文:山口銀次郎、小松信夫/写真:柴田直行
スズキ「Vストローム1050XT」各部装備・ディテール解説
フェイスデザイン
ロービームで上側、ハイビームで上下が点灯する軽量な角形デザインのLEDヘッドランプと、くちばし状のパーツが目立つ往年のラリーマシン風スタイルと組み合わせたフロントマスク。大型のスクリーンの後ろには、スマホなどのアクセサリーを装着時に使えるアクセサリーバーが装備されている。
ウインドスクリーン
ライダーを走行風の影響から守るウインドスクリーンは可変構造を採用。快適性を追求して風洞実験によって形状が決められたスクリーンの高さを、ライダーの好みなどに応じて変更することで防風効果を調整できる。
エンジン
低回転から豊かなトルクを発生しながら、高回転までスムーズに吹けあがる、力強くスポーティな1036cc水冷Vツインは、電子制御スロットルの採用でさらに洗練され、環境性能も向上した。ローRPMアシスト、イージースタートシステム、クラッチアシストシステムなどで扱いやすさも抜群。
マフラー・リア 足まわり
優れた剛性バランスを備えたアルミ製ダイヤモンドフレームに、アルミ製スイングアームを組み合わせることで高い直進安定性と優れたハンドリングを実現した。縦長の断面を持つ大容量サイレンサーが目立つ、右側1本出しのマフラーが軽快なイメージだ。
フロント 足まわり
KYB製の剛性の高いΦ43mm倒立フロントフォークを採用、無段階のダンピングアジャスターとプリロードアジャスターを装備。フロント19インチ、リア17インチのホイールは、スタンダードモデルはキャストだが、XTのみスポークホイールとされている。標準装着のタイヤはブリヂストンのBATTLAX Adventure A41。
スイングアーム・リアサスペンション
リアサスはKYB製のリンク式モノショック。工具を使わず簡単にスプリングプリロードを調整できる、ノブ式プリロードアジャスターも備えている。さらに伸側の減衰力調整機構も装備して、タンデムや荷物の搭載量、路面の状況などに合わせた細かなセッティングを行えるようになっている。
ハンドル
アドベンチャーツアラーらしい、オフロード重視の堅牢なイメージのアルミ製テーパーハンドルバーを標準装備。メーターパネルの左側には、スマートフォン、ナビゲーションシステムなどへの給電に使用できるUSBポートが設けられている。ナックルカバーはXTのみに装着され、ミラーもスタンダード用とは異なるもの。
メーター
軽量コンパクトなフル液晶の多機能メーター。視認性に優れる基本的なデザインや、多彩な表示内容、機能はXTとスタンダードモデルとほとんど共通。しかしスタンダードが通常の白背景の液晶なのに対して、XTでは背景が黒い反転液晶を採用している点で大きく異なっている。
燃料タンク
見るからにボリュームのある形状の燃料タンク、その容量は20Lを確保。WMTCモードで計算すると航続距離は約400kmとなる。サイズは大きいがホールド性に優れ、自然なライディングポジションをとることができる。
シート
ライダー側、タンデム側と前後に分かれたセパレートデザインのシートを採用、表皮にはグリップ力が高い素材を使用している。シート形状の工夫によって、長距離ツーリングなどでの安定性を高めながら、疲労も軽減する快適な乗り心地を実現した。
テールまわり
テールランプにも高輝度のLEDを採用。XTではウインカーまでLEDだが、スタンダードモデルでは一般的なバルブを使用したウインカーとされている。
スズキ「Vストローム1050XT」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2265×940×1465mm |
ホイールベース | 1555mm |
最低地上高 | 160mm |
シート高 | 850mm |
車両重量 | 247kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒 |
総排気量 | 1036cc |
ボア×ストローク | 78.0×62.0mm |
圧縮比 | 11.5 |
最高出力 | 78kW(106PS)/8500rpm |
最大トルク | 99N・m(10.1kgf・m)/6000rpm |
燃料タンク容量 | 20L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 25°30′ |
トレール量 | 109mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/80ZR19M/C (59V)・150/70ZR17M/C (69V) |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 151万8000万円(消費税10%込) |
文:山口銀次郎、小松信夫/写真:柴田直行