文:濱矢文夫、小松信夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行
ヤマハ「テネレ700」各部装備・ディテール解説
フェイスデザイン
ラリーマシン風の大型スクリーンと共に、フロントマスクを印象付ける4灯式LEDヘッドライト。上側2灯がロービーム、下側2灯がハイビーム、下端にはポジションランプを配置した個性的なデザインが個性的な表情を見せる。
エンジン
MT-07用から発展した水冷並列ツインエンジン。MT同様「クロスプレーン・コンセプト」に基づいたメカニズムをベースに吸排気系などを改良し、豊かな低中速トルクと伸びやかな高回転の伸びを併せ持つ。ギアレシオなどの変更でオフロードでの楽しさとオンロードでの扱いやすさをバランス良く備える。
フロント 足まわり
Φ43mm倒立フロントフォークは210mmという長いストロークを備え、優れた接地感、ショック吸収性を備える。フロントブレーキはΦ282mmローターにブレンボ社製2ポットキャリパーを組み合わせる。オン・オフ切替え可能なABSも標準装備。フロントホイール径は21インチ、軽量スポークのアルミ製リムを使用する。
リア 足まわり
スイングアームは軽量で良好な剛性バランスを備える重力鋳造されたアルミ製。リアブレーキはΦ245mmの軽量ウェーブディスクに1ポットキャリパーという組合せ。標準装着タイヤはオフロード、オンロードでバランス良く走れるピレリ製のスコーピオン・ラリーSTR。
リアサスペンション
リアサスは専用設計のリンク式モノクロスサスペンション。減衰特性とバネ定数、リンクレシオを最適化することで、一般路での快適な乗り味とオフロードでの粘り強い特性を両立したリアサスペンションを装着。プリロードと圧側、伸側ダンピングの調整が可能なフルアジャスタブルタイプ。
ハンドル
アルミ製のワイドなテーパーハンドルバーを採用するなど、ハンドル周りはオフロード車そのものというべき造り。ハンドガードも標準装備。
メーター
縦型デザインのフル液晶多機能メーターは、強い太陽光の下でも表示されている情報を読み取りやすいように作られている。デジタル表示の速度計を中心に、バー表示のタコメーター、燃料計、使用中のギアがわかるようギアポジションインジケーターをわかりやすく配置している。
燃料タンク
コントロールしやすいスリムな造りのボディだが、それでも燃料タンクの容量は16Lを確保している。WMTCモード値で航続距離を計算すると約380kmに達する。
シート
走行状況に応じて好みのポジションを取りやすく、積極的にライダーがポジションを動かしてライディングすることができるフラットシートを採用。シートは前後別体で、リアシートはキー操作だけで簡単に取り外しが可能だ。
テールまわり
スリムなデザインのテールカウル後端に、コンパクトなLEDテールランプをマウント。純粋なオフロードモデルのような軽快なデザインだ。
ヤマハ「テネレ700」主なスペックと価格
全長×全幅×全高 | 2370×905×1455mm |
ホイールベース | 1595mm |
最低地上高 | 240mm |
シート高 | 875mm |
車両重量 | 205kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 688cc |
ボア×ストローク | 80.0×68.5mm |
圧縮比 | 11.5 |
最高出力 | 53kW(72PS)/9000rpm |
最大トルク | 67N・m(6.8kgf・m)/6500rpm |
燃料タンク容量 | 16L(無鉛レギュラーガソリン指定) |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 27゜ |
トレール量 | 105mm |
タイヤサイズ(前・後) | 90/90-21M/C 54V・150/70 R18M/C 70V(前後チューブタイプ) |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 126万5000円(消費税10%込) |
文:濱矢文夫、小松信夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行