中村浩史が選ぶ2021年のベスト3!
【中村浩史さんが選んだバイク】
第1位:ホンダ「モンキー125」
第2位:ヤマハ「テネレ700」
第3位:ホンダ「CB400 SUPER BOL D'OR」
第1位:ホンダ「モンキー125」
惚れて買ったバイクだもの
毎年のようにいろんなオートバイに試乗したりテストしたり、幸せな立場におります。困ったことにどれもこれも欲しくなっちゃう性分なので「どれが良かった?」って聞かれると、すごい困っちゃう。あれもいい、これもいい、全部いい。絞れない。
だから、自分が選ぶベストバイクは、やっぱり自分で買っちゃったオートバイだなぁ、と思う。または買う寸前までいったやつね。これなら毎年のように何台もあらわれるもの。
なので、今年のベスト1はモンキー125といたしました。
モンキー125は、それまで乗っていたCB125Rからの買い替え。2010年に125DUKEと出会ってから、この10年ほど125ccスポーツにずっと乗っているんだけれど、直近で「いいなぁ」と思ったのがモンキー125だったんです。
旧50cc時代のモンキーは、僕世代だと結構ハマる友人もいたんだけれど、僕はわりと無関心。8インチタイヤ、50ccエンジンの小さいサイズ、街乗りできないじゃん、と。
でも新生125ccのモンキーは違いました、オトナサイズでも窮屈さがない車体サイズ、交通の流れをリードできるスピード、ふかふかシート。あと可愛いしね♪
ウチは子供がふたりいるんですけど、上のお兄ちゃんが中学1年生、弟が小学4年生。ふたりともバイクに興味がある年頃で、休みの日は乗せて乗せてうるさいくらい。
残念ながら、モンキー125はふたり乗りできないんだけれど、いつの日かふたりが免許をとったら「おとうのモンキー、乗っていいぞ」なんてプレゼント――なんていいなぁ、ってね。
第2位:ヤマハ「テネレ700」
新しいアドベンチャー
2台目は、この1年に乗って衝撃的だった1台。それ、テネレ700です。
この数年「アドベンチャー」カテゴリーに勢いがあって、アフリカツインもVストロームも、遠くまで走るのにすんごいイイ。そのカテゴリーに遅れて参入してきたのがテネレだったんだけど、既存のモデルとなんにも似ていないパッケージがガチだった。これ、アドベンチャーじゃない、オフロード車なんだもん。
シートは高く、サスストロークは長い、それにアドベンチャーにあって当たり前っぽい装備であるトラクションコントロールもクルーズコントロールもない。でも、それが硬派でいいんです!
ヤマハもこれ、アドベンチャーなんてひとことも説明していません。「ビッグオフロードモデル」として、国内の需要とはあえてズレちゃうけど、海外ではさすがヤマハ、と評価されているみたい。出先でツーリングしてるテネレ700を見ると「オッ、わかってんなぁ」って思っちゃいますね。
第3位:ホンダ「CB400 SUPER BOL D'OR」
ゆるぎない王者
3台目は絶対王者CB400です。中でもカウル付き、ETC&グリップヒーター標準搭載のCB400スーパーボルドールがいいな。1992年デビュー、国産400cc唯一の並列4気筒エンジン、SR400なきあと「ロングセラー」といえば、この400SF/400SBのことですね。
このCB400SB、何度も何度も乗っていますが、いつも「久しぶり」。それでも、まるで毎日乗っているように体に馴染むんです。のんびり走ってスムーズ、トバすと速い。ハンドリングは安定感のあるクセのない動きで、本当に誰にでもお勧めできるモデルですね。
奇をてらっていない、オートバイらしいスタイリングは、ずっと飽きない。それにバイク便ライダーによると、毎日のように酷使しても、一般的なメンテを欠かさなければ、10万kmは当然、20万km走ることだって珍しくない、頑丈なバイクです。
新車価格は400ccなのに100万円超えちゃうんだけど、それに見合うオートバイ。ゆるぎない王者、きっと、みんな、ずっと好きです。
まとめて言うと
年々厳しくなる排気ガス/騒音規制がある今、どんなバイクだろうと、いつまでもあるとは限らない――それが現在のオートバイラインアップです。
たとえば、あくまでも例えばね? いまベストセラー、売れに売れているCT125ハンターカブが、レブル250が、Z900RSが生産終了になって「ファイナルエディション」なんてバージョンが明日にも発表される可能性だってある。欲しいオートバイ、いつ買うの? 今だぞ!
文:中村浩史/写真:折原弘之、森 浩輔、松川 忍、南 孝幸