンを押すと、バイクが「ここにいるよ!」と方向指示器を点滅させ教えてくれます。
クルマとちがって、なかなか「自分のバイクはどれだっけ?」と困る現象は少ないと思いますが、ボタンを押すと反応するというのは、なんだか嬉しいもの。返事をしてくれる愛車は可愛く見えるはずです。
また、車両のバッテリーやスマートキーの電池が弱っている場合は、アンサーバック機能が働かないので、ときどきボタンを押すことで、バッテリー充電や電池交換の時期を知る目安としても役立つでしょう。
近年、スマートキーの採用車種は増えており、今後はもっと多くの機種で搭載されることが予想されます。ホンダ・スーパーカブC125にスマートキーが採用されたときは、驚きました。
2021年のことでいえば、2月に発売された新型ディオ110は、フルモデルチェンジを遂げ、同時にスマートキーを新採用しました。
個人的な希望としては、ツーリングを楽しむための250ccから大型モデルにももっと広く普及していってほしい、と思っています。長旅で鍵の管理に気をつかわなくてよくなると、楽ですからね。
レポート:西野鉄兵