文:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸、森 浩輔
ヤマハ新型「MT-07」の特徴
機能性と扱いやすさを高めた充実アップデート
単眼デザインのバイファンクションLEDヘッドライトの採用でインパクトある顔つきになり、ついそのデザインに目が行きがちだが、新型MT-07のポイントは扱いやすさと機能性の向上。
ハンドル幅を広くし、高めにセットすることで、様々な体格のライダーが扱いやすいアップライトなポジションを実現。エンジンも吸排気系やECUの仕様変更などでリニアなレスポンスに磨きをかけ、持ち前の爽快な走りをさらに進化させている。
ライバルより少し排気量の大きいCP2エンジンのトルクや、軽量な車体を活かしたフットワークの良さも光るポイント。2度目のアップデートを受け、MT-07はその魅力を全体的に底上げしてきたのだ。
MT-07のライバルはズバリこの3台!
クラス唯一の4気筒!
クラスで唯一の直4エンジンを搭載するネオスポーツカフェシリーズの中核モデル。素材感を強調した上質な造りやトラコンのHSTC採用など、高級車としての造りが光る。
個性際立つ“SUGOMIデザイン”
ひと目でZと分かるシャープで斬新な「SUGOMIデザイン」が特徴。コワモテに見えるが、扱いやすい素直なハンドリングやスマホコネクト機能など、中身はフレンドリー。
ステージを選ばない万能NK
トルキーで扱いやすいVツインも魅力だが、街乗りでも峠でも素直で手に余らない走りと高い実用性が魅力。価格もリーズナブルで何にでも使いたいという欲張りなライダー向け。
ヤマハ「MT-07」・ホンダ「CB650R」・カワサキ「Z650」・スズキ「SV650」|キャラクター比較
守備範囲の近い4台だが個性と価格は色とりどり
グラフにすると4車の狙いや個性がよく分かる。4気筒スポーツのCBは価格も高いが上質な乗り味や仕上げで他車と一線を画す。ZとSVはともにオールラウンドに楽しめる、バランスのよいスタンダードスポーツ。価格の差はメーターやLEDライトなどの装備の差と考えよう。
面白いのはMT-07で、他車よりややスポーツ志向の味付けとしながら、ZとSVのちょうど中間の価格ゾーンを狙っていて、スポーティさで個性をアピールしつつ、戦略的な価格設定でバリュー感もしっかり演出している。ヤマハの意気込みが感じられる。