軽快なアドベンチャーツアラーの最高峰に位置付けられているのがVストローム1050XT。2020年に登場した現行モデルは、往年のパリダカマシン・DR-BIGを想わせる個性的なスタイリングなど、先代モデルのイメージを受け継ぎながらリファイン。大型ウインドスクリーン、大容量燃料タンクなど、ツーリングでの使い勝手の良さはもちろん受け継がれた。
文:山口銀次郎、小松信夫/写真:柴田直行

スズキ「Vストローム1050XT」各部装備・ディテール解説

画像1: スズキ「Vストローム1050XT」各部装備・ディテール解説

フェイスデザイン

ロービームで上側、ハイビームで上下が点灯する軽量な角形デザインのLEDヘッドランプと、くちばし状のパーツが目立つ往年のラリーマシン風スタイルと組み合わせたフロントマスク。大型のスクリーンの後ろには、スマホなどのアクセサリーを装着時に使えるアクセサリーバーが装備されている。


画像3: スズキ「Vストローム1050XT」インプレ(2021年)|Vストローム・シリーズ 最高峰モデルの走行性能と装備を詳解
画像4: スズキ「Vストローム1050XT」インプレ(2021年)|Vストローム・シリーズ 最高峰モデルの走行性能と装備を詳解

ウインドスクリーン

ライダーを走行風の影響から守るウインドスクリーンは可変構造を採用。快適性を追求して風洞実験によって形状が決められたスクリーンの高さを、ライダーの好みなどに応じて変更することで防風効果を調整できる。


画像2: スズキ「Vストローム1050XT」各部装備・ディテール解説

エンジン

低回転から豊かなトルクを発生しながら、高回転までスムーズに吹けあがる、力強くスポーティな1036cc水冷Vツインは、電子制御スロットルの採用でさらに洗練され、環境性能も向上した。ローRPMアシスト、イージースタートシステム、クラッチアシストシステムなどで扱いやすさも抜群。


画像3: スズキ「Vストローム1050XT」各部装備・ディテール解説

マフラー・リア 足まわり

優れた剛性バランスを備えたアルミ製ダイヤモンドフレームに、アルミ製スイングアームを組み合わせることで高い直進安定性と優れたハンドリングを実現した。縦長の断面を持つ大容量サイレンサーが目立つ、右側1本出しのマフラーが軽快なイメージだ。


画像4: スズキ「Vストローム1050XT」各部装備・ディテール解説

フロント 足まわり

KYB製の剛性の高いΦ43mm倒立フロントフォークを採用、無段階のダンピングアジャスターとプリロードアジャスターを装備。フロント19インチ、リア17インチのホイールは、スタンダードモデルはキャストだが、XTのみスポークホイールとされている。標準装着のタイヤはブリヂストンのBATTLAX Adventure A41。


画像5: スズキ「Vストローム1050XT」各部装備・ディテール解説

スイングアーム・リアサスペンション

リアサスはKYB製のリンク式モノショック。工具を使わず簡単にスプリングプリロードを調整できる、ノブ式プリロードアジャスターも備えている。さらに伸側の減衰力調整機構も装備して、タンデムや荷物の搭載量、路面の状況などに合わせた細かなセッティングを行えるようになっている。


画像6: スズキ「Vストローム1050XT」各部装備・ディテール解説

ハンドル

アドベンチャーツアラーらしい、オフロード重視の堅牢なイメージのアルミ製テーパーハンドルバーを標準装備。メーターパネルの左側には、スマートフォン、ナビゲーションシステムなどへの給電に使用できるUSBポートが設けられている。ナックルカバーはXTのみに装着され、ミラーもスタンダード用とは異なるもの。


画像7: スズキ「Vストローム1050XT」各部装備・ディテール解説

メーター

軽量コンパクトなフル液晶の多機能メーター。視認性に優れる基本的なデザインや、多彩な表示内容、機能はXTとスタンダードモデルとほとんど共通。しかしスタンダードが通常の白背景の液晶なのに対して、XTでは背景が黒い反転液晶を採用している点で大きく異なっている。


画像8: スズキ「Vストローム1050XT」各部装備・ディテール解説

燃料タンク

見るからにボリュームのある形状の燃料タンク、その容量は20Lを確保。WMTCモードで計算すると航続距離は約400kmとなる。サイズは大きいがホールド性に優れ、自然なライディングポジションをとることができる。


画像9: スズキ「Vストローム1050XT」各部装備・ディテール解説

シート

ライダー側、タンデム側と前後に分かれたセパレートデザインのシートを採用、表皮にはグリップ力が高い素材を使用している。シート形状の工夫によって、長距離ツーリングなどでの安定性を高めながら、疲労も軽減する快適な乗り心地を実現した。


画像10: スズキ「Vストローム1050XT」各部装備・ディテール解説

テールまわり

テールランプにも高輝度のLEDを採用。XTではウインカーまでLEDだが、スタンダードモデルでは一般的なバルブを使用したウインカーとされている。


スズキ「Vストローム1050XT」主なスペック・価格

全長×全幅×全高2265×940×1465mm
ホイールベース1555mm
最低地上高160mm
シート高850mm
車両重量247kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒
総排気量1036cc
ボア×ストローク78.0×62.0mm
圧縮比11.5
最高出力78kW(106PS)/8500rpm
最大トルク99N・m(10.1kgf・m)/6000rpm
燃料タンク容量20L
変速機形式6速リターン
キャスター角25°30′
トレール量109mm
タイヤサイズ(前・後)110/80ZR19M/C (59V)・150/70ZR17M/C (69V)
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格151万8000万円(消費税10%込)

文:山口銀次郎、小松信夫/写真:柴田直行

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